冬は体が冷え、気血の巡りが悪くなりやすい季節です。体調を崩さないよう、体を温めて巡りをよくする食材や、水分代謝をコントロールする冬の五臓「腎」の働きを助ける食材を積極的にとりましょう。
体を温めつつ、あと一品ほしいときに役立つ薬膳常備菜のレシピを3つご紹介します。冷蔵庫で5~6日保存できるので作り置きに最適です。
ご飯がすすむ! 長ねぎの豆板醤和えのレシピ
体を温め、巡りをよくする長ねぎと唐辛子がとれるピリ辛な一品。ししゃもを加えれば「腎」の働きを助ける作用も。(保存の目安は冷蔵庫で5~6日)
- 〔材料〕10~15食分(全量250kcal/塩分3.7g)
- 長ねぎ................................................2本
- 豆板醤(またはコチュジャン).....小さじ1/2~1
- しょうゆ............................................大さじ1強
- ごま油................................................大さじ1と1/2
- 〔作り方〕
- 長ねぎは斜め薄切りにする。
- ボウルに豆板醤、しょうゆ、ごま油を入れてよく混ぜ、1.を加えてさらによく混ぜる。
◯アドバイス
・冷蔵庫に入れて一晩置くと豆板醤の辛味が落ち着きます。
・焼いたししゃもを食べやすい大きさに切り、混ぜていただくのもおすすめです。
・ゆで豚、蒸し鶏などを加えたり、チーズとともにトーストや焼き餅のトッピングにしてアレンジできます。
・温める作用が強いので、のぼせやすい方は食べ過ぎないようにしてください。
シャキッ、コリッの食感が美味しい♪ 小松菜と黒きくらげのナムルのレシピ
「腎」の働きを助けて、胃腸を丈夫にする黒きくらげと抗酸化作用のある小松菜、巡りをよくするにんにくを一皿で。おつまみにもおすすめです。(保存の目安は冷蔵庫で5~6日)
- 〔材料〕6~8食分(全量289kcal/塩分3g)
- 黒きくらげ..........................10g(乾燦・たっぷりの水で3時間ほど戻す)
- 小松菜..................................1束
- にんにく(みじん切り)...大さじ1/2
- 塩..........................................小さじ1/2
- ごま油..................................大さじ2
- 〔作り方〕
- 黒きくらげは2分ほどゆでてザルに上げる。小松菜もゆでて冷水に取ってから冷ます。
- 黒きくらげは根元の硬い部分を切り落として千切りにし、しっかり水気を取る。小松菜は水気を絞り、2~3cmの長さに切る。
- ボウルににんにくと塩を入れて混ぜ、ごま油も加えて混ぜる。さらに黒きくらげ、小松菜の順に加えながらよく混ぜ合わせる。
◯アドバイス
・冷蔵庫に入れて一晩置くとにんにくの辛味が落ち着きます。
・ラーメンやチヂミの具にするのもおすすめです。
お弁当のおかずにも◎ 牛ひき肉と舞茸のしぐれ煮のレシピ
抗酸化作用が期待できる舞茸と、「腎」を助ける牛肉、体を温める玉ねぎをご飯に合うしぐれ煮に。ひき肉を使うことで麺類のトッピングなどアレンジの幅が広がります。(保存の目安は冷蔵庫で5~6日)
- 〔材料〕8~10食分(全量1062kcal/塩分11g)
- 牛ひき肉(赤身).....300g
- 酒................................大さじ4
- 玉ねぎ.........................1個
- 舞茸.............................1パック
- オリーブ油.................大さじ1と1/2
- 砂糖.............................大さじ2
- しょうゆ.....................大さじ4
- みりん.........................大さじ2
- 生姜(すりおろし)..大さじ1
- 〔作り方〕
- 牛ひき肉はボウルに入れて酒を振り、ほぐしながらなじませる。玉ねぎは薄切りに、舞茸は2cm大にほぐして根元は薄切りにする。
- フライパンにオリーブ油を入れて中火にかけ、玉ねぎを入れてしんなりするまで炒める。舞茸を加え、全体がしんなりしたらフライパンの端に寄せる。牛ひき肉を加えてパラパラになったら玉ねぎ、舞茸と混ぜ合わせる。
- 砂糖を加えて3分ほど煮てからしょうゆ大さじ3を加えて煮る。水分がほぼなくなったら残りのしょうゆとみりんを加えて混ぜ、生姜も加えてひと煮立ちしたら火を止める。
◯アドバイス
・オムレツや混ぜご飯の具、うどんのトッピングにしてもよいでしょう。
このほかにも、生姜など体を温めてくれる食材を使ったレシピもおすすめです。これらの食材をとって体を冷やさないようにしましょう。
また、簡単なのにおもてなしにぴったりの華やかな薬膳レシピもあります。忙しいときも、時短レシピをうまく活用して体を労ってあげましょう。
この方にお話を伺いました
料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木 もも子 (うえき ももこ)
中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『いちばんやさしいさかな料理の本』(日東書院)他著書多数。