寒さによって体調を崩しがちな冬。
体の冷え以外に、気分の落ち込みや、むくみ・頻尿などの不調が現れることも。そこで、冬に体調を崩しやすい人の傾向とおすすめのセルフケアをご紹介します。
まずは自分の体質チェックから始めましょう。
あなたはどちらのタイプ? 冬の体質チェック
冬に体調を崩しやすいのは大きく次の2タイプ。自分に当てはまる症状や生活習慣にチェックをつけて、あてはまるタイプがあるか確認しましょう。
どちらかのタイプに2つ以上チェックがついたら、後半で紹介するセルフケアの実践を。どちらのタイプにもあてはまる場合は、両タイプの対策を行うのがおすすめです。
ヒエヒエさんタイプ
- ☑ 平熱が36°C以下
- ☑ 冷えると腰や関節が痛む
- ☑ 寒くなると気分が落ち込む、やる気が出ない
- ☑ 下痢をしやすい
- ☑ 温かい飲み物や食べ物が好き
- ☑ 顔色が青白い
これらに2つ以上当てはまったら、体も心も冬眠状態の「ヒエヒエさん」タイプ。
冷えによって体が疲れやすくなり、気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりと気持ちの面にも影響が。筋肉量が少ない女性に多いタイプですが、男性も代謝が落ちる60代以降は注意が必要です。
むくみだる子さんタイプ
- ☑ 朝起きると顔(目の下など)がむくんでいる
- ☑ 下半身がむくみやすい
- ☑ 思わず腰に手がいくことが多い
- ☑ 舌の側面に歯形がつく
- ☑ 雨や曇りの日に具合が悪くなる
- ☑ 尿の回数が多い(日中8回以上、就寝中2回以上)
これらに2つ以上当てはまったら、水分代謝が悪い「むくみだる子さん」タイプ。
冷えによって、体内の水分代謝をコントロールする「腎」の働きが弱まっています。「腎」には体全体を温める働きもあるので、ここが弱るとむくみやすくなるほか、薄い尿がよく出るように。老廃物をため込みやすいタイプのため、中年太りにも注意しましょう。
セルフケアで体質改善! タイプ別のおすすめ養生法
今日から実践できるおすすめのセルフケアを、タイプ別にご紹介。自分の体質にあったセルフケアで、寒い冬を元気に乗り越えましょう。
ヒエヒエさんタイプのセルフケア
ヒエヒエさんタイプは、体を内外から温めると同時に、熱源となる筋力をつけて代謝を上げましょう。
体を温める食材をとる
もち米、生姜、エビ、ねぎ、羊肉(ラム、マトン)など、体を温める作用がある食材を積極的にとりましょう。
おすすめのレシピは、以下の記事をご覧ください。
下腹部に使い捨てカイロを当てる
下腹部には、体を温め、エネルギー(気)を全身にチャージするツボがあります。ここを冷やさないよう、使い捨てカイロを当てて温めましょう。
- ☑ 中極(ちゅうきょく)......恥骨の上から指2本分上
- ☑ 気海(きかい).................おへそから指2本分下
筋カトレーニング
筋力トレーニングでは、腹筋などの体幹筋と下半身の筋肉を中心に鍛えましょう。
おすすめはスクワット。普段使っていない「スリーピングマッスル」を目覚めさせてから行うと効果的なので、太ももやお尻など鍛えたい筋肉を軽く叩いてから始めてください。
その他の筋力トレーニングは、以下の記事をチェック。
筋肉の元となるタンパク質をとる
筋肉量を増やすためには、トレーニングだけでなく、タンパク質の摂取も重要。鶏のささみ肉をほぐしてサラダにすると手軽にとれておすすめです。
一度にたくさん食べられないときや、食欲がない場合は無理して食事だけでとろうとせず、おやつにゆで卵やチーズを食べても◎
むくみだる子さんタイプのセルフケア
むくみだる子さんタイプは、体を温めながら余分な水分を出すセルフケアの実践を。
利尿作用のある食材をとる
水分代謝を促す働きがある小豆、白菜、こんにゃく、はと麦などがおすすめ。尿の出をよくし、むくみを解消します。
ただし、こんにゃく・はと麦には体を冷やす作用があるので、温める働きのある食材と一緒にとりましょう。こんにゃくのきんぴらには唐辛子を、はと麦のスープには生姜を加えるのがおすすめ。
運動や半身浴で汗をかいて水分代謝UP
ウォーキングなどの有酸素運動や、半身浴もおすすめ。体が温まって代謝がよくなり、汗や尿で効率よく余分な水分を排出できます。
半身浴は、40度くらいのお湯に10~15分くらい浸かるのが目安。バスソルトを入れるとより発汗が促されるのでおすすめです。
むくみを解消するツボを刺激する
親指で、いた気持ちいい程度の力で5秒くらい押しましょう。
- ☑ 湧泉(ゆうせん)...... 足裏の中央よりやや上、指を内側に曲げたときにへこむ所
→水分代謝を改善する。ゴルフボールなどに足裏をのせてコロコロ転がし、足裏全体を刺激してもOK。 - ☑ 腎愈(じんゆ)......おへその真後ろから指2本分外側の背骨の際
→利尿作用があり腰痛にも有効です。シャワーや使い捨てカイロなどを当てて温めても。
その他のツボは、以下の記事で確認を。
体質にあわせたセルフケアで、寒い冬も元気に過ごしましょう。
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この方にお話を伺いました
東京女子医科大学東洋医学研究所所長・教授 木村 容子 (きむら ようこ)
医学博士。日本内科学会認定医・指導医・理事。著書は『太りやすく、痩せにくくなったら読む本~医師が教えるほんとうのダイエット~』(大和書房)など多数。