サバには生活習慣病の予防に有効とされるEPAやDHAが豊富。サバの水煮缶は、サバの栄養を丸ごととれる上に買い置きできる便利な食材です。
サバと塩と水だけでシンプルに作られているため、さまざまな料理に活用可能。そんなサバ缶を使った薬膳レシピを5つご紹介します。
- 〔目次〕
- 加熱調理なしのお手軽メニュー! サバ缶の冷汁風
- 食欲がないときにも! 梅の煮きりとサバ缶との混ぜそうめん
- アレンジ自在! サバ缶と夏野菜のみそ炒め
- サバ味噌の簡単アレンジレシピ! 油そば風そうめん
- モリモリたべて夏バテ知らず! サバ缶と夏野菜のカレー
加熱調理なしのお手軽メニュー! サバ缶の冷汁風
サバ缶を丸ごと入れて混ぜるだけ! 栄養バランスのよい、さっぱりといただけるお手軽メニューです。なすやきゅうりが体の水分を調整してくれます。
- 〔材料〕
- サバ缶(水煮).........................1缶
- きゅうり....................................1本
- なす...........................................1本
- 紫蘇...........................................6枚
- 生姜(薄切り).........................7枚
- だし(昆布・カツオ)..............400ml
- 味噌...........................................大さじ1
- すりごま....................................大さじ2
- 〔作り方〕
- きゅうりは小口切り、なすは縦半分に切って薄切りにし、それぞれ塩水に浸してあくを抜いて絞る。紫蘇は千切りにして水にさらしてあくを抜き、水気を絞る。生姜はみじん切りにする。
- ボウルにだし少々と味噌を入れてよく溶き、すりごまと残りのだしの半最を加えてよく混ぜる。サバを汁ごと加えて身を粗くほぐす。
- 生姜としそを加えてよく混ぜ、残りのだしを加えて味をととのえる。
○アドバイス
・血圧が気になる方は、味噌の量を半分にしましょう。
食欲がないときにも! 梅の煮きりとサバ缶との混ぜそうめん
疲労回復を助ける作用のある梅とだしの旨味が立った、まろやかでさっぱりとした味わいの「梅の煮きり」を使った簡単レシピ。
麺と一緒にきゅうりをいただくことで、塩分の排出を助け、見た目の彩りも豊かに。食欲がない時にもおすすめです。
気血を補うサバ、体を潤すごま、胃の働きを整える小麦(そうめん)など、缶詰を活用することで、手軽ながら夏の体にうれしい食材が一度にとれる一品です。
- 〔材料〕2人分(1人分473kcal/塩分2.5g)
- そうめん.................................... 3束
- きゅうり(千切り).................. 1本
- しそ(千切り)......................... 4枚
- 梅の煮きり................................. 100ml ■A
- サバ水煮缶(汁気を切る)....... 1缶(150g)
- 酒............................................... 大さじ1
- 白すりごま................................. 大さじ1
〔作り方〕
- ボウルにAを入れて混ぜる。しそは水にさらしてアクを取り、ペーパータオルで水気を絞る。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かしてそうめんをゆでる。きゅうりも加えてひと混ぜしたら冷水にとり、麺をもんでコシを出す。
- 器に2.を盛りつけて1. をのせ、冷えた梅の煮きりを回しかける。全体をよく混ぜてからいただく。
江戸から続く夏の万能調味料! 梅の煮きりのレシピ
梅の煮きりとサバ缶との混ぜそうめんで使う梅の煮きり。「白だし」のようにさまざまな料理に活用できます。(保存の目安:冷蔵で1週間)
- 〔材料〕350ml分(全量20kcal/塩分8.4g)
- 梅干し(塩分8%の物を使用)......... 4個
※シンプルな味つけの物を選びましょう - 酒...................................................... 300ml
- こんぶ............................................... 10cm分
- かつおだし........................................ 100ml
- 薄口しょうゆ.................................... 大さじ2
〔作り方〕
- 小鍋にちぎった梅干しと種、こんぶ、酒を入れ、こんぶが広がったら中火にかける。
- 沸騰したら弱火で3分煮て梅干しの種とこんぶを取り出し、かつおだしと薄口しょうゆを加えてひと煮立ちさせる。
◯アドバイス
白身魚や貝の刺身のつけだれ、薬味たっぷりのお吸い物やおひたし、焼きなす、お茶漬けなどに添えるのがおすすめです。
アレンジ自在! サバ缶と夏野菜のみそ炒め
血の巡りをよくするサバと、体内の水分代謝を促してむくみを改善する夏野菜を、発酵食品の味噌で炒めた夏バテ予防に有効な常備菜。香ばしい味噌としその風味にやみつきになります。 (保存の目安:冷蔵庫で3~4日)
- 〔材料〕6食分(1食分189kcal/塩分1.2g)
- なす......................... 4個
- ピーマン(またはきゅうり2本)...4個
- パプリカ(赤) .........1個
- 長ねぎ .................. 1/2本
- 紫蘇...................... 10枚
- 味噌.......................大さじ2
- 砂糖.......................大さじ1
- 酒 .........................大さじ5
- サバ缶(水煮) .........2缶
- ごま油.....................小さじ1
- ごま........................大さじ3
- オリーブ油............大さじ1と1/2
- 〔作り方〕
- なすとピーマン、パプリカは全て1cm角に切る。長ねぎとしそは粗みじん切りにする。
- 味噌と砂糖を混ぜて酒大さじ2で溶いておく。
- フライパンにオリーブ油と長ねぎを入れて火にかけ、香りが立つまで炒める。なすを加えて油が回るまでさらに炒める。ピーマンとパプリカも加えて数分炒め、酒大さじ2を回しかけ、蓋をして30秒ほど中火で加熱する。
- サバ缶を汁ごと加えて残りの酒大さじ1をかけ、炒め合わせる。2.を加えて混ぜ、強めの中火で水分がほぼなくなるまで加熱する。ごま油と紫蘇、ごまを加えて混ぜ、火を止める。
◯アドバイス
・なすはアクが強いので、塩もみをしてからよく洗って塩を流し、水気を絞ってから使用しましょう。
・ピーマンの代わりにきゅうりを使っても美味しく仕上がります。きゅうりを使用する場合は、なす同様に塩もみをしてから使用しましょう。
・ごまは小鍋で炒ってから包丁で刻むと香りがよくなります。
・ご飯やうどん、パスタにのせたり、トーストにサンドしたり、冷奴やゆで卵に添えたり、オムレツの具材にしたりなど、アレンジ自在です。
サバ味噌の簡単アレンジレシピ! 油そば風そうめん
ごま油の香りと旨みがプラスされ食が進む「サバ缶と夏野菜の味噌炒め」のアレンジレシピです。
- 〔材料〕2人分 (1人分494kcal 塩分1.6g )
- そうめん(ゆでる)...3束
- ごま油.........................小さじ4
- サバ缶と夏野菜の味噌炒め ......2食分
- 紫蘇(千切り)............5枚
- 〔作り方〕
- 器にそうめんを入れ、ごま油を振りよく混ぜ合わせる。
- 上に温めたサバ缶と夏野菜の味噌炒め、紫蘇をのせる。
モリモリたべて夏バテ知らず! サバ缶と夏野菜のカレー
気血を補い血の巡りをよくするサバとなすに、胃腸の疲れに有効なトマトを加えた夏野菜たっぷりのカレー。生姜やにんにく、カレー粉には発散作用もあり、夏の元気チャージにおすすめです。 (保存の目安:冷蔵で3~4日)
- 〔材料〕5食分(1食分288kcal/塩分1.2g)
- なす ......................4個
- トマト....................2個
- オクラ ..................10本
- 玉ねぎ...................大1個
- にんにく...............大1かけ
- 生姜......................大1かけ
- オリーブ油 .........大さじ4
- カレー粉 ..............小さじ2
- サバ缶(水煮)........ 2缶
- 酒..........................大さじ3
- 塩..........................小さじ1
- 黒こしょう(粗挽き) ...小さじ1/4
- 〔作り方〕
- なすは乱切り、トマトは8分割、オクラは斜め半分、玉ねぎは粗みじん、にんにくと生姜はみじん切りにする。
- フライパンにオリーブ油の半量とにんにくを入れて中火にかけ、香りが立ったら玉ねぎを加えて炒め、蓋をして弱めの中火で2~3分加熱する。
- 2. に生姜を加えて炒めたら具を端に寄せ、残りのオリーブ油となすを入れて炒める。
- 3. の具を混ぜ合わせて端に寄せ、カレー粉を入れて数秒炒めてから全体に混ぜ合わせる。オクラとトマト、サバ缶の汁、酒大さじ2を加えて混ぜ、中火で3分煮る。
- サバの身に残りの酒をかけておき、1.に加えてほぐし、全体に混ぜたら塩と黒こしょうで味をととのえ、2分ほど煮て火を止める。
◯アドバイス
・なすはアクが強いので、アク抜きをしましょう。
・ご飯にパクチーや紫蘇、バジルなどを混ぜると、カレーとの相性もよく、美味しくいただけます。
・麺類やパンにのせていただいてもOK。ゆでたじゃがいもにのせてチーズをのせれば即席グラタンにもなります。
この方にお話を伺いました
料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木 もも子 (うえき ももこ)
中医学や雑穀などを取り入れた、美味しいだけでなく、体によい料理が評判。「免疫力は旬を食べれば自然に上がる』(同文書院)、『からだの中から、キレイになる毎日ベジレシピ』(清流出版)他著書多数。