安眠におすすめ「ぐっすりアロマ」嗅ぐ・塗る・温まるで睡眠効果アップ
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安眠におすすめ「ぐっすりアロマ」嗅ぐ・塗る・温まるで睡眠効果アップ

元気な毎日を送るために良質な睡眠は不可欠。だけど気分が高ぶっていたり、スマホの見すぎで目がさえてしまったりして、寝つきが悪くなることがあります。そんなときはアロマエッセンシャルオイル(精油)を活用しましょう。心地よい香りと有効成分の働きで安眠を誘います。

〔目次〕
アロマが安眠にいい理由
安眠におすすめのアロマ
アロマエッセンシャルオイル(精油)のおすすめの使い方

アロマが安眠にいい理由

香りが脳に直接届く

アロマ

何かの香りを嗅いだ瞬間、思い出がよみがえった経験はありませんか? 嗅覚は五感の中でも原始的な感覚器とされています。見たり聞いたりする情報とは異なり、香りは脳内の本能的な情動や記憶を支配する部分(大脳辺縁系)にダイレクトに一瞬で伝わります。

そのため、香りを嗅いだときに「どんな香りか」を認識する前に快・不快を感じたり、懐かしい気持ちになったりするのです。

さらに香りの情報は脳の視床下部に伝わり、自律神経・ホルモン系・免疫系に影響を与えます。アロマテラピーは、植物の香り成分である「精油」を使った自然療法。嗅ぐことでさまざまな効能をもたらしてくれます。

リラックスして安眠モードに

蒸留水(無臭)、レモン、ラベンダーを嗅がせた脳波

香りといっても、その種類によって与える効果は異なります。蒸留水(無臭)、レモン、ラベンダーを嗅がせて脳波を見た実験からは、ラベンダーのアロマは、脳のα波を円滑に働かせることがわかりました。

α波が顕著なのは心がリラックスしている状態であるという証し。副交感神経が優位になることで安眠も期待できます。

※出典:香りの効果で脳の疲労を回復!嗅覚が脳に与える影響と日常での楽しみ方

安眠におすすめのアロマ

心を落ち着かせる作用のある、おやすみ前にぴったりのアロマを4つ紹介します。

ラベンダー

ラベンダー

リラックス効果で知られるハーブ。イライラを鎮め、不眠のほか頭痛やストレスによる消化器系の症状にも役立ちます。

ラベンダーの香りを用いた睡眠は、香りのない場合よりも深い眠りの時間が長くなるという実験結果もあり、最近では医療機関や介護施設でも使われています。

ベルガモット

ベルガモット

アールグレイの香りづけにも使われ、柑橘系のみずみずしい爽やかな香りが特長のベルガモット。鎮静作用を持つので、緊張や不安といった負の感情を包み込み、ゆったりとした気持ちに導いてくれます。

スイートオレンジ

スイートオレンジ

心と体を温めるといわれる「スイートオレンジ」は、柑橘系のフレッシュで甘い香りが特長。ストレスや緊張などでガチガチになった心身にくつろぎ感を与えたり、冷えてこわばった体をほぐしたりします。

イランイラン

イランイラン

ジャスミンに似た華やかな香りで香水の原料としてもよく使われます。リラックス効果に優れ、緊張や不安を鎮めるほか、寝つきを良くすることが示唆されたという報告(※)もあります。月経前症候群や更年期障害のメンタルな症状の改善にも有効です。

※日本アロマ環境協会 「アロマテラピー検定公式テキスト(1級・2級 2019年1月改訂版)」より

アロマエッセンシャルオイル(精油)のおすすめの使い方

アロマエッセンシャルオイル(精油)はボディケアや入浴剤などにも活用できます。ぜひ安眠ケアに役立ててみてください。

アロマバーム

ラベンダー

おすすめのアロマ:ラベンダー
おすすめのシーズン:1年中

薬局で手に入るワセリンと精油を混ぜて胸元に薄く塗布すると、精油成分が持続的に呼吸器に作用。穏やかな香りが深い睡眠をもたらします。また頭痛がするときはこめかみに塗布し、痛みをケアしてもいいでしょう。

〔材料〕
ワセリン....10g
精油....2滴
竹串またはつまようじ
保存容器

※保存容器は化粧品を小分けするクリームケースなどを使用。100円ショップなどで入手できます。

〔使い方〕
煮沸消毒またはアルコール消毒した保存容器にワセリンと精油を入れ、竹串(またはつまようじ)でよく混ぜ合わせる。
手を清潔にし、指先で少量を取って胸元に薄く塗布する。

※ワセリンは、薬局で医薬品の「白色ワセリン」を選ぶと精度が高く安心。手のひらで温めてから少しずつ伸ばします。

※直射日光や高温多湿での保管を避け、1カ月を目安に使い切ってください。

※子ども(3歳以上)が使用する場合、精油はレシピの半分以下を目安にしてください。3歳未満の子どもには精油を使用しなでください。

※作ったバームはひじの内側に少量つけ、肌が赤くなったり、かゆくなったりしないかなど安全性を確認してから使用してください。

ラベンダーローション

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おすすめのアロマ:ラベンダー
おすすめのシーズン:夏

心地良いラベンダーの香りが広がるローション。さまざまな作用を持つラベンダーは抗炎症、鎮静作用もあるので、古くから日差しを浴びた肌のケアに活用されてきました。紫外線の強い時期は、ラベンダーのアロマローションを使ってスキンケアをするのがおすすめ。

お手入れをしながら、体の熱を取って肌のほてりを冷ますツボ「曲池(きょくち)」を30秒程度押すといいですよ。

〔材料〕
ホホバ油....5ml
ラベンダー精油....6滴
精製水(芳香蒸留水)....45ml
保存容器
〔使い方〕
ホホバ油と精油を容器に入れ、よく混ぜる。
水を1に加え、さらに混ぜる。塗布する際は容器を振ってから使用する。

※直射日光や高温多湿での保管を避け、2週間を目安に使い切ってください。

ルームフレッシュナー

ルームフレッシュナー 失眠

おすすめのアロマ:ベルガモット
おすすめのシーズン:夏

鎮静作用に優れたベルガモット。爽やかな芳香のルームフレッシュナーを室内にひと吹きすれば、寝苦しい夜もリラックスして過ごせそうです。香りに包まれながら、安眠のツボ「失眠」をマッサージするとさらに効果アップ。

かかとは硬いので、押すのが難しければ、床においたゴルフボールなどに足裏をのせてゴロゴロと転がし、足裏全体をマッサージしてもいいですよ。

〔材料〕
無水エタノール....5ml
精油....8~10滴
精製水(蒸留水)....45ml
保存容器

※容器はアルコール対応ものが◎。100円ショップなどで購入できます。

※無水エタノールは薬局で購入できます。なければ消毒用アルコールでも代用可能。

※水は不純物を取り除いた精製水や蒸留水がおすすめ。薬局等で購入可能ですが、手に入らない場合は日本の水道水や飲料水(ミネラルウォーターまたは、浄水器の水)でも代用できます。

〔使い方〕
容器に無水エタノールと精油を入れ、よく混ぜ合わせる。
1に水を加えてよく混ぜ、室内やリネンにスプレーする。

アロマハニーバス

アロマハニーバス 肩甲骨マッサージ

おすすめのアロマ:ベルガモットまたはイランイラン
おすすめのシーズン:春

新生活などで環境が大きく変わると、よい変化であってもストレス要因となることがあります。さらに春は気温の変化も大きいので自律神経が乱れがち。寝る前はゆったりアロマハニーバスに漬かってリラックスしましょう。精油は鎮静作用に優れているベルガモット、イランイランがおすすめです。

入浴の際にはぜひホットタオルを用意して、両肩にかけてみてください。首や肩甲骨の周りにはたくさんのツボがあり、温めたりほぐしたりすると自律神経が整いやすくなります。

〔材料〕1回分
蜂蜜....大さじ2
※天然成分100%の純粋はちみつ推奨
精油....4滴
〔使い方〕
小皿などに蜂蜜を入れ、精油を加えてよく混ぜ合わせる。
1を湯に入れ、混ぜて溶かす。

アロマホットアイピロー

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おすすめのアロマ:ラベンダー&スイートオレンジ
おすすめのシーズン:冬

就寝前にアイピローで目元を温め、疲れ目をケア。精油は鎮静作用があるラベンダーと、鎮静&血行促進作用のあるスイートオレンジのブレンドがおすすめですよ。

じんわり温まったら、「攅竹(さんちく)」のツボを痛くならない程度に刺激しましょう。眉毛を開くようにマッサージすると、眉間のシワが予防できます。

〔材料〕
精油....1~3滴
42~43度の湯....適量
タオル
〔使い方〕
洗面器にお湯を張り、精油を1~3滴垂らし、よく混ぜてからタオルを浸す。
精油が直接目元に触れないよう、精油が付いた面を内側にたたんでタオルを絞る。
目の上に置き、数分経ったら外す(刺激を感じたら外し、長時間当てすぎない)。

アロマボディオイル

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おすすめのアロマ:スイートオレンジ
おすすめのシーズン:冬

心身にくつろぎ感を与えたり、冷えた体をほぐしたりしてくれるスイートオレンジ。精油を植物油と合わせた即席アロマエッセンシャルオイル(精油)で、癒やしのケアタイムを過ごしてみませんか。香りを楽しみながら、心身を睡眠モードに切り替えましょう。

〔材料〕
植物油....10ml
精油....2滴

※植物油はホホバ油やスイートアーモンド油などを使う。

※全身のケアには30mlが目安。

〔使い方〕
オイルに精油を混ぜ合わせ、なでるように全身に塗布する。

※残ったオイルは容器に移し、1カ月以内に使い切る。

ハーバルライフを楽しむ「基本のき」
材料の選び方&制作の注意事項

★精油の選び方

パッケージや瓶の表示をチェックし、100%天然のものを使用します。目安として「100% pure nature」や「AEAJ(日本アロマ環境協会)表示基準適合認定精油」と書いてあるものをセレクトするとよいでしょう。

精油はそれぞれ植物から採れる量が異なります。採油量の多い柑橘類やハーブ系は入手しやすいですが、量が採れないバラやジャスミンなどの花精油は高価です。そのため、雑貨店などで、バラもラベンダーもレモンも全て均一価格で売られているものは、合成オイルの可能性が高いので注意が必要です。

★ホホバオイル、ミツロウの選び方

ホホバオイルもミツロウも「精製」のものと「未精製」のものが市販されています。未精製のものは、天然の有効成分がたっぷり入っていますが、肌が敏感になっていると刺激を感じることもあります。心配な場合は「精製」しているものを選ぶとよいでしょう。「精製」は透明で、「未精製」は黄色っぽい色をしています。

ハーブ専門店や一部雑貨店、ネット通販でも購入可能です。開封すると品質が低下するので、まずは少量のものを選ぶとよいでしょう。

★ワセリンの選び方

一般的に「白色ワセリン」と「黄色ワセリン」があり、用途も「第三類医薬品」、「化粧油」などに分けられます。

薬局で購入できる医薬品の「白色ワセリン」は、精度が高いので安心です。ワセリンは少しずつよく伸ばして使うものなので、購入の際は、少量のものを選ぶとよいでしょう。固まっていて使いにくい場合は、手のひらで少し温めてから使うと伸ばしやすいです。

★制作の注意事項

◎保管について
使用する容器は煮沸消毒またはアルコール消毒をします。直射日光や高温多湿での保管を避け、1カ月を目安に使い切ってください。また容器からバームを取り出す際は、清潔な手で雑菌が入らないよう注意してください。

◎精油の分量について
人によっては香りが強いと感じるかもしれないので、香りを試してみて強く感じたら入れる分量は少なめから始めるとよいでしょう。

◎子どもの使用について
精油が入ったトリートメントオイルやクリームを肌に塗布するのは、3歳以上からとされています。3歳以上でも精油はレシピの半分以下を目安にしてください。

◎パッチテストについて
いずれもひじの内側に少量つけ、肌が赤くなったり、かゆくなったりしないかなど、自分にとっての安全性を確認してから使用してください。

この方にお話を伺いました

株式会社ジャパンライフデザインシステムズ所属 葛和 恵奈子 (くずわ えなこ)

葛和先生

英国IFAアロマセラピスト/AEAJアロマセラピスト/AEAJアロマセラピーインストラクター/メディカルハーブコーディネーター/RTAベビーマッサージセラピスト
編集者として取材で出会ったハーブ&アロマのチカラに魅せられ、メディカルハーブ健康術&生活術を学ぶ。専門学校講師として、またイベントやセミナーでTPOに合わせたハーブ&アロマ活用方法を伝えている。2児男子の母。

ツボ監修

目白鍼灸院院長 柳本 真弓 (やなもと まゆみ)

柳本先生

大学卒業後ひょんなことから興味を抱き、―念発起して鍼灸の世界へ飛び込む。東京衛生学園卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧国家資格取得。リンパドレナージセラピスト。著書に『Dr.クロワッサン 心が弱ったときのツボ ストレッチ。』(マガジンハウス)、『「手」をもむ、触る、押すだけで、た ちまち健康になる!』(マガジンハウス)、『指3本で確実に捉える不調に 効くツボJ(NHK出版)などがある。

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