種の意外な使い道。暑い夏に元気なハーブの王様バジル
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種の意外な使い道。暑い夏に元気なハーブの王様バジル

暑い夏に元気に花が咲くバジル。キッチンハーブの代表格、「ハーブの王様」とよばれるバジルですが、その和名が「目箒(めぼうき)」ということをご存知ですか?

バジルの種まきをするとわかるのですが、種子は水を含むと周囲がカエルの卵のような透明なものに覆われます。江戸時代、これを目に入れて目のゴミを掃除していたことから、この独特な和名が付いたそうです。180724 bajirusido.jpg

吸水した種子はタイ料理やベトナム料理では、タピオカのようにスイーツとしても活躍。プチプチした食感が楽しめます。

バジルの種類は150種以上といわれ、香りも様々。薬用ハーブ園では料理やお茶に利用するため6種類のバジルを育てています。種から育てた愛情いっぱいのスイートバジルは、イタリア料理などによく使われる日本でいちばん有名な品種。 園内の喫茶店では、スタッフTさんが「旬のうちにストックしなくちゃ!」と、せっせとソースにします。旬のバジルをたっぷり使ったソースは、お肉にパスタ、サラダにと美味しく活躍します。バジルは胃の働きを助けるハーブ。爽やかな香りに包まれたら、暑さで弱った体も元気になるハズ。180726 ill01.jpg

薬用ハーブ園の特権、濃厚なバジルソースの完成!

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バジルソースが香るハーブチキンは、暑さに弱った胃を助ける薬用ハーブ園イチオシの夏の薬膳メニューです(土日限定)。

スイートバジルの他にも、「赤シソ?」と間違われるダークオパールバジルや、ヒンドゥー教で神に捧げる聖なるバジルとされ寺院の周囲に植えられる、甘い香りのホーリーバジル、レモン風味が楽しめるレモンバジルなど様々な品種があります。

ここで、薬用ハーブ園ならではの夏の幸せを1つ。日中の暑さが厳しいため、夕方行うようにしている作業がドライハーブ作りです。午後6時を過ぎると周囲の木々からカナカナ〜と蜩の大合唱が始まります。「そろそろ始めようかな」と、お茶専用の園芸ハサミと麻紐を持ってレモンバジル、レモンバーベナ、ミントなどを刈り取ります。すると夕方の園内巡回を始めた猫のミーちゃんに出会います。毛皮を身につけているミーちゃんにとって夏は辛い季節。日中は風が通る涼しい場所で寝ているのか姿があまり見えませんが、日が暮れると園内巡回を始めます。スーッと側にやってきて、束ねたハーブの周囲を歩きます。180724 mi.JPG

事務所で涼むミーちゃん

「涼しくなったからお出かけできるんだね。」と声をかけていますと、蜩の大合唱がクライマックスを迎え、ガーデン中に響きます。蜩とミーちゃん、ハーブの香りに包まれる至福の時間が味わえます。180726 ill02.jpg

キハダのデッキに腰掛けると、風の囁きやハーブの香りに包まれます。

刈り取ったハーブは軽く水洗いして汚れを流し、水気を取ってから束ね、クーラーの冷気が当たる場所に干して乾燥させます。ハーブが眠ってしまう晩秋から早春の期間、お茶やハーブウォーターに利用するため、夏の間に乾燥させて準備をしておくのです。180726 ill03.jpg

クーラーの冷気が当たる乾燥にもってこいの場所は車の中。私のドライハーブづくり工房です。

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7月中旬、日が落ちる少し前の薬用ハーブ園

    【バジル】
  • 学名:オキムム バシリクム(Ocimum basilicum)
  • 科名:シソ科メボウキ属
  • 原産地:インド、熱帯アジア
  • 特徴:寒さに弱く日本では1年草扱いされる。バジルはギリシャ語の「王」を意味するバジレウスに由来し、まさにハーブの王様と言えるハーブ。
  • 開花時期:6〜9月
  • 栽培のポイント:日当たりと、やや肥よくな場所を好むので肥料は切らさない。西陽が当たる場所は葉がかたくなるので、料理用は置き場所に工夫を。葉をたくさん利用する場合は花を咲かせず、早めに蕾を摘み取るようにする。180724 bajiru.jpg

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この方にお話を伺いました

水戸 養命酒薬用ハーブ園(水戸市植物公園内) 西川 綾子園長 (にしかわ あやこ)

西川 綾子園長

水戸市植物公園園長。園芸家。筑波大学第二学群農林学類卒業後、民間企業を経て水戸市植物公園開園のために水戸市へ移住。NHK「趣味の園芸」講師や書籍の執筆なども行う。2009年第14回NHK関東甲信越地域放送文化賞を受賞。2014年公益社団法人日本植物園協会常務理事就任。2017年オープンの「水戸 養命酒薬用ハーブ園」では、約40 種類のハーブを栽培。園のシンボルツリーである薬木「キハダ」を囲むウッドデッキを中央に配置し、歴史を学べる薬草エリアと、五感で楽しむハーブガーデンエリアの2つのエリアを設けている。

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