フードコーディネーターとして活躍する副島モウさんに、ハーブやスパイスの個性を楽しむレシピを教えていただく連載第2回。今回は、独特の香りが人気のパクチーを使ったレシピをご紹介します。
エスニック料理でおなじみのハーブ
パクチー(コリアンダー)
タイ料理やベトナム料理でおなじみのパクチーは、近年日本でも人気が定着し、「パクチー専門店」も登場しています。草丈50cmになるセリ科の1年草で、何千年も前から世界中で使われてきたハーブです。タイでは「パクチー」と呼ばれますが、英語では「コリアンダー」、中国語では「香菜(シャンツアイ)」、和名は「カメムシソウ」と言います。
消化器官に働きかける!
パクチーの特徴と効能
葉は強烈といっていいほどの独特な香りで、料理のトッピングやソースなどに使われます。
一方で完熟した種子(コリアンダーシード)は、ほんのりスパイシーで甘く爽やかな香りが特徴。カレーに使われることが多く、カレー粉の含有量でみると一番使われているスパイスです。また、肉や卵などタンパク質との相性がよく、お菓子やパンにも使われます。
パクチーは消化器官へ働きかけるため、食後の消化促進や腸内ガスの排出、下痢や胃もたれの緩和に効果的で、デトックス効果も期待できます。鎮静作用もあるため、頭痛にも良いと言われています。
パクチーの使い方
葉の香りは好みがわかれるので、調整しながら利用しましょう。肉や魚にも合うほか、スープやソースの香りづけ、サラダやお粥のトッピングにも使えます。
また、出汁や油との相性がよく、ラーメンやうどんに薬味として入れる、天ぷらやかき揚げに使用する、などの使い方もおすすめです。
パクチーたっぷり
白身魚のセビーチェ
パクチーの個性豊かな香りとレモンと合わせたCeviche(セヴィーチェ/セビーチェ)はいかがでしょう。セビーチェは、南国・ペルーの郷土料理で、スパイシーな唐辛子とレモンを合わせた魚介マリネです。
パクチーとレモンが魚の臭みをとってくれるので、さっぱりとした仕上がりに。お好みで、トマトや、ネギ、シソなどを加えても美味しくいただけます。
- 〔材料〕
- 白身魚(今回は鯛を使用)..........200g
- レモン..............................................1個
- 紫玉ねぎ..........................................1/2個
- 青唐辛子.........................................1本
- パクチー.........................................1枝
〔作り方〕
- 白身魚に軽く塩を振り、10分おいておく。
- レモンは絞り、紫玉ねぎは薄切りに。青唐辛子は小口にきり、パクチーはみじん切りにする。
- 1. の水気を拭き取り、レモン汁にくぐらせ、白っぽくなったら、すべての野菜とあえて皿に盛る。
○アドバイス白身魚をレモンでマリネするイメージで。あまり長くつけてしまうと身が締まりすぎてしまうので、1〜2分程度で十分です。
この方にお話を伺いました
副島モウ (そえじま・もう)
エコール辻フランス・イタリア料理カレッジに入学。TOULOUSE Les Jardin de l’Operaにて修行。帰国後、GRAND HYATT TOKYO、BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYOを経て料理研究家パトリスジュリアン師に師事。レシピ開発、料理教室( L’atelier nuage)、フードコーディネーション、RENDEZ-VOUS DES AMIS(鎌倉小町)オーナーシェフとその活動は 多岐にわたる。