冷え性(冷え症)の初期症状に手足の冷えがあります。特に心臓から遠く、筋肉や脂肪が少ない足は体の中でも冷えやすい場所。足が冷える原因を解説し、靴下の重ね履きやすぐにできる足の運動など、効果的な冷え対策を紹介します。
- 〔目次〕
- そもそも足が冷える理由とは?
- 足を温めることで冷え性(冷え症)は解消される?
- 靴下を重ね履きするメリット・デメリット
- 靴下を選ぶときのポイント
- 足の冷えの改善方法
- 体の内側から温める「薬用養命酒」で足の冷えを改善
そもそも足が冷える理由とは?
理由1:気温が低いと末端が血行不良に
人間の体には、大事な臓器が集まる体の中心部の体温を保つ仕組みがあります。そのため気温が低いときは熱の拡散を防ぐために毛細血管収縮。末端にある手足が冷えます。
理由2:足首の周りは筋肉や脂肪が少ない
足首には熱をつくる筋肉が少なく、断熱となる脂肪もありません。足首の表面の近くには血流の多い動脈が通っているので、足首が冷えると足先まで一気に冷えることに。また足の血流が悪くなると、ふくらはぎから心臓への血液の還流が滞ってしまいます。
理由3:ストレス
ストレスや気疲れが多いと自律神経が乱れやすくなります。自律神経の働きが乱れると毛細血管が収縮。そうなると末端まで血液が行き渡らず、手や足の先などに冷えを感じやすくなります。
理由4:室内外の激しい温度差による自律神経の乱れ
夏に足元が冷える理由の1つに冷房の効いた室内と室外の温度差があります。温度差が激しいと、自律神経の体温調節機能が乱れ、血流が滞り手足の冷えを招きます。
理由5:筋肉量が少ない
筋肉が弱いと血液を押し上げるポンプ作用も機能せず、すみずみまで血液が行き渡りにくくなって末端が冷えます。なお筋肉量は、鍛えなければ年齢を経るごとに減っていくため、女性や高齢者は男性に比べて足先の冷えを感じやすくなります。
理由6:素足に薄着、体を締め付けるインナーの着用
素足や薄着など体を冷やすファッションをすると体温が奪われてしまい、そのまま足元の冷えにつながります。盲点なのが補正下着など体を締め付けるインナー。血管が圧迫され冷えが進んでしまうことがあります。
そのほか冷えにはさまざまな原因が潜んでいます。詳しくは下記の記事をご参照ください。
足を温めることで冷え性(冷え症)は解消される?
足首を含む「3つの首」を温めるのがポイント
足首、首、手首の「首」の字がつく部分は、皮膚のすぐ下を血流の多い動脈が流れているため、気温の影響を受けやすいのが特徴です。一方で、この部分を温めると全身が効率よく温まります。夏でも室内では靴下を履くなどして、足元を冷やさないようにしましょう。
靴下を重ね履きするメリット・デメリット
足元の保温効果におすすめなのが靴下の重ね履き。メリット・デメリットと合わせて効果的に行う方法を紹介します。
重ね履きのメリットは保温効果
空気の層ができるので保温効果は抜群。厚手の靴下を1枚履くよりも薄手の靴下を重ね履きしたほうが、足首がよく温まります。
デメリットは締め付けが強いと逆効果に
締め付けの強い靴下は血管を圧迫するので注意しましょう。ムレが気になる場合は吸湿性の高い素材のものや5本指の靴下を重ね履きするのも一案です。
上手な靴下の重ね履きのやり方
1足目は5本指靴下
1本目は足の指を解放し、指の間のムレも吸収できる5本指の靴下がおすすめ。
2足目は厚手の靴下
厚手のゆったりした靴下を重ね履きします。動脈が通る足首までカバーできるものを選びましょう。
さらに温める場合はレッグウォーマーを
冷えやすい人はレッグウォーマーを重ねると足元がしっかり温まります。
靴下を選ぶときのポイント
靴下の素材
素材は好みで選んでOK。吸湿性の高いシルクの靴下も人気です。2本目はウールやボアなどもこもこした素材のものでゆったり履けるものを選びましょう。
靴下の長さ
スニーカー用の浅いものではなく、足首までしっかりカバーできるものがいいでしょう。レッグウォーマーを重ねるときは、温めのツボである三陰交(内くるぶしの頂点から指幅4本分上がったところ)をカバーするとよく温まります。
靴下のサイズ
血行を妨げないように締め付けないものを選びましょう。またデスクワークなどで下半身の血流が滞りやすい場合、オフィスで着圧タイプのハイソックスを活用しても。程良いフィット感のものを選でください。
就寝中に靴下を履くなら?
就寝中に靴下を履く場合は、圧迫や汗ムレに注意してください。足から出た汗がそのまま蒸発せずに靴下が湿ってしまい、明け方などさらに寒くなったときに「冷え」を増長させてしまう可能性があります。また、就寝中の過度の圧迫はそのまま「むくみ」にもつながり、さらに「むくみ」は「冷え」につながるという悪循環も。
すぐ脱げるゆるめのものや、通気性がよく汗を逃がしてくれる綿素材のもの、就寝用靴下などを履くようにしましょう。
足の冷えの改善方法
お腹をしっかり温める
腹巻やカイロなどで体幹をしっかり温めると、熱を逃がすために末端の血管が拡張。足の冷えが改善されます。温めポイントである腹部、おしりの少し上の副交感神経の中枢がある仙骨付近に使ってみましょう。
冷気は下にたまる! こまめに体を動かす
オフィスなどの冷房による冷えはこまめに体を動かすことで防ぐことができます。冷気は下にたまるので、じっとしていると足の皮膚温から低下してきます。足先やかかとを上げ下げしたり、いろいろな方向へ伸びをしたりするだけでも、冷えだけでなく、足のむくみや肩こり対策になります。休憩時間には立ち上がって歩いたり、ひざの屈伸運動をしたりしましょう。
さらに筋力アップも冷え解消に効果的です。以下の記事で紹介しているのでご参照ください。
ドライヤーで足を温める
ツボを温めるお灸の代わりに、ドライヤーで足を温めるのも手です。心地よいと感じる「弱」の温風(50~60℃)を、足から10cm程度離して当てましょう。熱いと感じたらすぐに離し、ケガや皮膚トラブルがある場所は当てないようにしてください。
なお、冷え解消のツボは下記の記事で詳しく紹介しています。
ストレスによる末端冷え性にハーブティー
ストレスや不規則な生活、過労、睡眠不足、過剰な冷暖房などにより自律神経のバランスが乱れ、末端が冷えている人はリラックスする時間を意識的に作りましょう。カフェインは血管を収縮させ、手足の冷えを悪化させます。日中ついコーヒーや栄養ドリンクを飲みがちな人は、代わりにリラックス効果の高いジャーマンカモミールやリンデンなどのハーブティーをとり入れて、心身の緊張を解きほぐすと◎。
冷え解消に役立つ飲み物の情報は下記の記事をご参照ください。
入浴やストレッチで血行改善
ストレスなど自律神経の乱れから起こる足の冷えは、入浴やストレッチで全身を緩めるのも効果的です。秋冬は41~42℃、春夏はそれより1℃低い湯に、胸まで浸かって5分、次に首まで5分浸かるのがおすすめ。湯に浸かっていない部分が冷えないよう、シャワーの蒸気などで浴室を温めておきましょう。
ストレッチをする際は、力を入れて勢いよく動かすのではなく、筋肉を他動的に伸ばし、体をほぐすことを意識してください。
下記の記事で冷え解消におすすめの入浴方法を紹介しています。興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?
体の内側から温める「薬用養命酒」で足の冷えを改善
冷え症対策は体の中から血行をよくすることが大切です。養命酒の効き目のもととなっている生薬は14種類。「巡らせる」「補う」「温める」「取り除く」の4つの働きをもつ生薬がお互いを補い、幅広い効能を導き出しています。
- 〔薬用養命酒に含まれる「巡らせる・補う・温める・取り除く」生薬〕
- 巡らせる作用
烏樟(ウショウ)、紅花(コウカ)、益母草(ヤクモソウ)、鬱金(ウコン) - 補う作用
地黄(ジオウ)、人参(ニンジン)、淫羊藿(インヨウカク)、芍薬(シャクヤク)、肉蓯蓉(ニクジュヨウ)、杜仲(トチュウ) - 温める作用
桂皮(ケイヒ)、丁子(チョウジ) - 取り除く作用
防風(ボウフウ)、反鼻(ハンピ)