薬膳では、春は冬にため込んだ老廃物を排出する季節です。
五臓の中でも解毒機能をもつ「肝」の働きを高める貝類や、解毒機能を高めるキャベツなどをとりましょう。
「肝」の働きを助け「気」の巡りも促すしそや辛子、柑橘類などの香りのある食材もあわせていただくのがおすすめです。
デトックス効果が期待できる、春の旬食材を使ったおすすめレシピを国際中医薬膳管理師の植木もも子先生に教えてもらいました。冷蔵庫で4~5日保存できる常備菜と、そのアレンジレシピもありますよ♪
- 目次
- 解毒を促すおすすめの春の旬食材
- デトックス&巡りアップ! アサリとキャベツのチャウダー
- 風味と歯ごたえがやみつき! キャベツとアサリの辛子炒め
- 野菜をもりもりとれる常備菜♪ キャベツのしそソース和え
- 美味しくしっかり野菜がとれる! たっぷりキャベツのハムサンド
- 缶詰と常備菜の時短レシピ。 ツナとキャベツの和風パスタ
- 春色鮮やか♪ じゃことキャベツのふんわり卵とじ丼
解毒を促す春のおすすめ旬食材
生活習慣病や老化予防も期待できる「キャベツ」
○薬膳の考え方と働き
・胃粘膜の働きを整え、胃腸の働きをよくすることで体の調子を整える。
・肝臓の解毒機能を高める。
・抗酸化作用があり、生活習慣病や老化予防に有効。
貧血予防にも効果がある「貝類(アサリ、ハマグリ、シジミなど)」
○薬膳の考え方と働き
・「肝」の働きを高め解毒を促す。
・体の余分な熱を取り除くことで血流をよくしたり、不要な物を取り除いたりする。
・血を補う。
デトックス&巡りアップ! アサリとキャベツのチャウダーレシピ
バターなどの油を使わず、しっかり引き出した春野菜とアサリの旨みでいただく具だくさんスープ。デトックス&巡りアップ作用が期待できる一杯です。
- 〔材料〕2人分(1人分185kcaI/塩分0.9g)
- キャベツ.....................................約1/8個
- じゃがいも.................................1個
- 人参............................................1/2本
- 新玉ねぎ.....................................1/4個
- アサリむき身※..........................90g
- 酒................................................大さじ1
- ローリエ.....................................小1枚
- チキンブイヨン..........................小さじ1/2
- 牛乳............................................200ml
- 塩・こしょう.............................各少々 ※殻つきでも缶詰でもOKです。
- 〔作り方〕
- 野菜は皮をむき、1cm角に切る。アサリはサッと振り洗いして水気を切り、酒を振りかけておく。
- 鍋に1.の野菜(キャベツ以外)を入れ、浸るくらいの水(分量外)とローリエを加えて火にかけ、沸騰したら弱めの中火にする。
- 野菜が煮えたら、チキンブイヨンとアサリ、キャベツ、牛乳の順に加える。沸騰寸前に弱火にし、塩・こしょうで味をととのえる。
〇アドバイス
お好みで最後にバターや粉チーズを加えても美味しくいただけます。
風味と歯ごたえがやみつき! キャベツとアサリの辛子炒めレシピ
解毒作用を高めるキャベツとアサリを、巡りをよくする辛子で炒めた副菜。辛子じょうゆの風味とキャベツのシャキシャキした歯ごたえで箸が進みます。
- 〔材料〕3人分(1人分62kcaI/塩分1.6g)
- キャベツ.....................................約1/3個
- アサリむき身..............................100g
- 酒................................................大さじ2
- オリーブ油..................................大さじ1 ■A
- しょうゆ.....................................大さじ1
- 粉辛子(湯大さじ1で溶く).....小さじ1
- 〔作り方〕
- キャベツはよく洗って水に30分ほど浸けて水気を切り、3~4cm角に切る。アサリ は振り洗いして水気を切り、酒大さじ1を振る。大きめのボウルでAを混ぜておく。
- 深めのフライパンにオリーブ油を入れ、キャベツを入れて炒める。少ししんなりした ら端に寄せ、アサリを加えて炒める。
- キャベツとアサリを混ぜて残りの酒を振り、蓋をして30秒たったら火を止め、1.のボウ ルに移して混ぜ合わせる。
○アドバイス
アサリの代わりに豚肉や鶏肉を加えて、食べごたえのある一皿にするのもおすすめです。
野菜をもりもりとれる常備菜♪ キャベツのしそソース和えのレシピ
「気」を巡らせるしそと、解毒機能を高めるキャベツを美味しくもりもり食べられる、しっとりシャキシャキ食感の万能常備菜です。
- 〔材料〕8食分(1食分93kcaI/塩分0.4g)
- キャベツ.....................................約1/2個 ■しそソース
- しそ※.........................................30g
- オリーブ油.................................150ml
- 塩................................................小さじ1 ※しその代わりにバジルの葉を使用しても美味しく作れます。
- 〔作り方〕 しそソース
- 300mlほどの空き瓶(要煮沸消毒)を用意する。しそはよく洗って水に30分ほど浸したら水気を拭き、軸を除いてみじん切りにし、瓶に入れる。オリーブ油を加えて菜箸でよく混ぜたら、塩を加えてさらに混ぜる。
- 〔作り方〕 キャベツのしそソース和え
- キャベツはよく洗って水に30分ほど浸したら水気をよく切り、幅5mmのやや太めの千切りにする。ボウルに入れてしそソースの半量を加えてよく混ぜ、少し置いて出た水分を切る。
- 保存容器にラップを敷き、1.を入れてラップで覆い、保存する。
〇アドバイス
・冷蔵庫で4~5日保存可能です。
・そのままでも食べられますが、レモンを搾ればさらに巡りアップが期待できます。
・残ったしそソースは冷蔵庫で約1カ月保存できます。お剌身と和えても美味しく、少量で風味がつくので減塩にも効果的です。
キャベツのしそソース和えを使って! 3つの簡単アレンジレシピ
美味しくしっかり野菜がとれる! たっぷりキャベツのハムサンド
生のキャベツをそのまま挟むより美味しくしっかり野菜が食べられます。
- 〔材料〕1人分(1人分425kcaI/塩分2.2g)
- 食パン(8枚切り)..........................2枚
- バター..............................................適量
- フレンチマスタード(好みで).....小さじ2
- ハム..................................................3枚
- キャベツのしそソース和え..............80g
- 〔作り方〕
- 食パンをトーストして熱いうちにバターとマスタードを塗り、ハムとキャベツのしそソース和えをサンドする。
缶詰と常備菜の時短レシピ。ツナとキャベツの和風パスタ
- 〔材料〕1人分(1人分585kcaI/塩分1.5g)
- ツナのオイル漬け............................1/2 缶
- しょうゆ...........................................小さじ1/2
- キャベツのしそソース和え.............80g
- スパゲッテイ(ゆでる).................80g
- 塩・こしょう....................................各少々
- 〔作り方〕
- ボウルにツナと缶汁少々、しょうゆを入れて粗くほぐし、キャベツのしそソース和えを加えてよく混ぜる。スパゲッテイも加えてよく混ぜ合わせ、塩・こしょうで味をととのえる。
〇アドバイス
バターや、粉チーズを加えても美味しくいただけます。
春色鮮やか♪ じゃことキャベツのふんわり卵とじ丼
- 〔材料〕1人分(1人分559kca/塩分2.2g)
- じゃこ................................................大さじ2
- 酒.......................................................大さじ1
- キャベツのしそソース和え.............150g
- しょうゆ...........................................少々
- 温かいご飯.......................................150g
- ■A
- 溶き卵..............................................1個+卵黄1個
- 酒.....................................................大さじ1
- 塩.....................................................少々
- 〔作り方〕
- フライパンにじゃこを入れて酒を振り、火にかけてアルコールをとばしたらキャベツのしそソース和えを加えて数回まわし炒める。しょうゆとAを入れて半熟状になったらご飯にのせる。
◯アドバイス
Aを入れた後蓋をして、すぐに火を消すとふんわり仕上がります。
春はストレスにより自律神経のバランスが崩れやすい季節でもあります。香りのある食材は、「気」の巡りをよくして自律神経のバランスを整えるのにも有効なので、積極的にとりましょう。香りよい山菜や春野菜を使ったレシピはこちらです。
この方にお話を伺いました
料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木もも子 (うえきももこ)
中医学や雑穀などを取り入れた、美味しいだけでなく、体によい料理が評判。「免疫力は旬を食べれば自然に上がる』(同文書院)、『からだの中から、キレイになる毎日ベジレシピ』(清流出版)他著書多数。