頭痛・肩こり・動悸はストレスが原因?忙しい時期こそセルフケアで体を労ろう
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頭痛・肩こり・動悸はストレスが原因?忙しい時期こそセルフケアで体を労ろう

日々のデスクワークで肩や首のこりに悩まされていませんか? 肩こりや首こりが悪化すると、頭痛に発展することも。

ある自治体のワクチン接種班を率いる中間管理職の冬樹さん(仮名/50代男性・地方公務員)は、動悸と頭痛が気になって「緑の診療所」を受診されました。冬樹さんの例を参考に、責任ある立場の人やデスクワーク中心の人が繁忙期などで休みたくても休めないときにするべきセルフケアを確認しましょう。

〔目次〕
動悸と頭痛の原因は、責任ある仕事×デスクワーク×多忙【冬樹さんの症状】
忙しくても休めない人のためのストレス解消セルフケア

動悸と頭痛の原因は、責任ある仕事×デスクワーク×多忙【冬樹さんの症状】

冬樹さんの症状

時間に追われる中で膨大な事務作業を指揮していた冬樹さん。仕事が忙しくなった初夏から動悸と頭痛の症状が気になっていたものの、忙しくてなかなか受診できなかったそうです。

〔冬樹さんの症状〕
動悸と頭痛がつらい。
残業や休日出勤が多いため睡眠時間が短く、疲れている割には熟睡感がない。
血圧(136/86mmHg)、心拍数(85/分)とも高め。
持病はなく、職場健診でも異常なし。

動悸と血圧上昇は、過度なストレスが原因の交感神経緊張によるものだと考えられます。また、頭痛は精神的な緊張と長時間のデスクワークによって首、肩、頭の周りの筋肉がこって起こる緊張型頭痛だと診断しました。

※緊張型頭痛について詳しくは、「チェック付、頭痛を和らげる方法!片頭痛・緊張型頭痛 の原因と対処法」をご覧ください。

漢方ではストレスによって気の巡りが悪くなると考えますが、気が上へ上がったままで上下に廻らないと頭痛やめまい、動悸、のぼせなどが起こるのです。

ストレスによって気の巡りが悪くなっていた夏太郎さんの症状とセルフケアは以下の記事をチェック。

忙しくても休めない人のためのストレス解消セルフケア

仕事の合間にほっと一息つく冬樹さん

動悸と頭痛に悩まされている冬樹さんですが、その症状は西洋医学の治療対象になるほどひどくはありません。寝不足と疲労のわりに睡眠が浅いのは精神的疲労(=脳の疲労)の表れで、悪化すればうつ状態に陥る心配もありますが、抗うつ剤の投与も時期尚早です。

このような場合、本来なら残業を減らして睡眠時間を増やせると良いのですが、仕事が忙しい人にとってはあまり現実的なアドバイスとは言えません。そこで、冬樹さんには不眠や不安の改善に役立つ漢方を処方しつつ、次のセルフケアを勧めました。

冬樹さんと同じような症状に心当たりのある人は、ぜひ参考にしてみてください。

ハーブでリラックス

セルフケアの強い味方、ハーブ。ストレス対策にはリンデンとオレンジフラワーのブレンドがおすすめです。

ブレンドハーブティー

リンデン×オレンジフラワーは、ドイツのハーブ療法の代表的なブレンド。リンデンはボダイジュの花と葉、オレンジフラワーはビターオレンジの蕾を乾燥したハーブ。心身両面の緊張を緩めて安眠を促す精油成分をそれぞれ含んでおり、甘くほっとする味と香りがします。

リンデンには体を温め、発汗や利尿を促すフラボノイド配糖体やフェノール酸も含まれており、民間療法では高血圧対策にも用いられます。更年期の女性のホットフラッシュに伴う動悸や不眠の改善も期待できます。

ドライハーブはハーブの専門店で手に入るので、毎日の飲み物をハーブティーに置き換えるとよいでしょう。冬樹さんは残業時間に飲むものをペットボトルの緑茶からこのブレンドティーに代えたそうです。

ハーバルバス

リンデンとオレンジフラワーのブレンドは入浴剤としてもおすすめ。ハーブティーで一煎目をいただいた後、二煎目を鍋で軽く煮出して濾したものを湯船に入れてハーバルバスを楽しみましょう。

ハーバルバスについては、以下の記事もご覧ください。

時間に追われている時こそ、ティータイムやバスタイムでセルフケアを。特別な時間を取らなくてもできる、ほっと一息つく工夫が大切です。

お酒の飲み過ぎに注意

冬樹さんは熟睡したくて寝る前に焼酎のお湯割りを飲んでいたそうですが、晩酌の量が多すぎたり、寝る前に飲んだりするのはNG。アルコールの血中濃度は飲酒の2~3時間後に下がるため中途覚醒しやすくなり、浅い眠りになってしまいます。

とはいえ、適量のお酒は緊張を緩めるのに役立ちます。特に、薬酒の中にはクロモジ、ネムノキ、ナツメ、リュウガンなどのリラックスと安眠に役立つ生薬を含むものがあるため、時間に追われる日々を過ごしている人にはおすすめ。

ちなみに、医学的に適量とされているアルコール量(純アルコール20g)に相当するのは、およそビール500ml・日本酒1合・25度の焼酎100ml・ワイン180ml・ウィスキー60mlで、女性の安全量はこの半分。

※アルコールの適量には個人差があります。

現在の飲酒習慣を見直し、アルコールは常に適量を心がけましょう。

こまめにストレッチを

緊張型頭痛の改善にはストレッチも重要。

ただし、首を回したり曲げたりするストレッチは、かえって首に力が入ってしまいます。首を支える筋肉は肩甲骨を覆っている筋肉の一部なので、肩甲骨をいろいろな向きに動かすと首、肩の筋肉がほぐれます。

〔おすすめストレッチ〕
肩を前後に動かし、水平に回す。
上方、前方、後方といろいろな方向へ伸びをする。

実は、この10年ほど座位時間が長いと死亡リスクやメンタルヘルス不調のリスクが上昇することが海外や日本で報告され、"Too Much Sitting"(座り過ぎ)と呼ばれています。腰痛の予防も兼ねて、30分に一回は椅子から立ち上がり、ストレッチをしたいものです。

ひどい肩こり・首こり・頭痛を解消するストレッチは以下の記事もご覧ください。

忙しい時期こそ、隙間時間のセルフケアで意識的に体をいたわるようにしましょう。

この方にお話を伺いました

緑蔭診療所 橋口 玲子 (はしぐち れいこ)

橋口 玲子

1954年鹿児島県生まれ。東邦大学医学部卒。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を実施。循環器専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、メンタルヘルス不調などの診療とともに、ハーブティーやアロマセラピーを用いたセルフケアの指導および講演、執筆活動も行う。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活 』(幻冬舎)、『世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典』(マイナビ)などの著書、監修書がある。

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