爪が割れやすい、縦線が入っているなどの症状はありませんか? 東洋医学で、爪は「肝」と密接な関係があるとされます。
気や血の流れをコントロールする働きがある肝。そのため、栄養不足やストレスにより肝が弱ると血液にも影響します。爪の生え際には毛細血管が集中していることから、肝の不調は爪に現れるといえます。
今回は爪の様子から健康状態を知る「爪診断」のポイントをご紹介。日頃のお手入れや爪を切る際に一緒にチェックしてみましょう。
- 〔目次〕
- 健康な爪とは?
- 「爪診断」で爪の健康状態をチェック
健康な爪とは?
硬くて表面がなめらか、また薄く透き通ったピンク色の爪であれば健康と言えるでしょう(加齢と共に爪が厚くなり、薄茶色になることもあります)。
「爪診断」で爪の健康状態をチェック
栄養不足や体調不良になると肌が荒れるように、爪の色や形にも変化が起きます。爪に縦線が目立ってきた、最近割れやすいなどは、代表的な不調のシグナル。爪の状態別に、不調の原因と対策をご紹介します。
爪が割れやすい
- 〔原因〕
- 血行不良や血の不足
- 栄養不足
- 爪の乾燥
- 〔対策〕
- 血を補うには、鉄分が多い赤身肉や魚がおすすめ。海藻類や豆腐といった大豆製品など、鉄分の吸収率が低い食材は、ビタミンCを一緒に摂ると吸収率がアップします。
縦筋が目立つ
- 〔原因〕
- ストレス
- 過労
- 加齢
- 〔対策〕
- ストレスを和らげたい時は、爪の生え際の左右にあるツボ「井穴(せいけつ)」を刺激しましょう。全ての指を揉んでもよいですが、薬指を避けたほうがリラックス効果は高いとされています。
反り返っている
鉄欠乏性貧血の可能性があります。
若い女性に多く見られ、子宮筋腫など慢性的な出血が起こっている場合もあるので、すぐに受診を。
横線が目立つ
栄養不足や生活習慣の乱れによって現れます。忙しさなどから食事が疎かになっていないか、睡眠時間がしっかりとれているかなど、生活を見直してみましょう。
爪の色が紫
血行不良や冷えが主な原因です。
紅花茶やヨモギ茶など、体を温めて末端まで血流をよくする効果がある飲食物をとると改善が期待できます。
冷え症の人は、原因を知って対策をしましょう。
爪は通常1カ月で約3mm伸びるため、過去の生活や健康状態を知る手がかりにもなります。普段から生活習慣を意識して、健康な爪を保ちましょう。
この方にお話を伺いました
東京女子医科大学東洋医学研究所所長・教授 木村 容子 (きむら ようこ)
医学博士。日本内科学会認定医・指導医・理事。著書は『太りやすく、痩せにくくなったら読む本~医師が教えるほんとうのダイエット~』(大和書房)など多数。