ハーブとアロマの力で風邪対策♪症状緩和と予防に役立つケア方法6選
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ハーブとアロマの力で風邪対策♪症状緩和と予防に役立つケア方法6選

風邪は万病のもと。特に乾燥が進む季節は風邪をひきやすいので、日々のケアで体調管理を行い、ウイルスに負けない体づくりを心がけたいもの。

ハーブの持つ薬効は、古くから日々の体調管理や感染症対策に活用されてきました。古代エジプト時代に書かれたパピルスの文書にはアロエなど約700種類のハーブが記録され、うがい薬や湿布薬としていたことが記されています。また、中世ヨーロッパで感染症が大流行した際、人々はタイムやローズマリーなどのハーブを活用して身を守ったといわれています。

今回は、ハーブが持つ有効成分を健康の維持に役立てようという"メディカルハーブ"の視点から、ハーブやアロマ(精油)を風邪症状の緩和・予防に活用する方法を紹介します。

精油やハーブの選び方については、文末コラム/ハーバルライフ『基本のき』をご覧ください。

メディカルハーブの基本! 風邪症状を緩和するハーブティー

ハーブティーはハーブの薬効成分が体に吸収されやすく、ビタミン・ミネラルなどの栄養素もとれるので、風邪のひきはじめにおすすめ。つらい風邪の症状緩和につながります。

風邪症状を緩和するハーブティー

〔症状別おすすめハーブ〕
鼻水や鼻づまり、のどの炎症・・・エルダーフラワー
のどの痛み・・・ジャーマンカモミール
感染症や炎症でビタミンCを消耗・・・ローズヒップ

ハーブティーを飲む際は、立ち上る湯気も一緒に吸入するとより呼吸器のケアに効果的です。風邪が流行り出したら、こうしたハーブティーを常備しておくと良いでしょう。

鼻づまり・喉の痛みに! ハーバルスチーム

鼻づまりや喉のイガイガを感じたら、ハーバルスチームを試してみましょう。ハーブが持つ薬効成分を蒸気と一緒に吸入することで、喉や鼻の粘膜が潤い、喉の痛みがラクになったり、鼻の通りがよくなったりします。

痰が気になる時にはユーカリを使用しましょう。去痰作用によって、痰を切って排出しやすくなり、喉のイガイガがすっきりします。

鼻づまり・喉の痛みに!ハーバルスチーム

〔おすすめハーブ〕
ジャーマンカモミール、タイム、ローズマリー、ラベンダー、ミント類など
〔おすすめ精油〕
ユーカリ、ラベンダー、ハッカ油、ティートリーなど 

〔用意するもの〕
ドライハーブ 10g(精油なら1~2滴)
湯(80℃前後) 1リットルほど
洗面器
バスタオル

〔ケア方法〕

  1. 洗面器にハーブ(または精油)とお湯を入れます。
  2. 洗面器を覆うようにバスタオルを被り、顔を水面から15cm位に近づけます。
  3. 肺の奥まで息を吸い込むように大きく呼吸し、3~5分蒸気を吸入します。

〇ポイント
・精油を使う際は、精油成分が目に刺激となるので、目を閉じてください。
・咳がひどい時には蒸気が刺激となり咳き込むことがあるので、行わないでください。
・ハーバルスチームを行った後のお湯をお風呂に入れると、入浴剤として活用できます。

咳や鼻づまりで呼吸がつらい時に! 「ワセリン+精油」のアロマバーム

症状がつらくて寝付けない時や、咳・鼻づまりがあっても仕事や勉強に集中しなくてはいけない時には、アロマバームがおすすめ。薬局で手に入る「ワセリン」と抗菌作用がある精油を混ぜて胸元に薄く塗布すると、精油成分が持続的に呼吸器に作用し、呼吸しやすくなります。

就寝時にラベンダーを使ったアロマバームをつけると、安眠効果も期待できますよ。

「ワセリン+精油」のアロマバーム

〔おすすめの精油〕
ハッカ油、ユーカリ、ティートリー、ラベンダー

〔用意するもの〕
ワセリン 10g
精油 2滴
保存容器
※化粧品を小分けするクリームケースなどを使用。100円均一のお店で入手できます。
竹串または爪楊枝

〔ケア方法〕

  1. 煮沸消毒またはアルコール消毒した保存容器にワセリンと精油を入れ、竹串(または爪楊枝)でよく混ぜ合わせる。
  2. 手を清潔にし、指先で少量を取って胸元に薄く塗布する。

〇ポイント
・ワセリンは、薬局で医薬品の「白色ワセリン」を選ぶと精度が高く安心。手のひらで温めてから少しずつ伸ばします。
・直射日光や高温多湿での保管を避け、1カ月を目安に使い切ってください。
・子ども(3歳以上)が使用する場合、精油はレシピの半分以下を目安にしてください。
※3歳未満の子どもには精油を使用しないようにしてください。
・作ったバームは、ひじの内側に少量つけ、肌が赤くなったり、かゆくなったりしないかなど、自分にとっての安全性を確認してから使用してください。
・頭が痛い時にこめかみに塗布すると、頭痛ケアとしても活用できます。

精油1滴で喉スッキリ! ハッカ油のうがい薬

グラス1杯の水にハッカ油を1滴いれると、即席うがい薬のでき上がり。抗菌作用があるため、風邪予防と症状緩和の手助けをしてくれます。

ハッカの香りで、風邪による頭重感や倦怠感もすっきりします。

ハッカ油のうがい薬

〇ポイント
・ハッカ油は薬局で購入できます。
・水が冷た過ぎると、精油が混ざりにくくなります。氷水は避けて、常温の水かぬるま湯を使用しましょう

家族間の感染を防ぐ! 抗菌アロマで芳香浴

家族や身近な人が風邪を引いてしまったら、ハーブの成分を部屋に行きわたらせる芳香浴を取り入れましょう。抗菌作用がある精油を選ぶと、室内の除菌ができ、二次感染の防止につながります。

アロマランプやディフューザーなどの芳香器具がなくても洗面器やボウルがあればOK。洗面器に1~1.5リットルほどのお湯と精油5滴を入れ、蒸気と共に拡散させます。除菌だけでなく乾燥防止にもなるので一石二鳥です。

就寝時には、抗菌と鎮静作用を併せ持つラベンダーを活用すると眠りの質が上がります。
ぐっすり眠って風邪を寄せつけない体を作りましょう。

家族間の感染を防ぐ!抗菌アロマで芳香浴

〔おすすめの精油〕
ユーカリ、ラベンダー、ハッカ油、ティートリーなど 

〇ポイント
・湯を入れた洗面器(ボウル)は、導線の邪魔にならない場所に置きましょう。
・同じ香りの中にいると香りを感じにくくなるため、空気の換気をこまめに行いましょう。
・芳香浴を行った後の湯は、入浴剤として活用できます。
・湯が冷めてきたら熱い湯を足すことで、効果を長く保てます。

日々の風邪予防に! アロマのマスクスプレー

日頃から手軽にできる風邪予防に、マスクが挙げられますね。マスクには、ほこりやウイルスから身を守る効果だけでなく、装着により喉に潤いを与えるメリットも。市販の不織布マスクに抗菌作用のあるアロマスプレーをシュッとひと吹きすると、薬効成分が喉や鼻の粘膜を守ってくれます。

流行時期や家族が風邪を引いたら、外出時だけでなく、就寝時にアロママスクをするのも効果的。家族で使う場合は、より作用が穏やかで老若男女に受け入れやすいスイートオレンジがおすすめです。

日々の風邪予防に!アロマのマスクスプレー

〔おすすめの精油〕
スイートオレンジ、ラベンダー、ハッカ油など

〔用意するもの〕
精油 3滴
無水エタノール 3ml
精製水 20ml
スプレー容器
不織布マスク

〔ケア方法〕

  1. 煮沸消毒またはアルコール消毒をしたガラス容器に精油、エタノール、精製水を入れて
    よく混ぜ、容器に移す。
  2. マスクの外側(口につかない方)にスプレーをひと吹きする。

〇ポイント
・マスクの内側にスプレーすると刺激が強過ぎることがあるので、裏表を間違えないように注意しましょう。
・香りに敏感な鼻に近いので、使用量を厳守し、わずかに香る程度にしておきましょう。
・直射日光や高温多湿での保管を避け、2週間以内に使い切ってください。
・ルームスプレーとして活用することもできます。

 

ハーブは上手に活用することで、風邪予防や症状緩和にも役立ちます。また、ストレスがたまると免疫力が落ち、風邪を引きやすくなってしまいます。香りで心身共にリラックスしながら、ハーブ・アロマを使ったハーバルケアをぜひお試しください。
※発熱や風邪症状が続く場合は適切に医療機関を受診し、医師による治療を受けることをおすすめします。

ハーバルライフを楽しむ「基本のき」
精油・ドライハーブの選び方

★精油の選び方

パッケージや瓶の表示をチェックし、100%天然のものを使用します。目安として「100% pure nature」や「AEAJ(日本アロマ環境協会)表示基準適合認定精油」と書いてあるものをセレクトするとよいでしょう。

精油はそれぞれ植物から採れる量が異なります。採油量の多い柑橘類やハーブ系は入手しやすいですが、量が採れないバラやジャスミンなどの花精油は高価です。そのため、雑貨店などで、バラもラベンダーもレモンも全て均一価格で売られているものは、合成オイルの可能性が高いので注意が必要です。

★精油の分量

人によっては香りが強いと感じるかもしれないので、香りを試してみて強く感じたら入れる分量は少なめから始めるとよいでしょう。

★ドライハーブの選び方

ハーブ専門店や百貨店、輸入食品店、スーパーマーケットで"食品"として販売されているドライハーブを選びましょう。ハーブティーのハーブも活用できます。パッケージの表示をよく見て、複数種のブレンドハーブティーではなく、目的のハーブ単体のハーブティーを選ぶと使いやすくて便利です。

"雑貨"扱いのものは、着色料などの添加物、残留農薬などの安全性が確認できないので使用しません。ドライハーブに香料をつけている"フレグランス用ポプリ"と間違えないようにしてください。

この方にお話を伺いました

株式会社ジャパンライフデザインシステムズ所属 葛和 恵奈子 (くずわ えなこ)

葛和 恵奈子

英国IFAアロマセラピスト/AEAJアロマセラピスト/AEAJアロマセラピーインストラクター/メディカルハーブコーディネーター/RTAベビーマッサージセラピスト

編集者として取材で出会ったハーブ&アロマのチカラに魅せられ、メディカルハーブ健康術&生活術を学ぶ。専門学校講師として、またイベントやセミナーでTPOに合わせたハーブ&アロマ活用方法を伝えている。2児男子の母。

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