ストレス緩和も!自律神経を整える「瞑想」の3つの効果&やり方
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ストレス緩和も!自律神経を整える「瞑想」の3つの効果&やり方

自律神経を整えるのに役立つ「瞑想」。近年の研究では、脳の神経回路の働きを鎮める効果もあるとされ、マインドフルネスを育む手段としても注目されています。春は自律神経のバランスを崩しやすい季節。簡単にできる瞑想で不調を防ぎましょう。

〔目次〕
春に自律神経が乱れる理由
自律神経を整える「瞑想」の効果
坐禅しなくてOK! 瞑想のやり方「基本」の2つ
ついでに行う「ずぼら瞑想」のやり方

春に自律神経が乱れる理由

春に自律神経が乱れる理由

東洋医学において、春は「肝(かん)」が活発に働いて「気(き)」を巡らせる季節ですが、働き過ぎると「気」が滞り、自律神経が乱れます。なぜ不調が起こるのか、メカニズムを解説します。

自律神経とは?

自律神経とは、私たちの意思とは無関係に、体のさまざまな機能をコントロールしている神経のことです。

活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経から成り、互いにバランスをとりながら健康を維持しています。

脳の疲弊に加え環境の変化がストレスに

現代は、SNSやインターネットを通じて流れ込むたくさんの情報により脳が疲労し、自律神経が乱れやすい傾向にありますが、特に春は気候に加えて環境の変化も多く、1年の中でも自律神経が乱れやすくなる時期です。

自律神経の変化自体はストレスに対する体の自然な反応ですが、そこに季節の特性や環境の変化が加わって過度なストレスがかかるとバランスが大きく崩れてしまいます。

また、自律神経の調節機能は年齢を重ねるにつれて弱まるといわれています。

自律神経の乱れでどんな不調が起こる?

体は全身でストレスに対応しているため、自律神経の乱れによる不調は、頭痛や胃もたれなどさまざまな形で現れます。

頭や胃など個別の部位を検査しても「異常なし」と言われる場合もありますが、「全体性」に着目し、根本から改善することが大切です。

自律神経を整える「瞑想」の効果

瞑想 効果

自律神経を整えるのに有効とされるのが「瞑想」です。その他にもさまざまな効果があることがわかっています。

瞑想の効果1:ストレスの緩和

瞑想とは、「今、この瞬間」の体験や物事に注意を向け、悩みや迷いのもととなる固定観念や情報から一時的に距離を置くことで、脳を休め、心をすっきりさせるものです。その結果、気持ちが切り替わってストレスも和らぎ、自律神経を整えるのに役立ちます。

瞑想の効果2:過剰に働く脳を休める

瞑想とは逆に「今」に心を向けられない状態が続くと、常に複数のことを同時に考え、脳が疲れて心がさまよう「マインドワンダリング」という状態に陥ってしまいます。このとき、脳では悩んだり迷ったりする際に活性化する神経経路(DMN)が過剰に働いてエネルギーの無駄遣いが起こり、疲れる割に効率的な活動ができなくなっています。

現代人は起きている時間の50%近くがこの状態にあるともいわれていますが、近年の研究から、瞑想はDMNの働きを鎮め、疲れやストレスを緩和するのに有効であることがわかりました。

瞑想の効果3:「マインドフルネス」を育む

瞑想を習慣化すると、今この瞬間に意識を向けて得られたことを素直に受け入れる心のスキル=「マインドフルネス」が育まれます。

マインドフルネスを科学的に解明し、確立したのは西洋医学の専門家ですが、そこには禅における「身心一如(しんじんいちにょ)」に表される東洋医学の要素が含まれています。

東洋医学における「心と体は一体であり、体を整えていくことで心も自然と整っていく」という考え方はマインドフルネスの原理そのものです。

坐禅しなくてOK! 瞑想のやり方「基本」の2つ

基本1:足の裏の感覚に意識を向ける「歩く瞑想」

地面を踏みしめる「足の裏の感覚」に意識を向けて行う瞑想です。

普段通りのスピードで右、左、右、左と足の裏に注意を向けながら、地面を踏みしめた感覚を後から追いかけるイメージで歩いてみましょう。

基本2:呼吸や胸の動きに意識を向ける「呼吸瞑想」

「呼吸瞑想」

いすや床に楽な姿勢で座り、背筋を軽く伸ばしたら、両手の手のひらを上にして膝に置き、目を軽く閉じます。

自然に呼吸をしながら、お腹や胸の動き、空気の出入りだけを意識しましょう。雑念が出ても再び呼吸に意識を戻せばOKです。

呼吸の方法、長さ、回数、時間帯などに決まりはありません。慣れてきたら立ったままでも行えます。

ついでに行う「ずぼら瞑想」のやり方

瞑想は「頑張ってやろう」とするとうまくいきません。普段の生活行動のついでに行うくらいのずぼらさがちょうどいいのです。トライしやすい方法から順に紹介するので、気軽にチャレンジしてみてください。

レベル1:空を見上げる「空の色瞑想」

空の色瞑想

ゆったりとした気持ちで空を見上げ、朝の空の色や雲の様子、空を飛んでいる飛行機や鳥、夜空の星などを眺めます。

空の様子のわずかな違いや見えたものに対して「きれいな色だな」「不思議な形だな」など、自分の心や感情がどのように動いたのか観察してみましょう。

レベル2:お気に入りの場所で味わう「コーヒー瞑想」

コーヒー瞑想

日頃、何気なく飲んでいるコーヒーを活用した瞑想です。カフェや公園など、お気に入りの場所に行き、目の前のコーヒーの香り、色、カップの温かさ、味を感じましょう。

最後に意識を周囲の景色に移して、ゆったりとした時間を過ごす自分自身の心を観察してください。もちろん飲み物はコーヒー以外でも構いません。

応用編:「養命酒瞑想」もおすすめ

養命酒瞑想

「コーヒー瞑想」の応用編として、養命酒を活用するのもおすすめです。「体によいことをしている」という自分の心を観察しながら、香りや味、色に注意を向けて飲んでみましょう。

レベル3:ていねいに顔を洗う「洗顔瞑想」

洗顔瞑想

たっぷりの泡や泡を洗い流すお湯の温かさ、タオルの肌触りなどを感じながらていねいに顔を洗いましょう。自分をいたわり慈しみながら、肌がきれいになっていく時間を味わうことが、自分と向き合い、受け入れることにつながります。

レベル4:思いやりの心を向ける「慈悲と願いの瞑想」

慈悲と願いの瞑想

最後は、他者だけでなく自分にも優しい思いやりを向ける瞑想です。ステップを紹介します。

〔慈悲と願いの瞑想のやり方〕
楽な姿勢で深呼吸をして、呼吸に意識を向け、目を閉じます。
目を閉じたまま大切な人を1人思い浮かべ、その人の笑顔が明るく幸せになっていくのをイメージしながら「あなたが幸せでありますように」「健康でありますように」など、心の中で語りかけます。
ゆっくりと息を吐きながら大切な人のイメージを手放し、今度は自分の笑顔が明るく幸せになっていくのをイメージし、同じように語りかけましょう。
最後にゆっくりと呼吸して心をリセットし、少しずつ目を開けます。

「慈悲と願いの瞑想」は続けることで自分をいたわれるようになっていきます。日々の習慣にしてみてはいかがでしょうか。

この方にお話を伺いました

臨済宗建長寺派林香寺住職 RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長 川野 泰周 (かわの たいしゅう)

川野 泰周

精神科・心療内科医、精神保健指定医、日本精神神経学会認定専門医、医師会認定産業医。慶應義塾大学病院精神神経科などで診療に従事した後、建長寺専門道場での禅修行を経て、2014年末より臨済宗建長寺派林香寺住職。現在は寺務の傍らマインドフルネス普及活動に取り組む一方、精神科医としても薬物療法や従来の精神療法と並び、禅やマインドフルネスの実践による心理療法を積極的に導入している。『ずぼら瞑想』(幻冬舎)、『歩けば、調う』(青春出版社)など著書多数。

※ 記事内の情報は『養命酒だより2024春号(養命酒製造株式会社)』より参照しています。

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