マタタビよりも夢中?! 甘い香りのキャットミント
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マタタビよりも夢中?! 甘い香りのキャットミント

薬用ハーブ園には、ハーブを育て利用する教室を開くので、たくさんの人がやって来ます。そんなハーブ園でおこる日常のひとコマを季節のハーブと共に紹介しましょう。

薬用ハーブ園で働く少数精鋭スタッフ、中でも特筆すべきは猫の「ミーちゃん」で、かれこれ10年くらい事務所で暮らしています。飼っているわけではないのに、ずっとここで暮らしている......そんな彼女には、重要な任務があります。それはネズミを捕ること!ill01 2.jpg

スタッフSさんの机はいつも書類が山になっていて、ネズミの住処に最適です。そのせいか被害は甚大。Sさんが休みの時はミーちゃんがネズミの見張り番として座布団付きの椅子で眠っています。

ところで、猫にも好きなハーブがあるらしく、マタタビと同じ成分のネペタラクトンを含むキャットニップが有名です。乾燥した葉を入れたネズミのぬいぐるみ「キャットニップマウス」という猫のおもちゃもあります。でもミーちゃんのお気に入りは、別物の近縁種キャットミントです。ラベンダーを思わせるブルーの花に、グレイがかった緑の葉。触れると甘い香りが漂います。ミントの名前がついていますがミントではなく、観賞目的でガーデンの縁取りに利用します。

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キャットミントの葉を切って手入れをしていた時、ミーちゃんが体をスリーと寄せてきて「ニャア」。キャットミントの甘い香りに誘われたのかもしれませんね。

さて、5月の薬用ハーブ園は、希望に満ちたとても楽しい時期です。ジャーマンカモミール、チャイブ、セージ、タイム、ボリジなど次々花が咲いてきます。カモミールは紅茶と合わせてアイスティーに。蜂蜜を入れて甘くするのもオススメですし、美肌効果を期待した花のフェイスパックも気持ち良い。チャイブで作るハーブバターはステーキに添えて...。おっとその前に、英国の古い諺「長生きしたければ5月にセージを食べよ」があるように、セージで肉料理を作って長生きしなければ!ill03.jpg

料理ができたら、ぜひ摘みたてのキャットミントでタッジーマッジーを作り、食卓に飾りましょう。ハーブ.jpg

タッジーマッジーとは、花嫁さんが持つブーケの由来と言われる小さな花束のこと。魔除けとしても使われ、花言葉を意識して作れば自分の思いを花に託すステキなプレゼントになります。恋人にあげるなら赤いバラ(愛しています)やローズマリー(変わらぬ愛)がおすすめ。

さあ、ハーブの花と香りに癒され、体も元気になる料理を食べ、ハーバルライフを満喫できるシーズンの到来です。

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見張り中...

    【キャットミント】
  • 学名:ネペタ ファーセニー(N. ×faassenii)
  • 科名:シソ科イヌハッカ属
  • 原産地:交雑種
  • 特徴:草丈約30~80cm、青紫、桃、白色の花が穂状に咲く。
  • 開花期:主に5~7月
  • 栽培のポイント:日当りと排水の良い場所なら良く育つ多年草。こぼれた種が自然に発芽することも多い。梅雨時の高温多湿は苦手。生育旺盛で枝葉が混んできたら花茎をつけねで切って切り花で利用すると、風通し良く管理ができる。キャットミント fs.jpg

第1回記事「マタタビよりも夢中?!甘い香りのキャットミント」
第2回記事「地味だって大注目!南国の香りレモングラスの花」
第3回記事「痩せるハーブ?甘くスパイシーな誘惑に完敗?フェンネル」
第4回記事「種の意外な使い道。暑い夏に元気なハーブの王様バジル」
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第10回記事「死以外の全ての病を癒す!?不思議なニゲラ(ブラッククミン)」
第11回記事「養命酒にも使用。美しいだけじゃないんです!シャクヤク」
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この方にお話を伺いました

水戸 養命酒薬用ハーブ園(水戸市植物公園内) 西川 綾子園長 (にしかわ あやこ)

西川 綾子園長

水戸市植物公園園長。園芸家。筑波大学第二学群農林学類卒業後、民間企業を経て水戸市植物公園開園のために水戸市へ移住。NHK「趣味の園芸」講師や書籍の執筆なども行う。2009年第14回NHK関東甲信越地域放送文化賞を受賞。2014年公益社団法人日本植物園協会常務理事就任。2017年オープンの「水戸 養命酒薬用ハーブ園」では、約40 種類のハーブを栽培。園のシンボルツリーである薬木「キハダ」を囲むウッドデッキを中央に配置し、歴史を学べる薬草エリアと、五感で楽しむハーブガーデンエリアの2つのエリアを設けている。

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