いくら寝ても疲れが取れない。それは「脳が疲れている」からかもしれません。
疲れは誰でも感じるもので、休養や栄養をとることで回復すれば何の問題もありません。しかし、脳の疲れに気づかずに放置していると、老化や体重増加の原因にも。
寝ても疲れが取れない原因と脳の疲れタイプ、タイプ別の対処法を知っておきましょう。
- 〔目次〕
- 寝ても疲れが取れない原因は"情報過多"と"気疲れ"
- 脳の疲れタイプを診断! 自分にあった対処法で疲れをとろう
- 両タイプ共通! 脳の疲れをためないセルフケア3選
- 疲れ・睡眠不足は、老化や太る原因に!?
寝ても疲れが取れない原因は"情報過多"と"気疲れ"
スマートフォンやSNSによって、いつでも人や情報に繋がることのできる今、肉体的な疲れよりも精神的な疲れをためる人が増えています。
例えば、常にメールやLINEをチェックしないと気が済まないなど、四六時中スマートフォンが手放せない人は、脳が情報過多状態。体は疲れていなくても脳は疲れていて、脳が休養不足状態に陥っています。
また、精神的な疲れを抱えやすいタイプには、仕事や家事の段取りが常に気になる人、気をつかい過ぎる人も挙げられます。脳の休養不足、気疲れ共に現代的な疲れの特徴といえます。
脳の疲れタイプを診断! 自分にあった対処法で疲れをとろう
診断1:脳の休養不足タイプ
働きすぎで十分な休養がとれていない、または情報過多で脳が疲れているタイプ。インプットが過剰になり、疲れに気づかないことも。
脳の休養不足タイプの対処法
帰宅後はパソコンを開かない、決めた時間にしかスマートフォンを見ないなど、意識的に情報をシャットアウトする「情報断食」の時間をつくりましょう。
また、脳ばかり使っている人は、運動で体を動かしてみましょう。体の疲れと脳の疲れのバランスがとれているほうが、ぐっすり眠れて回復力がアップします。
ウォーキングなどの低強度の有酸素運動は、全身の血液循環をよくし心身の活性化にもつながります。通勤時に、音楽を聴きながら一駅分歩いてみるなど、自分のライフスタイルにあった運動から始めてみてはいかがでしょう。
診断2:気疲れ・効率主義タイプ
何かをする時に常に「~しなければならない」と自分を追い込んだり、人付き合い、仕事や家事の段取りなどに終始頭を使ったりして精神疲労がたまるタイプ。いつも時計を気にする人や、少し待たされただけでイライラする人は要注意です。
気疲れ・効率主義タイプの対処法
このタイプの人は、考え方のクセを変えることが大切です。先回りしてあれこれと気をもんだり、終わったことを繰り返し考え続けたりする「ストレスの予習・復習」を断ち切るために「やることリスト」を作って、行動に優先順位をつけてみましょう。優先順位の高いことに集中し、その他のことはいったん置いておくことで、精神的な疲れはだいぶ軽減されます。
やるべきことを、〈今日やること〉、〈○日までにやること〉、〈いつでもいいこと〉、の3段階にわけて、メモに書き記しておきましょう。
また、物事を効率よく進めたいばかりに、「ついでにこれもしよう」と考えるクセをやめてみましょう。「今はこれができれば十分。時間が余って他のことができたらラッキー」と気持ちに余裕をもつようにすると、イライラを減らせます。
両タイプ共通! 脳の疲れをためないセルフケア3選
1. 十分な睡眠で爽やかな朝を迎えよう
ふとんに入ったとたんバタングーで寝てしまうという人は寝不足です。その他、朝起きるのがつらい、日中強い眠気に襲われる場合も睡眠不足の可能性が。
一般に、睡眠時間が6時間未満の人は疲れをためやすいので、睡眠時間を確保できるよう1日の生活を組み立てましょう。睡眠タイプのチェックと、睡眠の質を高めるためのタイプ別の対策は以下の記事をチェックしてみてください。
2. ノンカフェインで疲れをリフレッシュ
「疲れたけど、もうひと頑張り」という時にコーヒーや栄養ドリンクばかりに手がのびていませんか?カフェインの効果は5~6時間続くので、睡眠に影響を与えないよう、夕方以降のリフレッシュには、ノンカフェインのペパーミントやレモングラスのハーブティーがおすすめです。
3. 小さな気分転換を習慣に
音楽や映画、カラオケ、仕事以外の友人や家族との食事、散歩など、自分の好きなことや、リラックスできる時間を設けましょう。香りを使った気分転換もおすすめです。
疲れ・睡眠不足は、老化や太る原因に!?
疲れはどんな⼈でも感じるもので、休養と栄養をとることで回復すれば何の問題もありません。しかし、気づかずに疲れを放置すると、⽼化や体重増加の原因にも。
疲れを放置し、睡眠不⾜になると、体重も中性脂肪値も⾎糖値も上がり、加齢変化を速めることになります。
寝ないでいるとエネルギー消費が多そうな気がしますよね。しかし、睡眠不⾜の状態が続くと脳から体に「戦いや逃⾛に備えておけ」という指令が出て、エネルギー消費を抑えるので太ってしまうのです。この話を知って、ようやく休養をとる⼈もいるのだとか...早めのケアを心がけましょう。
この方にお話を伺いました
緑蔭診療所 橋口 玲子 (はしぐち れいこ)
1954年鹿児島県生まれ。東邦大学医学部卒。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を実施。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、メンタルヘルス不調などの診療とともに、ハーブティやアロマセラピーを用いたセルフケアの指導および講演、執筆活動も行う。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活 』(幻冬舎)、『世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典』(マイナビ)などの著書、監修書がある。