野菜たっぷり薬膳常備菜とそのアレンジレシピ3選
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野菜たっぷり薬膳常備菜とそのアレンジレシピ3選

薬膳の考え方では、春から梅雨の時期は、冬にたまった毒素を体の外に出す季節とされています。毒素は「肝」にたまるため、肝機能を助けてくれる「酸味」は意識して食べたい味です。また、緑やオレンジ色の野菜、貝類、タコやイカなどのタウリンを多く含む食材も肝の働きをよくしてくれます。(薬膳の考え方について、詳しくはこちら

お昼は食養生のゴールデンタイム!
常備菜でパパっと作る

休日くらいゆっくりしたいけど、たまった家事や買い物などやることはたくさん。さっと作りたいお昼はうどんなどの炭水化物に偏った食事になりがちではないでしょうか。

しかし、加齢と共に胃や腸での消化・吸収力は低下しているため、寝るまでに消化・吸収の時間がたっぷりとれる昼食に重きをおくのがおすすめです。

そこで活用したいのが常備菜。忙しい人でもあっという間に、薬膳の知恵が詰まった美味しいごはんが作れます。

常備菜その1
酢生姜

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千切りにした生姜を酢に漬けた、酸味の常備菜。生姜の辛味は「気」の巡りをよくしてくれます。(冷蔵庫で1~2カ月保存可能/全量105kcal 塩分5.9g)

〔材料〕
生姜......................... 100g(皮をむくと約70g)
米酢......................... 150ml
天然塩......................... 小さじ1
砂糖........................ 小さじ1(酸味が苦手な方はお好みで砂糖の量を増量してください。)

〔作り方〕

  1. 生姜は薄く皮をむき、千切りにする。
  2. 煮沸した保存瓶※に酢と塩、砂糖を入れ、よく混ぜて溶かす。※保存瓶はふたが金属でない物を使用。金属の場合はラップを挟むと酢による金属の腐食を防げます。
  3. 2. に刻んだ生姜を加える。清潔な菜箸などでよく混ぜ、常温で半日置く。

○アドバイス
生姜は千切りにすることで、成分が出やすくなります。生姜の成分たっぷりの漬け汁も活用しましょう。
ちらし寿司や魚介の酢の物、肉や魚料理の箸休め、ドレッシングなどにおすすめです。

【酢生姜を使って】
簡単レシピの混ぜ寿司

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ピンクと黄の春色鮮やかな一品。お祝いの席にもどうぞ。(1人分386kcal 塩分1.1g)

〔材料〕4人分
酢生姜の漬け汁.......... 大さじ3
酢生姜(汁気を切る)...... 大さじ3
米........................................ 2合
炒りごま........................ 大さじ1
卵........................................ 3個
酒................................. 大さじ1
砂糖............................. 小さじ1
塩............................. 小さじ1/4
ボイルエビ.........................120g

〔作り方〕

  1. 炊き上がったご飯を大きめのボウルにあけ、酢生姜の漬け汁と生姜、炒りごまを加えてよく混ぜる。混ぜた後にうちわなどで扇いで冷ますとご飯にツヤが出る。
  2. 炒り卵を作る。卵を溶きほぐし、酒、砂糖、塩を加える。小鍋に茶こしなどでこし入れ、鍋を中火にかけて菜箸4~5本で混ぜ続ける。焦げそうになったら濡れ布巾の上にのせて行う。
    (ここではなめらかで色の仕上がりがきれいな作り方を紹介していますが、普通の炒り卵でもOKです)
  3. エビはさっと洗い、煮立てた酒(分量外)に熱いうちに3分ほど漬け、汁気を切っておく。
    飾り用を取り分け大きい物は2cm幅に切る。1. の寿司飯に2. の炒り卵の1/3量、エビを加えて混ぜ、器に盛りつける。
  4. 上に残りの炒り卵とエビを飾り、お好みで青み(写真ではハマボウフウを使用。三つ葉や絹さやでもOK)を散らす。

【酢生姜を使って】
さっぱり美味しいタコとワカメの生姜酢あえ

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3月から5月頃に旬を迎えるワカメと、タウリン豊富なタコを使った酢の物。(1人分55kcal 塩分1.4g)

〔材料〕2人分
酢生姜の漬け汁.......... 大さじ3
酢生姜.............................. 適量
塩.............................ひとつまみ
タコ(ゆでて薄切り)................80g
生ワカメ(ゆでて2㎝幅に切る) 60g

〔作り方〕

  1. ボウルに飾り用の酢生姜以外の材料全てを入れて和える。
  2. 仕上げに酢生姜を飾る。

常備菜その2
かんぴょうと野菜の炒め煮

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食物繊維が豊富なかんぴょうなど野菜をたっぷり使うことで、腸の働きを活発にし、たまった毒素の排出を助けます。(冷蔵庫で4~5日保存可能/全量 609kcal 塩分8.1g)

〔材料〕
ふき...........................2本(200g)
人参(3~4㎝の千切り).........100g
生しいたけ(薄切り).............. 4枚
かんぴょう...........................20g
(水で戻し2cm幅に切る)
油揚げ.........................2枚(60g)
(油抜きして細切りに)
米油(好みのオイルで代用可)
......................... 大さじ1強
酒...................................... 50㎖
砂糖............................. 大さじ1
しょうゆ........................ 大さじ3

〔作り方〕

  1. ふきは洗って適当な長さに切り、皮をむいて2~3cm幅の斜め薄切りにし、塩水(分量外)に3分ほど浸す。水で洗った後、ペーパータオルの上に広げて水気を切る。
  2. フライパンで米油を温め、人参を軽く炒めてからふき、生しいたけ、かんぴょうを加え、最後に油揚げを加えてひと混ぜする。酒を回しかけ、ふたをして1分ほど弱めの中火で煮る。
  3. 2. に砂糖を加えてよく混ぜ、2分ほど煮てからしょうゆを回しかける。しょうゆが全体に行き渡ったらやや強めの中火にし、水分がほぼなくなるまで時々混ぜながら煮る。
  4. バットなどに広げ、蒸気を素早く逃して冷ます(傷みにくくするため)。煮沸した保存容器に入れて保存する。

○アドバイス
油揚げの代わりに牛や豚のこま肉、ツナなどを使うとボリュームUP! 混ぜごはんや炒め物、うどんやパスタにのせて、また卵焼きの具や炒り卵に加えてもおいしくいただけます。

【炒め煮を使って】
味付け不要! 春キャベツの炒め物

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常備菜の炒め煮にキャベツを炒め合わせただけの簡単レシピです。(1人分96kcal 塩分0.9g)

〔材料〕
かんぴょうと野菜の炒め煮
.......................常備菜その1で作った1/4量
春キャベツ(2㎝幅のざく切り)
........................250g(1/4~1/6個)
米油(好みのオイルで代用可)
......................... 大さじ1/2
酒................................. 大さじ2
塩.......................................少々

〔作り方〕

  1. フライパンに油を入れて温め、キャベツを加えて炒める。
  2. 油が回ったら酒を振り、ふたをして1分ほど弱めの中火にかける。キャベツがしんなりしたら塩と炒め煮を加えて混ぜる。

この方にお話を伺いました

料理研究家 管理栄養士 国際中医薬膳管理師 植木もも子 (うえき ももこ)

植木もも子

中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『いちばんやさしいさかな料理の本』(日東書院)他著書多数。

※記事内の情報は全て、『養命酒だより2018春号(養命酒製造株式会社)』より参照しています。

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