睡眠の満足度を下げるNG習慣とは?質や量のチェックと悩み別改善方法
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睡眠の満足度を下げるNG習慣とは?質や量のチェックと悩み別改善方法

「なかなか眠れない」「早くに目が覚めてしまう」など睡眠に悩みはありませんか?

睡眠を改善する上で重要な「満足度」

睡眠を改善する上では、満足度(睡眠に満足しているか)・量(日中に眠くならないか)・質(深く眠れているか)の3つがポイント。中でも最も大切なのが満足度です。質や量も重要ですが、この2つに問題がなくても、本人が不満に思っていたら悩みは解決しません。

以下の行動は、睡眠に悩みを抱える人に多く見られるもの。いずれも「しっかり眠りたい(眠らないと)」と思っての行動ですが、逆に睡眠の満足度を下げる要因になっています。

睡眠の満足度を下げるNG習慣

睡眠改善のためには、まずこれらの行動をやめることから始めてみましょう。

睡眠の量と質をチェック!

睡眠のリズムは人それぞれ

睡眠に悩む人の多くが他人と比較して不安になっています。

そもそも睡眠のリズムは遺伝子によって異なります。年齢や性別、体力によっても異なり、眠れる人に眠れない人の不安は理解しづらいもの。夫婦間でリズムが変わってどちらかが困る場合は、布団や寝室を分けるのも一つの手です。

日中元気に過ごせていれば睡眠の量はOK

女性は40代から、男性は55歳くらいから睡眠が変化し長時間眠れなくなりますが、日中に元気に過ごせていれば睡眠時間(量)は十分。他人と比べて心配になる必要はありません。

しかし、目覚めてから家を出るまでがおっくうだったり、午前中に眠気があったりする場合は対策が必要かもしれません。以下の記事でストレス・疲労が溜まっていないかチェックしてみましょう。

睡眠の質は「睡眠効率」で確認を

睡眠の質を判断する目安となるのが、布団の中で過ごした時間と眠っている時間の比率で表す「睡眠効率」。「実際の睡眠時間」÷「布団に入っていた時間」×100で睡眠効率を計算して、答えが85以上であれば、睡眠の質は高いと言えます。

85未満の場合は、以降のタイプ別対策を試してみてください。睡眠効率が悪いと、いつもと比べてイライラしやすい、頭がボーッとして集中力が持たないなどの症状が現れることがあります。自分でチェックする際の目安にしましょう。

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今日から実践!睡眠生体リズムに基づいたタイプ別対策

寝つきが悪いタイプ

布団に入ってから眠るまでに1時間以上かかる日が週に3日以上あり、睡眠効率が85未満の「寝付きが悪い」タイプ。以下の対策がおすすめです。

■15~19時頃に家事や散歩などを行って体を動かす
夕方の時間帯に深部体温を上げておくことで、就寝時に深部体温が下がり、スムーズに眠りにつくことができます。

■眠くないのに布団に入らない
15分眠れなければ、いったん布団を出て好きなことを行い、眠くなってから布団に入るようにしましょう。脳に「布団は眠るところ」と記憶させることがポイントです。

眠りが浅いタイプ

15時以降についウトウトしてしまい、夜中に2回以上目が覚める日が週に3日以上ある「眠りが浅い」タイプは、昼間に寝ないようにして夜にしっかり寝る習慣をつけましょう。

■15時以降はうたた寝してしまう場所に座らない
テレビの前のソファやこたつなど、うたた寝しがちな場所はだいたい決まっているので、そこを寝る場所と脳が記憶してしまいます。「いつもこの場所に座ると眠くなる」という場所には座らないようにしましょう。

また、午後にどうしても眠くなる場合は早めに短い仮眠をとってください。眠いのを我慢するほど居眠りで長く眠ってしまうため、いつも14時頃に眠くなるなら13時頃に30分以内の仮眠をとるのがおすすめです。

■夜中に起きた時に時計を見ない
時計を確認すると、目覚めた時刻を脳が覚えてしまい、同じ時刻に目が覚めやすくなります。夜中に目が覚めても時間は確認せずに目を閉じましょう。

早朝に目が覚めてしまうタイプ

週に3日以上希望する起床時刻より早く目覚めてそれ以上眠れないことがある「早朝に目が覚めてしまう」タイプ。睡眠効率が85未満であれば、以下を試してみてください。

■30分単位で就寝時刻を遅らせていく
早く寝過ぎることでより早く起きやすくなります。朝、希望する時刻まで睡眠を持続するために就寝時刻を遅くするのも一つの手です。2週間ごとに30分単位で就寝時刻を後ろ倒しにしていきましょう。

■早く目覚めても行動を始めない
脳は光を浴びた時刻を朝だと認識し、睡眠作用を持つ「メラトニン」の分泌を止めます。メラトニンは光を感知してから約16時間後に分泌量が増えるため、光を浴びる時間が早いとその分眠くなる時刻が早まり、さらに目覚める時刻が早くなるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

朝がつらいタイプ

目覚ましを使っても起きられない、目覚めが悪くなかなか布団から出られない「朝がつらい」タイプ。毎朝スッキリと起きるために、次のことを試してみてください。

■起床時刻を揃える
休日の寝だめで起床時刻が遅れると、その分眠くなる時刻も遅れ、翌日起きられなくなります。起床時刻はそろえ、就寝時刻を調整して、トータルの睡眠時間を確保しましょう。

■起きる時刻を3回唱えてから寝る
起床前の脳は起きるための準備をしているので、起床時刻を認識させておくと自然に目覚めるようになります。

また、どうしても朝に二度寝をしてしまう場合は、明るい窓際などで、座った状態でウトウトするようにしましょう。横になったまま二度寝をすると、次に起き上がる時にだるくなったり眠気が強くなったりします。頭を起こした状態での二度寝であれば、目覚めた後のコンディションをよくすることができます。

朝までぐっすり眠るための睡眠生体リズム

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睡眠を司るのは、「深部体温リズム」「メラトニンリズム」「睡眠覚醒リズム」の3つの睡眠生体リズム。以下のリズムを知って活用することで、睡眠の満足度を高められますよ。

深部体温:起床11時間後に最も高くなり、22時間後にもっとも低くなる
メラトニン:夜暗くなると急速に増加して睡眠を誘発し、光を感知すると減少する
睡眠覚醒:起床後8時間後と22時間後に眠気が起こる

例えば、6時に起床する場合は、下図のような生体リズムが生まれます。オレンジ色は活発な時間帯もしくは活発になり始める時間帯、紫色は体が休息を求めている時間帯です。それぞれにあわせて下図の1~3を行うと睡眠の満足度はぐっと上がるはず。優先度は1→2→3の順です。

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なお、夜間勤務や交代勤務の場合は、起床から4時間以内に光(蛍光灯などの強い光でOK)を見る、11時間後に軽い運動で体を動かすなど、自分なりのリズムをつくるのがおすすめです。

睡眠はあくまでも心地よく生活するためのツール。「眠らないと」という考えに振り回されず、自分に合ったリズムをつくり、睡眠の満足度を上げましょう。

この方にお話を伺いました

作業療法士、ユークア株式会社代表 菅原 洋平 (すがわら ようへい)

菅原 洋平

国際医療福祉大学卒業。民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテ ー ションに従事。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら企業を対象に脳の仕組みを活用した人材育成を行う。『あなたの人生を 変える睡眠の法則』(自由国民社)など著書多数。

※この記事の情報は全て、『養命酒だより2020年冬号(養命酒製造株式会社)』より参照しています。

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