育てた葉でトリートメント!若返りのハーブ ローズマリー
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育てた葉でトリートメント!若返りのハーブ ローズマリー

新しい年を迎えました。皆さんは、どんなお正月を過ごしましたか?
冬の薬用ハーブ園内はハーブが休眠中なので、花が少なく寂しいです。少しでも楽しくなる工夫をと、この冬はコンテナに「ローズマリー」と、丈が短くて真っ赤なオタフクナンテンを寄せ植えしました。rosemari 3 (2).jpg

3羽のトリが落ち葉の中で、内緒話をしているようなイメージで配置しました。

こんな寒い冬でも花が咲くローズマリーは、ガーデナーにとってありがたい存在です。園芸品種は100種類以上あって、花の色は青、青紫、桃色など。強い香りがある薬草で、記憶力を高め、殺菌・抗菌作用をもつことから「若返りのハーブ」とも呼ばれます。rosemari.jpg

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「ねえミーちゃん、そういえばローズマリーって"若返りのハーブ"って言われるのよね」机の上にトンと飛び乗り人の顔をじーっと見つめているミーちゃんは「無理でしょう!」と言わんばかり...気持ちだけは今年も、若々しくまいりましょう!

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急に押し黙るミーちゃん

ローズマリーの株は風通しが良い場所が好きなので、枝や葉が伸びすぎて「ちょっとジャマ...」というときは、たっぷり収穫して、トリートメントに使ってみては? 鍋にお湯を沸かして切った枝葉を入れ、蓋をして30分くらい放置し、濃いハーブティーを作ります。これをトリートメントとして利用すると髪がサラサラ〜櫛通りが良くなります。

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※ローズマリーは重度の高血圧症の人は使用しない。妊娠中の大量摂取は避ける。

ローズマリーはキッチンハーブとしても有名です。煮込み料理や肉・魚料理に欠かせません。園内の喫茶店では、お日様をたっぷり浴びたローズマリーを使った冬の薬膳メニュー「赤ワインみそソースのハンバーグ」が人気です。※土日限定huyu bagu.JPG

ここ薬用ハーブ園では、寒さに弱いレモングラスやコショウなどを温室で育てていますから、休園中の年末年始は当番で水撒きをします。 朝8時、事務所玄関では警備員さんと猫のミーちゃんが立って待っています。「ほらミーちゃん、園長さんに挨拶して」と声をかけられると、シッポを振りながら「ニャー」。「朝は皆さんに挨拶をしないといけないよ」と、ミーちゃんをしつけてくれたおかげで、毎朝お迎えしてくれます。警備員さんにとってミーちゃんは、暗く寂しい夜を共に巡回してくれる、良きパートナーなのです。190108 ill04.jpg

「今年もよろしくね。」と挨拶をすませ防寒服を身にまとい、広い園内にGo!枝は折れてないか、カラスに植物がいたずらされていないか、水道管は破裂していないか...などチェックポイントはたくさんあります。 最後に温室に行き水をまきます。室内は暑いので、作業後は大汗です。温室がいくつかあるので寒い外に出て、また温室で水撒き。これを繰り返し、事務所に戻ると何だか寒気がします。「ビタミンCをとった方がいいかな?」温室で実るシークワーサーを収穫し、甘い果実で元気を出して、次のガーデンへ。
こうして新しい年、お客様を迎える準備をします。

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新年恒例、ハボタンでつくる干支

    【ローズマリー】
  • 学名:ロスマリヌス オフィシナリスRosmarinus officinalis)
  • 科名:シソ科マンネンロウ属
  • 原産地:地中海沿岸
  • 特徴:栽培には日当たりがよく、冷たい風が当たらない、風通しが良い場所が適しています。枝が直立するタイプと、横に這う匍匐性タイプに大別されます。コンテナの手前や高い斜面には匍匐性のローズマリー、コンテナの後部に植えるなら直立性のローズマリーが適します。
  • 開花期:10月〜6月(種類によって異なる)
  • 栽培のポイント:排水の良い土に籾がら燻炭を1割混ぜ、苦土石灰と緩効性化成肥料を混ぜた用土で庭に直植えするか、深鉢のコンテナで栽培します。こまめに枝を切って利用し、株に光と風が当たるようにします。rosemari 2.jpg

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この方にお話を伺いました

水戸 養命酒薬用ハーブ園(水戸市植物公園内) 西川 綾子園長 (にしかわ あやこ)

西川 綾子園長

水戸市植物公園園長。園芸家。筑波大学第二学群農林学類卒業後、民間企業を経て水戸市植物公園開園のために水戸市へ移住。NHK「趣味の園芸」講師や書籍の執筆なども行う。2009年第14回NHK関東甲信越地域放送文化賞を受賞。2014年公益社団法人日本植物園協会常務理事就任。2017年オープンの「水戸 養命酒薬用ハーブ園」では、約40 種類のハーブを栽培。園のシンボルツリーである薬木「キハダ」を囲むウッドデッキを中央に配置し、歴史を学べる薬草エリアと、五感で楽しむハーブガーデンエリアの2つのエリアを設けている。

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