湿っているとなりやすい!?
しもやけの原因と対策
若い女性に多い冷え症は「元気だが手足の先が冷えて辛い」というタイプが圧倒的に多く、しもやけに悩まされる人もよくいます。
しもやけは、ジンジンするような感覚がおきやすく、むずがゆい、痛い、熱いなどの症状があらわれます。また患部を温めると、痛みやかゆみが強まったりします。
出てしまったしもやけをすぐに治してくれる塗り薬というのは残念ながらありません。ビタミンEには血行をよくする作用があるので、昔からビタミンE入りの軟膏がよく処方されますが即効性は期待できません。予防が肝心です。
実は、しもやけは真冬より冬の初めや終わりごろに多いのが特徴。単に気温が低いだけではなく、ある程度の湿気もある時の方ができやすいのです。
手足と耳にできることが多いので、手袋や靴下、帽子などで保温すること、そして手足を湿ったままほうっておかないことが大切です。手洗いの後は十分に水気を拭き取り、運動後など靴下が湿っていたら乾いたものに取り換えるようにしましょう。
手足の冷えにはリラックスが
温めるより効果的
加齢とともに起こる冷え症は基礎代謝が低下するのが原因ですが、「元気だが手足の先が冷えて辛い」という若い人の冷えは交感神経の緊張度が高いために末梢血管が収縮し血行が悪くなって起こります。ストレスや睡眠不足だけでなく、「頑張らなきゃ」と気合が入っていても交感神経の緊張度は上がります。
このタイプの冷えはストーブなどで温めてもなかなか温かくなりませんが、ほっとすると副交感神経が優勢になり手足もじんわり温かくなってきます。コーヒーなどのカフェイン飲料は血管収縮作用があるので、替わりにジャーマンカモミールやリンデンのハーブティがお薦め。どちらもリラックスを促し保温効果や血管拡張効果もあります。
スパイスや薬酒を暮らしに取り入れて
手軽に冷え対策
漢方では手足の先の冷えはエネルギーの素である「気」が隅々までうまく巡らないために起こると考えます。気の巡りをよくする生薬は陳皮(みかんの皮)、蘇葉(シソの葉)、烏樟(クロモジ)など香りのよいものが多いのはアロマセラピー効果もあるのかもしれません。
気の巡りをよくするだけでなく、お腹の中から温めるのも大事です。シナモン、カルダモン、フェンネル、クローブ、サンショウなどのスパイスにはお腹を温め、気の巡りもよくする薬膳効果があります。薬酒の中にはこれらの温める成分が豊富に含まれているものがあるので、手軽な冷え症対策として毎日少しずつ摂るといいでしょう。
養命酒製造の薬酒「ハーブの恵み」にはお腹を温め気の巡りをよくする生薬がたくさん含まれており、普段は元気だが手足が冷たい、風邪をひきやすい、疲れると食欲がおちやすいという方に向いています。年齢とともに下半身の冷えが強くなり食も細くなってきたという方には「薬用養命酒」の方が向くでしょう。
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この方にお話を伺いました
緑蔭診療所・医師 橋口 玲子 (はしぐち れいこ)

1954年鹿児島県生まれ。東邦大学医学部卒。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を実施。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、メンタルヘルス不調などの診療とともに、ハーブティやアロマセラピーを用いたセルフケアの指導および講演、執筆活動も行う。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活 』(幻冬舎)、『世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典』(マイナビ)などの著書、監修書がある。