養命酒にも使用。美しいだけじゃないんです!シャクヤク
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養命酒にも使用。美しいだけじゃないんです!シャクヤク

水戸 養命酒薬用ハーブ園で1番華やかな花は何でしょう?バラ、ラベンダー、ナスタチウム...やっぱりシャクヤクでしょう!

「立てば芍薬 座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われるように、美しい女性の姿の代名詞に使われるシャクヤクは見た目が美しいだけではなく、根が漢方薬としても有名です。なんせ、薬用養命酒にも使われているのですから!

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3月はシャクヤクを美しく咲かせるため、肥料やりを開始する時期。肥料が少ないと花が小さくなったり、咲かないこともあります。地際に赤い芽を確認できたら、古い葉を切り取り、芽に光がたっぷり当たるようにします。株の周囲に2箇所穴を掘って、有機質肥料を埋め込みましょう。4月になったら、リン酸分の高い液肥もあげると、花が見事に咲きます。

今ハーブ園で育っているシャクヤクは、実は養命酒 駒ヶ根工場(長野県)生まれです。2017年4月の「水戸 養命酒薬用ハーブ園」オープンに間に合うようにと、2016年の秋、大量のシャクヤクの根が届いたのです。

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「山芋みたいに太くて立派!こんなすごいシャクヤクの根、見たことない!」箱から出てくる根を見て、スタッフはビックリ仰天。「根が大きすぎて、植える鉢がありません。」もったいないですが、根を切り分けて植えることにしました。

シャクヤク3.JPG

まず、よく切れるナイフを準備します。断面積は小さく、躊躇せずスパッと切るのがポイント。腐敗防止のため、切り口に草木灰をつけます。現場スタッフ総出で植えて、直径30cmほどの鉢が約80鉢できました。

「4月のオープン時は、咲いた株を飾りたいよね。それには冬は寒い場所に置いて低温を経験させてから暖かい場所に移し、春が来たと思わせて早く咲かせましょう。」寒さを経験させるのがポイントなのです。 有名なガーデナーで絵本作家のターシャ テューダの庭にもピオニー(シャクヤク)ガーデンがあって、赤や白、桃色の華やか花が咲き誇った画像が有名です。きっとシャクヤクは彼女の大好きな花だったのでしょう。

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「肥えた土作りをしていたんだな。シャクヤクは肥料食いだからね。春になって脇に出た芽は摘まないと、大きな花は咲かないのよ。」

そして迎えた4月のオープンでは、シャクヤクの花が何とか咲き始め、5月には満開になりました。今では株が充実し、園内で最も輝くハーブになりました。 今年もいっぱい花が咲きますように!

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シャクヤクが繋いでくれた水戸と駒ヶ根の縁。水戸では5月上旬、駒ヶ根では5月下旬がシャクヤクの見頃です。

養命酒 駒ヶ根工場(長野県)のシャクヤクIMG_4511.JPG

    【シャクヤク】
  • 学名:パエオニア ラクティフローラ(Paeonia lactiflora)
  • 科名:ボタン科ボタン属
  • 原産地:中国北部〜朝鮮北部
  • 特徴:日本で改良されたシャクヤクの花は大きくて豪華に咲きますが、ヨーロッパで改良された品種は小さめで愛らしく、花色が豊富です。
  • 栽培のポイント:日当たりの良い場所で肥沃な土地を好みます。鉢栽培をする場合は、赤玉土(小):腐葉土:堆肥=6:3:1に籾がら燻炭を1割混ぜ、緩効性化成肥料を混ぜた用土で栽培します。
  • 開花期:5〜6月_DSC2637.jpg

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この方にお話を伺いました

水戸 養命酒薬用ハーブ園(水戸市植物公園内) 西川 綾子園長 (にしかわ あやこ)

西川 綾子園長

水戸市植物公園園長。園芸家。筑波大学第二学群農林学類卒業後、民間企業を経て水戸市植物公園開園のために水戸市へ移住。NHK「趣味の園芸」講師や書籍の執筆なども行う。2009年第14回NHK関東甲信越地域放送文化賞を受賞。2014年公益社団法人日本植物園協会常務理事就任。2017年オープンの「水戸 養命酒薬用ハーブ園」では、約40 種類のハーブを栽培。園のシンボルツリーである薬木「キハダ」を囲むウッドデッキを中央に配置し、歴史を学べる薬草エリアと、五感で楽しむハーブガーデンエリアの2つのエリアを設けている。

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