ソーセージによく使われる、爽やかな芳香と苦みが特徴のハーブ、セージ。コモンセージやパイナップルセージなど、多くの種類があります。
消化作用や抗菌作用などにも優れるセージは、ハーブティーやセージバターなどにして楽しむ他、ルームスプレーに混ぜるなど薬用にも幅広く活用できます。
セージの効果・効能と使い方、育てる際の注意点や開花時期などについてご紹介します。
セージとは
セージはシソ科アキギリ属の植物で、丈が30cm〜1mほどになる多年草です。茎は四角く、葉は長楕円形。茎葉に白い毛が生えていて、全体が独特の灰色がかった緑色をしていることから、この色を「セージグリーン」とも呼びます。
和名のヤクヨウサルビアからわかる通り、サルビアの近縁です。原産地は地中海で、ヨーロッパでは古くから食用、薬用、香辛料などとして、幅広く用いられてきました。
セージには多くの品種がありますが、ハーブとして市販されているのは主にコモンセージの仲間。ヨモギに似た爽やかな芳香を持ち、わずかに苦みがあります。セージがソーセージの語源になったという説があるくらい、特にソーセージづくりによく使われます。
- 【セージ】
- 分類(科・属名)......シソ科アキギリ属
- 原産地......地中海沿岸、北アフリカ
- 使用部分......葉
- 主な作用......抗菌、抗ウイルス、脂質異常改善、認知機能改善
セージの効能
抗菌作用に優れ、うがい薬にすることで口やのどのトラブルを解消し、風邪の予防が期待できるハーブです。
また、ホルモンの乱れによるイライラを鎮める鎮静作用もあります。ただし高用量の3週間以上の連続使用は避けましょう。
セージの使い方
ドイツの薬草家は、「セージは、医者、料理人にも、台所や地下室など場所も、貧富も問わず役に立つハーブである」といったそうです。今回は料理や掃除に使う方法をご紹介します。
セージのハーブティー
ドライハーブもよいですが、生のセージをレモンとともにお湯のなかに入れ、しばらく温めていただくのもおすすめです。レモンのおかげでセージの香りが和らぎ、ひと口飲むと、胸元にするりと降りていくようなすっきりとした味に。
セージのお茶には消化作用もあります。
セージのバター
刻んだセージとバターをよく混ぜ合わせればセージ香るバターの完成です。
イタリアンならパスタに使うのがおすすめ。アニョロッティという、ラヴィオリのような具が入った生パスタをゆでて、セージのバターが入ったフライパンに移し入れます。
ざっとあえて塩コショウしたものは、爽やかなバター風味が口いっぱいに広がってセージの新しい魅力に目覚めることができるでしょう。
他にも、セージを使ったパテ・ド・カンパーニュもおすすめです。
セージのルームスプレー
セージは部屋でも大活躍。浄化のハーブといわれるホワイトセージ(コモンセージでも可)を無水エタノールに浸して、精製水で薄めます。掃除の仕上げに吹きかけて抗菌とカビ対策を。おもてなしの前にも、ぜひワンプッシュ!
セージの葉をはさんで♪ 爽やかおしぼり
タオルにセージの葉を1枚はさみ、ギュッと絞ります。セージの抗菌作用と、爽やかな香りが楽しめるおしぼりの完成です。
浄化のアイテム「スマッジスティック」
北米の先住民が空気を浄化するために使ったスマッジスティック。乾燥したホワイトセージが主な素材で、このハーブにはスピリチュアルな力があると信じられてきました。
ホワイトセージをひもでまとめ、乾燥させたものに火をつけ、煙で体や空間を浄化して使います。お好みのハーブや花を一緒にまとめ、インテリアとして飾ってもよいでしょう。
セージを育てる際の注意
葉の数が多くて枝が重なり合い、風通しが悪くなりやすいハーブです。時折間引くなどのお手入れをしましょう。葉がわさわさと多すぎると蒸れて腐ってしまうこともあります。
セージの開花時期
セージの花の開花時期は種類によって異なり、花の色・形もさまざまです。開花時期が異なるコモンセージ、アメジストセージ、パイナップルセージの3つの花をご紹介します。
初夏に咲くコモンセージ
ハーブとして食用にするのは初夏に咲くコモンセージです。ふわふわとしたビロードのような腺毛に包まれた葉は独特の苦みのある香りで、1年中使えます。
秋咲きのアメジストセージ
穏やかな天候の9月に目を和ませてくれるのは、アメジストセージをはじめとした秋咲きのセージ。秋のセージは、特に色濃く咲き、花壇のなかでもひときわ目立ってみえます。
10〜11月に咲くパイナップルセージ
秋セージのすぐ後、10月〜11月にはパイナップルセージも見頃を迎えます。株いっぱいに真っ赤な花が咲く姿は艶やかで、葉を揉むとパイナップルのような甘くて優しい香りが漂います。
パイナップルセージの詳しい情報はこちらを参照ください。
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この方にお話を伺いました
養命酒製造株式会社商品開発センター 丸山徹也 (まるやまてつや)
1958年長野県生まれ。1981年静岡薬科大学薬学部卒業後、養命酒製造株式会社入社。中央研究所研究部長、商品開発センター長を歴任。薬剤師。