「お腹がぐるぐる動いている感じ」「食欲がない...」。もしかしたら冷たいものをとりすぎて胃の温度が下がり、胃腸機能が低下しているのかもしれません。
そこで、胃腸冷えの症状と、お腹を温め胃腸の働きを高める薬膳をご紹介します。
現代人は胃腸の冷やし過ぎに要注意!
コンビニや自動販売機で冷たい飲み物がすぐ手に入り、温暖化による外の暑さとクーラーの効いた室内の温度差にさらされる現代人は、気付かないうちに体を冷やし過ぎていることがあります。
こんな症状は胃腸が冷えているかも!?
胃の辺りにポチャポチャ水が溜まっている感じがしたり、お腹がグルグル動いている感じがしたりする時は要注意。
冷たい飲み物や食べ物の摂り過ぎで胃内の温度が下がり胃液が薄まると、消化力が落ちてしまいます。さらに、胃腸の蠕動運動が影響を受け、胃もたれ、食欲不振、便秘や下痢などのお腹の不調を引き起こすことも。お腹を温め胃腸機能を高める薬膳食材を摂りましょう。
慢性的な下痢は過敏性胃腸症候群かもしれません。
胃もたれ・食欲不振を改善!いつもの食事にスパイスや薬味を追加し、簡単薬膳に
夏は火を使う料理もおっくうになりますが、レトルトのカレーやパスタソースを温める時にお腹を温め、胃腸機能を高める香辛料や香味野菜を加えたり、香菜やバジルをトッピングしたりするだけでも立派に薬膳メニューです。
◯おすすめの香辛料
唐辛子、山椒、胡椒、フェンネル、クローブ、ナツメグ、シナモンなど
◯おすすめの香味野菜
ニンニク、ショウガ、タマネギ、ニラ、シソ、香菜、バジルなどの香味野菜
もう少し料理をするエネルギーがあったら、炭水化物の代謝に必要なビタミンB1の豊富な豚肉のひき肉と上記の薬膳食材を炒めておいて小分けに冷凍しておくのがお薦め。
ぶっかけ麺にのせたり炒飯にしたり、スパゲティ・ボロネーゼやキーマカレーに変身させたり、おいしく簡単に夏の薬膳が楽しめます。
今でも読まれている江戸時代の養生書、貝原益軒の「養生訓」には、『夏は涼風に当たり過ぎたり、冷たい麺や冷水を摂り過ぎたりすると体調を崩す。中からも外からも冷やし過ぎてはいけない。』と書かれています。
冷蔵庫もクーラーもない時代でも体を冷やし過ぎることによる体調不良があったということですね。
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この方にお話を伺いました
緑蔭診療所・医師 橋口 玲子 (はしぐち れいこ)
1954年鹿児島県生まれ。東邦大学医学部卒。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を実施。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、メンタルヘルス不調などの診療とともに、ハーブティやアロマセラピーを用いたセルフケアの指導および講演、執筆活動も行う。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活 』(幻冬舎)、『世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典』(マイナビ)などの著書、監修書がある。