二日酔いとコーヒーの関係とは?知っておくべき飲み方のコツ
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二日酔いとコーヒーの関係とは?知っておくべき飲み方のコツ

近年、世界中で認められているコーヒーの健康効果。飲み方を工夫するとより効率的にメリットが得られます。二日酔いのときのコーヒーはあり? 1日何杯まで飲めばいいの? 知っているようで知らない飲み方のポイントを紹介します。

〔目次〕
「二日酔いにはコーヒーが効く」は本当なの?
コーヒーに含まれる成分は1,000種類以上!
健康をサポートするコーヒーの飲み方6選

「二日酔いにはコーヒーが効く」は本当なの?

「二日酔いにはコーヒーが効く」は本当なの?

そもそも二日酔いの原因は?

二日酔いとはお酒の飲み過ぎで起こるもので、主に吐き気や頭痛、胃痛といった症状が表れます。これらの症状は、飲酒によってもたらされる、脱水や低血糖、睡眠などの生体リズムの乱れ、アセトアルデヒドの蓄積、胃腸のダメージなどの複合的な要因によって生じるものです。

コーヒーよりも水やスポーツドリンクがおすすめ

コーヒーが肝臓の機能を高めることや、カフェインによる血管収縮の働きなどから、コーヒーは二日酔いの予防や対策に効果が期待できるという説もあります。しかし、二日酔いのような急性症状に対してコーヒーによる肝機能の改善はあまり関係がなく、コーヒーを飲むことでさらに胃が荒れたり、脱水症状が進んだりということもあり得るため、その説には疑問があります。

二日酔いを和らげるなら、コーヒーよりも水やスポーツドリンクを飲んだほうがよいでしょう。二日酔い解消に効く食べ物や飲み物は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

コーヒーに含まれる成分は1,000種類以上!

コーヒーに含まれる成分は1,000種類以上!

コーヒーの成分として有名なのはカフェインですが、その他にもクロロゲン酸、ニコチン酸など1,000種類以上もの成分が含まれています。それらのうち何がどのように作用しているのかは、明確にはわかっていません。「薬用養命酒」に含まれる生薬と同じように、それぞれの働きを活かしながら、総合的な力で健康をサポートしていると考えられます。

メリットもデメリットもあるカフェイン

コーヒーの成分として真っ先に思い出されるのがカフェインです。近年のエナジードリンク人気から、カフェインの過剰摂取に対する注意喚起も行われていますが、その一方で、認知症やパーキンソン病への有効性に関する研究も進められています。

〔カフェインの主な働き〕
解熱鎮痛作用がある
神経を興奮させ、眠気を覚ましたり疲労感を軽減したりする
尿を増やす
脈拍を増加させたり、血圧を上げたりする

脈拍の増加や血圧上昇は体の負担になりそうですが、日頃からコーヒーなどでカフェインを摂取している人は心配する必要はありません。ただし、小学生以下の子ども、妊娠中の女性は注意が必要です。コーヒーを飲む場合は、ノンカフェインのものを選びましょう。また、心臓や肝臓の疾患で治療中の人も、主治医に相談したほうがよいでしょう。

カフェインは常用性にも注意してください。カフェインを摂取して疲労感を軽減したり集中力をアップしたりするのが続くと、常用性が高まります。特に子どもの頃からカフェインを常用していると、ほかのものにも依存しやすくなってしまう場合があります。

カフェインは体内で素早く代謝されますが、ときにはカフェインとその代謝物が逆の作用を示すこともあります。また、カルシウムの吸収を抑え排出を促す働きがあるという報告と、骨粗しょう症予防効果があるという報告の両方が存在するように、まだまだ解明されていない部分も多いのが現状です。カフェインは悪者か、悪者でないかは一概には言えず、飲むことにメリットもデメリットもあると覚えておきましょう。

健康効果が期待されるクロロゲン酸

コーヒーにカフェインよりも多く含まれているのが、抗酸化作用や抗炎症作用をもつポリフェノールの一種、クロロゲン酸です。コーヒーの健康効果にどのようにかかわるかは明らかになっていませんが、食後の血糖値の上昇を抑えインスリンの効きをよくすることから、糖尿病や肥満の予防に一役買っていると考えられています。また、クロロゲン酸が体内で代謝されて生まれるコーヒー酸にも、クロロゲン酸とは異なる効果があることも分かっており、クロロゲン酸やその代謝物がもつ健康効果に期待が高まっています。

コーヒーを飲むことで得られるメリットや、食後コーヒーの効果、ダイエットへの影響など以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

健康をサポートするコーヒーの飲み方6選

健康をサポートするコーヒーの飲み方6選

コーヒーにはさまざまな健康効果が期待されますが、飲み方によってはその効果が発揮できない場合も。コツをつかんで、美味しくヘルシーなコーヒーライフを楽しみましょう。

1:コーヒーの種類は深煎りを避け、紙ドリップを

健康効果が注目されているククロロゲン酸は熱に弱いことから、浅煎り~中煎りのコーヒーがおすすめです。紙ドリップであれば、コーヒーに含まれる体に悪い影響を及ぼす油脂成分のジテルペン群を除くことができます。

2:1日3、4杯の適量を意識する

コーヒーを1日どれだけ飲めば健康効果が期待できるか、さまざまな研究が行われており一概にはいえませんが、多ければいいというわけでもありません。基本的に1日3、4杯を目安にするとよいでしょう。

3:カフェインレスコーヒーも活用する

妊娠中の女性や子ども、病気の治療中の人など、カフェインの摂取を控えた方がいい場合は、カフェインレスコーヒーを楽しみましょう。カフェインによる健康効果は得られませんが、ほかの成分の健康効果は期待できます。

4:インスタントでもレギュラーでも、ホットでもアイスでも、飲みやすいほうでOK

抽出方法などによって多少の違いはあっても、インスタントコーヒーでもレギュラーコーヒーでも健康効果に差異はみられません。ホットコーヒーでもアイスコーヒーでも同じです。自分の生活に合った飲みやすいほうを選びましょう。

5:加えるなら牛乳よりも豆乳を

動物性脂肪のとり過ぎは肥満の原因になります。カフェオレやカフェラテで飲むのがお好きなら、豆乳がおすすめです。

6:甘さは砂糖ではなくハチミツで

6:甘さは砂糖ではなくハチミツで

砂糖のとり過ぎは肥満の原因になります。甘いコーヒーを飲みたい場合は、砂糖よりもハチミツを加えましょう。栄養豊富なハチミツには腸内環境を整えるなどの健康効果があるのに加え、少量でもしっかりとした甘さがあるのでカロリーを抑えることができます。

なお、ハチミツの健康効果について詳しくは以下の記事にあります。併せてチェックしてみてください。

以前は、健康にあまりよくないイメージもあったコーヒーですが、近年、その効果が世界中で認められ、健康長寿に役立つ飲み物として注目を集めるようになりました。どのようなメリットがあるのかを知って飲めば、いつものコーヒーも、より滋味深く感じられるかもしれませんね。

この方にお話を伺いました

北品川藤クリニック 院長 石原 藤樹 (いしはら ふじき)

石原 藤樹

医学博士。大学卒業後、信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長。2015年、北品川藤クリニックを開設。診療の傍ら「北品川藤クリニック院長のブログ」でほぼ毎日情報を発信し、人気ブログへと育てた。著書に『健康で100歳を迎えるには医療常識を信じるな!』(KADOKAWA)、『実年齢56歳、血管・骨年齢30代の名医が実践!コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?』(PHP研究所)などがある。

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