みりん(本みりん)とは?5つの効果&みりん風調味料との違いも
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みりん(本みりん)とは?5つの効果&みりん風調味料との違いも

みりんの原料や成分を知っていますか? 料理酒や砂糖の代用にされることもありますが、みりんは米からできた酒類調味料。熟成を経てさまざまな成分が生まれ、料理を美味しくする効果につながっています。実は養命酒の原酒の一部にもみりんが使用されています。ますます使ってみたくなる奥深い魅力を紹介します。

〔目次〕
みりんとはどんな調味料?
本みりんとみりん風調味料は何が違う?
みりんの6つの効果と役割
みりんを使ったレシピ3選
養命酒の原酒造りの技術を活かした「家醸本みりん」

みりんとはどんな調味料?

みりんは日本の伝統的な酒類調味料です。戦国時代には甘いお酒として親しまれていましたが、砂糖が貴重であったため、江戸時代には調味料として使われるようになりました。一般家庭に広く浸透したのはさらにそのずっと後。酒税法改正による減税がきっかけで、昭和30年代に入ってからです。

みりんの原料は?

みりんの原料

みりんの主な原料は、水のほか、米(もち米)、米麹(うるち米)、焼酎または醸造アルコールです。米麴と蒸したもち米を混ぜ、焼酎または醸造アルコールを加えて40~60日かけて糖化・熟成させてつくります。微生物を用いてつくられる調味料にはみりんの他に味噌、醤油、酢があります。

みりんは、アルコール内で原料のもち米のでんぷんが分解されてできたグルコースやオリゴ糖により、まろやかな甘みをもちます。

みりんの成分は?

約45%の糖分(8~9割がグルコース。他にイソマルトースやニゲロースなどのオリゴ糖類)と14%のアルコール、アミノ酸(グルタミン酸、ロイシン、アスパラギン酸など)、有機酸(乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸など)、香気成分(フェルラ酸エチル、フェニル酢酸エチル、バニリン酸エチルなど)などさまざまな成分からできています。

本みりんとみりん風調味料は何が違う?

「本みりん」に類似した調味料に「みりん風調味料」があります。2つの違いは原材料です。みりん風調味料のアルコール分は1%未満。水あめなどの糖類や調味料を添加して、みりんの甘みに似せて作られています。

それぞれ保存方法も異なります。本みりんはアルコールと糖分が多いため開封後も常温で保存できますが、みりん風調味料はアルコール分が少ないため開封後は冷蔵庫で保存する必要があります。

みりんの6つの効果と役割

みりんの6つの効果と役割

みりんには糖化・熟成によりさまざまな成分が含まれています。そのため料理に使うと以下のような効果が発揮されます。

効果1 : 甘みを加える

みりんはグルコースを始めとする複数の糖類から成り立っています。そのためショ糖のみで構成されている砂糖に比べ、まろやかで奥深い甘みがあります。

効果2 : 臭みを消す

加熱調理をしてみりんに含まれたアルコールが食品に染み込み蒸発する際、魚や肉の臭みも同時に取り除いてくれます。

効果3 : 調味料の染み込みがよくなる

アルコールの効果として、材料への味の染み込みがよくなることが挙げられます。少量加えると塩味を和らげ、料理の⾵味をよくしてくれます。

効果4 : 照り、つやを与える

みりんに含まれている糖類が素材の表面に膜を作り、照りやつやを出しながら余分な水分が出るのを防ぎます。
とりわけみりんの照りつや効果は調味料の中で最も優れていて、清酒と砂糖では同じようにはいきません。

効果5 : コクや旨味、風味を加える

みりんに含まれるアミノ酸は、旨味を与えたり塩味や酸味を和らげたりする作用があります。有機酸や糖類による酸味、甘みも加わるほか、いろいろな成分が複雑に合わさることで深いコクが生じます。

効果6 : 煮崩れを防ぐ

みりんに含まれるアルコールには煮崩れを防ぐ作用があります。ただしアルコールを単独で使うよりも、糖を含むみりんのほうが、相乗効果によって高い煮崩れ防止効果を発揮します。

なお、みりんがないときなどには、みりん風調味料やお酒と砂糖で代用することもできます。しかし「本みりん」がつくられる過程で生まれる、米由来のアミノ酸、有機酸、香気成分などは代用品には含まれないため、本来の「本みりん」の効果を100%得られるものではありません。

みりんを使ったレシピ3選

みりんで風味豊かに「炊き込みご飯」

炊き込みご飯

〔材料〕4人分
米 ...... 2合(360ml)
人参 ...... 1/3本
ごぼう ...... 4cm
油揚げ ...... 1/2枚
乾燥芽ひじき ...... 2g
絹さや ...... 適量
だし ...... 約360ml
醤油 ...... 大さじ1
みりん ...... 大さじ1
塩 ...... 小さじ1
〔作り方〕
米は洗ってざるに上げる。
人参は皮付きのまま輪切りにして5mm幅に切る。ごぼうはささがきにして水に入れる。使う時は水を切る。
油揚げは縦半分に切って5mm幅に切る。芽ひじきはさっと洗う。絹さやはスジをとり、茹でて、細く切る。
炊飯器に米を入れて、調味料とだしを2合の目盛りまで入れる。360mlで足りなければ水を足す。
軽く混ぜて表面を平らにならし、絹さや以外の具材を上に散らし炊く。
炊きあがったら15分ほど蒸らし、茶碗によそって絹さやを散らす。
〔アドバイス〕
炊飯する際は、具をお米の上に散らしてかき混ぜないようにしましょう。お米に混ぜると大きさも厚さも違うのでムラができてうまく炊けないので注意してください。

みりんを入れてだしいらず! 「味噌汁」

味噌汁

〔材料〕2人分
油揚げ ...... 1/2枚
大根 ...... 2~3㎝
小松菜 ...... 1株
水 ...... 250ml
みりん ...... 大さじ1
味噌 ...... 25g
〔作り方〕
油揚げは縦半分に切って5mm幅に切る。大根は短冊に切る。小松菜は根元を切り3cm幅に切る。
鍋に水と大根、油揚げ、みりんを入れて火にかける。大根がやわらかくなるまで煮る。
小松菜を加え、ひと煮立ちしたら火を止めて、味噌を溶き入れる。
〔アドバイス〕
みりんは最初から加えて煮ましょう。味の浸透をよくし、野菜の旨味を引き出すのでだしを入れなくても美味しく仕上がり、味噌の塩味もマイルドになります。
味噌は煮立たせるとせっかくの風味が飛んでしまいます。火を止めてから丁寧に溶き入れましょう。

しっとりつややかにできる「筑前煮」

筑前煮

〔材料〕2人分
里芋 ...... 2個
ごぼう ...... 5cm
れんこん ...... 1/2節
にんじん ...... 1/3本
こんにゃく ...... 1/3枚
さやえんどう ...... 適量
だし ...... 300ml
みりん ...... 大さじ2
醤油 ...... 大さじ2
ごま油 ...... 大さじ1
〔作り方〕
里芋、れんこん、にんじんは皮をむいて乱切り、ごぼうは洗って乱切りする。こんにゃくは両面に鹿の子模様に包丁を入れて食べやすい大きさに切り、熱湯で1分下茹でしてざるにとる。さやえんどうは筋をとり、さっと茹でておく。
鍋にごま油を入れて温め、さやえんどう以外の野菜とこんにゃくを入れてざっと炒めて油となじませる。
だし、みりん、半量の醤油を加える。落し蓋をして中火にかける。煮立ったら野菜が柔らかくなるまで13分煮る。途中、アクをとる。
蓋をとり、残りの醤油を加える。強火にして煮汁がほぼなくなるまで煮る。
器に盛りつけて、さやえんどうを飾る。
〔ポイント〕
砂糖でなく本みりんを使うことで、みりんに含まれている糖類が素材の表面に膜を作り、野菜から余分な水分が出るのを防ぎます。しっとりとして艶やかな煮上がりになります。

いつものお料理もみりんひとつで見違えるほど美味しく変わります。みりんを使ったこのほかのレシピはこちらでチェックしてください。

養命酒の原酒造りの技術を活かした「家醸本みりん」

家醸本みりん

「みりん」にもいろいろなタイプがあります。みりんの味わいが強く、魚の生臭さを抑えることに向いたもの、野菜などの繊細な味わいを引き立てることに向いたもの。養命酒製造の「家醸(かじょう)本みりん」は後者で、旬の食材の美味しさを味わうのにぴったりです。

「家醸本みりん」の4つのポイント

「家醸本みりん」4つのポイント

〔4つのポイント〕
信州産のもち米と中央アルプスの極軟水、養命酒製造の伝統技術を活かした麹が雑味のない旨味とコクを醸します。
じっくりと熟成させたもち米由来の糖類と旨味が上品な甘みとコクを加え、砂糖いらずで料理の味が決まります。
蕎麦の名店や老舗の饅頭屋などプロの料理人にも選ばれる本格的な調味料です。
麹が引き出した信州産のもち米本来の香りや旨味が、和食の繊細なだしや素材の味を引き立てます。

「家醸本みりん」のこだわりの原料をチェック!

「家醸本みりん」は、創製当時から伝承されてきた養命酒の原酒造りの技術を活かし、昔ながらの製法によって造られます。

原料にもこだわり、甘み、旨味成分の源である蒸し米には良質な信州産のもち米を、麹の原料米(うるち米)も信州産だけを使用しています。

また酒造りと同じように水の良し悪しがみりんの品質を左右するため、「家醸本みりん」は、駒ヶ根高原山麓、地下150mの水脈から汲み上げた天然水を使用しています。中央アルプスの花崗岩で磨かれた硬度約18㎎/Lの極軟水がみりんの旨味を引き出します。

「家醸本みりん」について詳しくは以下よりご参照ください。

この方にお話を伺いました

養命酒製造株式会社 商品開発センター 入江 陽 (いりえ あきら)

入江 陽

2009年養命酒製造株式会社入社後、中央研究所でハーブを使ったリキュール類の商品開発に携わる。2014年よりマーケティング部にて酒類の商品企画を担当した後、2017年より商品開発センターでクラフトジン、リキュール、機能性表示食品など商品開発全般に従事。

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