薬膳とは? いつもの食材でできる薬膳の基本
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薬膳とは? いつもの食材でできる薬膳の基本

薬膳は手間がかかる、高そうな食材を使いそう...と思われがちですが、いつもの食材で簡単に作ることができます。

昔から食材には薬と同じような効能があると考えられてきました。薬膳の知恵を使って、季節や自分の体質、体調に合った食材を組み合わせ、毎日を健やかに過ごしましょう。

調理道具のイラスト

あなたの体はかさかさ?じめじめ?

薬膳で基本となる考え方の1つに「陰陽」があります。これは太陽が昇って朝が来て、太陽が沈んで夜が始まり1日が終わるように、昼と夜(太陽と月)の移り変わりから生まれた考え方です。

「陰」は夜で、暗い、冷たい、重い、じめじめなどをイメージしてください。「陽」は朝で、明るい、温かい、軽い、乾燥などをイメージしてください。

陰の食材と陽の食材

一般に体を冷やすのは好ましくないと思われがちですが、実は、体は陰と陽どちらに傾いても好ましくありません。陰に傾くと体が冷えて重くなり、節々が痛むようになります。

逆に陽に傾くと肌が乾燥したり、吹き出物が出たりします。体を温める食材、冷やす食材、そのどちらでもない食材を上手に組み合わせることが大切です。

自然界を5つに分類する考え方「五行」

薬膳で基本となるもう1つの考え方に「五行」があります。五行とは、自然界に存在する物質を「木・火・土・金・水」の5つの性質に分けたものです。

五行と五臓、五味、季節の対応図

相生と相剋の説明

五行には「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」(※下記図参考)と「五味(酸・苦・甘・辛・鹹)」、「季節(春・夏・梅雨・秋・冬)」が対応しています。

五臓の役割

五臓にはそれぞれに対応する「六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱)」があります。例えば「肝」の働きが低下している場合はそれに対応する「胆」の働きも低下していると考えます。

例えば五行における「木」の季節は春。全ての物が成長しだす季節です。そして昔の人は「木」が天に向って枝を広げて伸びていく様子から、ストレスに弱い「肝」と関連づけました。そのため、「肝」を養うためには、のびのびゆったりと過ごすとよいといわれています。

五行は互いにバランスを維持しているため、どれかが強くても弱くてもいけません。

自分の体と向き合うために「五味」を知る
5つの味でバランスよく

「五味」とは「酸味・苦味・甘味・鹹味([かんみ]塩からい味)」のことです。それぞれに対応する五臓があり、その臓器に吸収されやすいといわれています。

例えば「肝」の動きが過剰になってイライラしたり、頭痛があったりするときは、「肝」の働きを抑える「辛味」のものをとるとよいとされています。

五味の作用と働き

健康な人であれば、普段の生活のなかで、五味をバランスよく食べるようにすればよいでしょう。

食材の温める力・冷やす力を活かして
体を「平性」に保ちましょう

食材には体を温めたり冷やしたりする性質(五性)があり、5つのグループに分類されます。

体を温める「温性」、体を極端に温める「熱性」、体を冷やす「涼性」、体を極端に冷やす「寒性」、体を温めも冷やしもしない「平性」です。

五性の働き

うるち米など毎日食べている食材には平性の物が多くあります。とうがらしやトマトのように、熱性・寒性の物は合わせる食材を工夫してバランスを崩さないように調理し、それだけとることは避けましょう。

また、旬の食材にはその季節にふさわしい性質をもつ物が多いのが特徴です。

薬膳の写真

食は毎日のこと。そこに薬膳の考え方をプラスして、賢く料理をしませんか。

毎日3回、美味しいと思う食事が365日続いたら、それは幸せな時間を積み重ねていることになります。そこに薬膳の知恵があれば、健康も積み重ねていくことができるのです。

この方にお話を伺いました

料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木 もも子 (うえき ももこ)

植木 もも子

中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『いちばんやさしいさかな料理の本』(日東書院)他著書多数。

※記事内の情報は全て、『いつもの食材で薬膳レシピ(養命酒製造株式会社)』より参照しています。

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