インフルエンザ予防接種の発症予防率はおよそ50%
インフルエンザの予防接種(ワクチン)がどのくらい発症予防に有効か調べるのはなかなか難しいのですが、最近の厳しい統計法によると成人の1回接種でおよそ50%有効と言われています。
インフルエンザウィルスは主に鼻粘膜から侵入しますが、ワクチンによる抗体で侵入そのものを阻止できるわけではありません。ウィルスが細胞内に入り、増え始めたときにやっつける役割なので、50%防げるというのは相当素早く反応しているということです。
最近では迅速診断が普及しているので、非常に初期の軽症の患者さんもインフルエンザと診断できます。
そういう時代での予防接種による50%発症阻止はかなり有効といえるのではないでしょうか。発症してしまった場合も肺炎、脳炎などの重症化の予防に役立つので安心です。
インフルエンザ予防接種の効果が有効な期間は?
通常成人では1回の接種で2週後から血中の抗体の量が増え始め、4週でピークに達し、3~5カ月後から低下します。
その間、ウィルスが体内に侵入してくると免疫系が反応して抗体の量はまた増えるため、ワクチンの効果はもっと長く続く可能性もあります。
ただし、インフルエンザウィルスは毎シーズンのように変異し、ウィルスのタイプが変わります。抗体価(抗体の量)は刺激されないと維持できないので、全く新しいタイプのウィルスが流行すると1回の接種では発症を防げない場合もあります。
過去のワクチン接種歴やインフルエンザ罹患歴も影響するので、免疫反応に個人差が大きいのはもちろんです。
※ワクチンの働きは普通の薬とは異なり、特定のウィルスが侵入してきた時に、ウィルスに結合してその活性を失わせ感染の進行を阻む抗体を作るよう、免疫系を活性化するものです。
インフルエンザになったら...検査時間はどのくらい?
細長い綿棒で鼻の奥をこすり、そこについた組織や分泌物を処理液に浸して検査キットに滴下することで、陽性か陰性かの判定を行います。
検査時間は5~10分程度で、インフルエンザ感染後、12~24時間経過していれば検査の陽性率が上がります。
いつから打つべき? インフルエンザ予防接種はお早めに!
インフルエンザワクチンを早く打ち過ぎると早く効果が切れてしまう、とお思いのあなた。そんなことはないのです。特に高齢者、乳幼児、妊婦は重症化しやすいのでワクチン接種は早目がおすすめ。妊娠中は妊娠初期を過ぎたら接種しましょう。
また、この時期は風邪の予防も同時に心がけるのがよいでしょう。
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この方にお話を伺いました
緑蔭診療所・医師 橋口 玲子 (はしぐち れいこ)

1954年鹿児島県生まれ。東邦大学医学部卒。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を実施。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、メンタルヘルス不調などの診療とともに、ハーブティやアロマセラピーを用いたセルフケアの指導および講演、執筆活動も行う。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活 』(幻冬舎)、『世界一やさしい! 野菜薬膳食材事典』(マイナビ)などの著書、監修書がある。