口内炎の種類とその原因は?食事や生活習慣を見直して予防しよう
NEW

口内炎の種類とその原因は?食事や生活習慣を見直して予防しよう

口内炎には「アフタ性」「ウイルス性」などがあり、その原因もさまざまです。痛みが強いと日常生活に影響が出たり、病気が隠れていたりすることも。口内炎の種類別の特徴と予防法を紹介します。

〔目次〕
口内炎とは「口の粘膜に起こる炎症」のこと
口内炎の種類・特徴
口内炎を引き起こす9つの原因
生活や食事を見直して口内炎を予防しよう

口内炎とは「口の粘膜に起こる炎症」のこと

口の粘膜に起こる炎症

口内炎とは、何らかの原因によって口腔内の粘膜に起こる炎症のことです。頬の内側や唇、歯茎、舌など、口の中のどこにでもできますが、その原因によってできやすい場所は異なります。

痛みや不快感、食べたり飲んだりしたものがしみるといった症状を伴い、食事や会話に支障を来すだけでなく、重くなると仕事や勉強、睡眠など日常生活全般に影響を及ぼします。

多くの場合は数日~10日ほどで自然に治りますが、適切なケアを行わないと長引いてしまうこともあります。

口内炎の種類・特徴

口内炎には、一般的によく見られる白っぽい「アフタ性口内炎」の他、「カタル性口内炎」、「ヘルペス性口内炎」、「カンジダ性口内炎」、「アレルギー性口内炎」、「ニコチン性口内炎」などさまざまな種類があります。以下に詳しく紹介します。

アフタ性口内炎

口内炎の中でもっとも多いのが「アフタ性口内炎」です。アフタとは口にできるえぐれた潰瘍(かいよう)のことで、円形や楕円形で白っぽく、周囲が赤くなるのが特徴です。

歯が当たったり飲食物から刺激を受けたりしやすい唇の裏側、頬の内側、舌の縁などに多く見られます。子どもに多く、患者のピークは10~19歳。男性より女性の方が多い傾向にあります。

直接的な原因は、粘膜局所の環境の乱れと考えられます。食べ物などが入ってくる口の中にはたくさんの常在菌が存在していますが、これらの常在菌の働きと、血流など粘膜を守る働きとのバランスが保たれることで、口の粘膜の環境は維持されます。

しかし、偏った食生活、ストレスや生活リズムの乱れによる免疫力の低下、加齢やドライマウスによる唾液の減少、女性の月経中のホルモンバランスの変化などによってそのバランスが崩れてしまうと、粘膜の環境が乱れてアフタ性口内炎を発症しやすくなります。

痛みが強かったり同時にたくさんできたりした場合は、ベーチェット病やクローン病、天疱瘡(てんぽうそう)などの疾患も原因として考えられます。

カタル性口内炎

カタルとは粘膜表面に生じるジクジクした炎症のこと。口の粘膜に赤い炎症や斑点(はんてん)、水ぶくれができるのがカタル性口内炎です。

刺激の強い飲食物がしみたり、ヒリヒリとした痛みを感じたりし、悪化すると口の中が全体的に赤くはれて熱を持った状態になります。20~30代の男性に比較的多く見られます。

カタル性口内炎の主な原因は、頬や唇、舌を噛んだ、入れ歯や虫歯など形の悪い歯が当たる、熱い食べ物や飲み物でやけどをしたといった物理的な刺激です。そのため、口腔内を傷つけたことによって発症する外傷性口内炎と近いものといえます。

ただし傷が炎症化するには、疲れやストレスなどによる免疫力の低下、過度の喫煙やビタミン不足など生活習慣の乱れ、虫歯や歯周病、口腔内や消化管の細菌感染(特にヘリコバクターピロリ)といった体の状態も影響すると考えられます。

ウイルス性口内炎

ウイルス感染や細菌の繁殖による口内炎で、主なものとして、ヘルペス性口内炎やカンジダ性口内炎があります。いずれも免疫力や抵抗力が低下したときにできやすくなります。

ヘルペス性口内炎

単純ヘルペスウイルスに感染したことで発症する口内炎です。舌や唇の裏に水ぶくれが複数でき、水ぶくれが破れるとアフタ性口内炎と間違えやすくなります。

カンジダ性口内炎

口の中に常在しているカンジダというカビが過剰に増えて起こります。白い苔(こけ)のようなものが舌の表側に多く見られます。

アレルギー性口内炎

特定の食べ物や薬、金属などに対するアレルギー反応によって起こります。見た目はカタル性口内炎に似た赤い炎症になりますが、カタル性口内炎の原因である傷ややけどは関係しません。

ニコチン性口内炎

喫煙習慣により口腔内が熱にさらされ続けることで、粘膜や舌に白斑(はくはん)が生じる口内炎です。

口内炎を引き起こす9つの原因

口内炎 原因

口内炎の原因は免疫力の低下や口の中の物理的な刺激、ウイルス感染、アレルギー反応、喫煙習慣など、口内炎の種類よってさまざまあります。このほか、口内炎を繰り返し起こす場合、その原因となるものがあります。

また、舌がん、口腔内ヘルペス、口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)、類天疱瘡(るいてんぽうそう)、白板症(はくばんしょう)など口内炎に似た症状が出る疾患も多数あるので、少しでも通常と異なる症状が現れたら医師に相談してください。

1. 免疫力の低下

免疫力が低下すると、口の粘膜の環境が乱れたりウイルスに感染したりしやすくなり、口内炎を誘発します。

2. 口の中の傷

頬や唇を噛む、形の悪い歯が当たる、口の中がやけどするなど、物理的に口腔内が傷つくと、炎症の原因になります。

3. ウイルスの感染

免疫力、抵抗力の低下によりウイルス感染や細菌の繁殖が起こることで口内炎が生じます。

4. アレルギー反応

特定の食べ物や歯の詰め物などの金属部分にアレルギー反応が起こると、口の中に炎症ができます。

5. 喫煙習慣

口内が長期間熱にさらされ続けることが刺激になり、またタバコの熱によって口内が乾燥することで口内炎が引き起こされます。

6. 病気の影響

クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、ベーチェット病のような全身性の炎症や、シェーグレン症候群のような自己免疫疾患、HIV/AIDSなどの免疫が低下する疾患の症状で口内炎が見られます。

7. 栄養の偏り

鉄欠乏性貧血や亜鉛不足などにより、口腔内の免疫力の低下や粘膜が弱まることで炎症が起こります。

8. 治療法や薬の副作用

化学療法を受けている人、関節リウマチ薬や抗てんかん薬などを飲んでいる人は、副作用として口内炎を起こす場合があります。

9. 体質など

セリアック病のような穀物に含まれる「グルテン」に過敏に反応する人は、小腸の粘膜に炎症が起き、栄養の吸収が阻害され口内炎を含むさまざまな不調を起こす場合があります。

また加齢やストレス、生活習慣などにより口が乾燥しがちな人は唾液の分泌が減ります。唾液には、ウイルスや菌の付着を防ぎ外的刺激から口内の粘膜を守る働きがあるため、口が乾燥していると口内炎を発症しやすくなります。

生活や食事を見直して口内炎を予防しよう

口内炎 予防

口内炎の要因となる免疫力の低下は、疲れや睡眠不足、ストレスなどからもたらされます。生活のリズムを整え、十分な睡眠や適度な運動を行ってストレスを溜めない生活をまずは心がけましょう。

また口内炎は栄養の不足によっても起こります。口内炎の予防や改善に役立つ食べ物については、以下の記事で紹介しているので、併せてご一読ください。

この方にお話を伺いました

ひまわり医院 院長 伊藤 大介 (いとう だいすけ)

伊藤 大介

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字医療センター、公立昭和病院、東京大学医学部付属病院、埼玉県立がんセンターなどに勤務した後、2020年より現職。院内コラムは人気を博し、最高で月間1000万PV超。週刊文春の定期コメンテーターも務める。

SHARE

   
    
北欧、暮らしの道具店
絵本ナビスタイル
Greensnap
水戸市植物公園
コロカル
HORTI(ホルティ) by GreenSnap
TOP