生薬について
養命酒の効き目のもととなっている生薬は14種類。
「巡らせる」「補う」「温める」「取り除く」の4つの働きをもつ生薬が
お互いを補い、幅広い効能を導き出しています。
クロモジの木や皮を用います。かじったり擦ったりするとさわやかな香りをたてます。高級楊枝の材料として用いられます。
ベニバナの花を用います。鮮やかな赤色で、染料や油としても用いられます。血色を良くする作用があります。
メハジキの地上部です。「母に良い草」として、西洋でもローマ時代から婦人向けの薬として用いられてきました。
ウコンの根茎を用います。鮮やかな黄色で、ターメリックとして、カレー作りに欠かせないスパイスでもあります。
アカヤジオウの根。可憐な花とちりめん状の葉が特徴的な植物です。古くから体力をつける生薬として知られます。
乾燥させたオタネニンジンの根です。中国では3000年前から用いられており、日本へは8世紀に伝来しました。強壮剤の代名詞的存在です。
イカリソウの地上部です。これを食べた羊が元気になったという故事とともに、強壮効果が知られています。
「立てば芍薬…」とたとえられる美しい花を咲かせます。園芸用にも用いられますが、生薬にはその根を用います。
ニクジュヨウの肉質茎を用います。滋養強壮の作用があり、効きめがゆるやか(従容)なことからこの名があります。
トチュウは一科一属一種の植物分類的にも珍しい植物です。樹皮をはいだり、葉や枝を折ると、白銀色の糸を引く特徴があります。
クスノキ科の植物「ケイ」の樹皮を用います。香りがよく、スパイスとしてはシナモンと呼ばれます。健胃薬として知られます。
チョウジのつぼみです。クローブの名前で、スパイスとしても広く用いられます。その香りが、食欲を増進させます。