鬱金

鬱金[ウコン]

Curcumae Rhizoma

ウコンはインド伝統医学のアーユルヴェーダで、黄疸(おうだん)の特効薬とされています。

鬱金
ウコンCurcuma longa Linnéの根茎。ショウガ科の植物で、「秋ウコン」と呼ばれる種類が生薬として使用されています。
ウコンの効果と効能

漢方では、理気(気を巡らせて整える)・去お(血行障害の治療)・痛み止めとして、胸部痛・月経痛・打撲などに用いられます。また、利胆(胆汁の分泌促進)・健胃作用があるので、肝臓の不調・胃炎や胃酸過多などにも使用されています。

ウコンに含まれるクルクミンや精油などの有効成分には、胃液の分泌を高めたり、血液凝固の防止・鎮痛鎮静・コレステロール値の抑制・ガン抑制・抗酸化・アルツハイマー予防など非常に幅広い効能があることがわかっています。日本では特に沖縄でなじみが深く、「ウッチン」と呼ばれるウコン茶を二日酔い予防のため、お酒を飲む前後に飲用します。

鬱金
ウコンこぼれ話

ターメリックとも呼ばれ、スパイスとしてカレー作りになくてはならない存在です。その明るい黄色とスパイシーな風味が特徴で、インドや東南アジアでは人々の暮らしに根付いてきました。日本ではたくあんの色付けにも使用しています。
インドネシアの結婚式では、新郎新婦がウコンを擦ったものを体に塗る風習があります。「浄化」を意味する化粧品としても使われていて、南インドでは、ウコンで顔をうっすらと黄色く染めた婦人が見かけられます。ウコンには邪悪なものを避ける力があると信じられているタイでは、お坊さんがウコン染めの外衣をまとっています。また、ウコンには防虫・抗菌の効果もあり、ウコン染めの風呂敷で大切な衣類や書画骨董などを包んでおくと、虫がつきにくくなります。

icon_reference参考文献一覧

  • 朝日百科 植物の世界シリーズ 朝日新聞社
  • 漢方210処方生薬解説 昭和漢方生薬ハーブ研究会編 じほう
  • 漢方診療のレッスン 花輪寿彦 金原出版
  • 漢薬の臨床応用 中山医学院編 神戸中医学研究会訳・編 医歯薬出版
  • 薬になる植物百科 田中孝治 主婦と生活社
  • 漢方のくすりの事典-生薬・ハーブ・民間薬- 米田該典監修・鈴木洋著 医歯薬出版
  • 月刊漢方療法 Vol.1 No.4(1997-7) 滝戸道夫 薬草百話ベニバナ
  • 健康と病の民俗誌 医と心のルーツ 宗田一 健友館
  • 世界薬用植物百科事典 A.シェヴァリエ原著・難波恒雄監訳 誠文堂新光社
  • 中薬大辞典 上海科学技術出版社 小学館
  • 都薬雑誌 Vol.19 No.9 、Vol.26 No.2
  • 日本薬草全書 水野瑞夫監修・田中俊弘編集 新日本法規
  • 日本のハーブ事典 村上志緒 東京堂出版
  • 牧野和漢薬草大図鑑 北隆館
  • マムシ愛用 栗原愛塔 徳間書店
  • 身近な漢方薬材事典 鈴木昶 東京堂出版
  • メディカルハーブ 英国ハーブソサイエティ編 日本ヴォーグ社
  • モノグラフ 生薬の薬効・薬理 伊田喜光・寺澤捷年監修 医歯薬出版
  • 薬用ハーブの機能研究 健康産業新聞社

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