料理家として活躍する副島モウさんに、ハーブやスパイスの個性を楽しむレシピを教えていただく連載。今回は、爽やかなローズマリーの風味と濃厚チョコレートがマッチする大人の濃厚デザートをご紹介します。
抗酸化作用に優れた「若返りのハーブ」ローズマリー
ローズマリーは地中海沿岸が原産のシソ科の低木。優れた抗酸化作用を持つことから、日本では「若さを取り戻すハーブ」として古くから料理や医療などに使われてきました。ほかにも、代謝促進・活力UP・疲労回復・血行促進などの効果が期待できます。
すっきりとした香りでリフレッシュ! ローズマリーの使い方
ローズマリーは爽やかな香りが特徴。肉料理の匂い消しに使われるほか、魚や野菜といった淡白な素材の風味付けにも用いられます。香りが強いため、使用量に注意しましょう。また、フレッシュハーブを使用する際、調理時間が長いと熱で苦みやエグ味が出てしまうため、途中で取り上げるのがポイントです。※煮込み料理などに使用する際は、鍋が沸騰してから15分を目安に取り上げましょう。
料理に使用する際は、そのまま刻んで強い香りを楽しむのもいいですし、漬け込んで、香りを移して使っても美味しくいただけます。果物のマリネに使うとワンランクアップした味になりますよ。
また、ハーブティーにすると代謝を上げ、脳の働きを活性化させる効果も。仕事や勉強などに集中したいときや、過労気味のときにおすすめです。ドライハーブなら小さじ1杯、フレッシュハーブなら1枝程をポットに入れてお湯を注ぎ、7分間蒸らしてからいただきましょう。香りが強く飲みにくく感じる時は、紅茶や緑茶とブレンドし、アクセントとして使うのもおすすめです。
濃厚なのにすっきり! ローズマリー風味のチョコレートムース
生クリームをたっぷり使用したこってり濃厚チョコレートムースに、ローズマリーのすっきりとした風味をプラス。甘いものが苦手な人でも美味しく食べられる、大人味のチョコレートムースのレシピをご紹介します。
- 〔材料〕
- 生クリーム....................................60ml
- ローズマリー.................................1枝
- チョコレート(ビター).....................120g
- ラム酒..........................................小さじ2
- 卵黄.............................................2個分
- 卵白.............................................2個分
- グラニュー糖.................................40g
- ローズマリー(飾り用)..................適量
〔作り方〕
- 小鍋に生クリーム、刻んだローズマリーを入れ、弱火にかけ、ひと煮たちしたら火を止める。
- ボウルに刻んだチョコレートを入れて1.の生クリームを加えてラップをかけ、500Wの電子レンジで20秒温める。
- ゴムベラで混ぜ合わせてチョコレートを完全に溶かし、ラム酒、卵黄を加えさらに混ぜる。
- 別のボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーで全体に大きな気泡が出てくるくらいまで泡立てる。グラニュー糖を2回に分けて加え、しっかりとしたメレンゲを作る。
- 3.に4.のメレンゲを1/3加えて混ぜる。よく混ざったら残りも加え、泡を潰しすぎないようにゴムベラでさっくりと混ぜ合わせる。
- やや深さのあるタッパーなどの器に入れ、冷蔵庫で固まるまでよく冷やす。器に盛り付け、ローズマリーをトッピングする。
○アドバイス
・生クリームは煮立ったらすぐに火を止めましょう。
・チョコレートは細かく刻み、生クリームが熱いうちに混ぜ合わせると綺麗に溶けます。
この方にお話を伺いました
副島モウ (そえじま もう)

エコール辻フランス・イタリア料理カレッジに入学。TOULOUSE Les Jardin de l’Operaにて修行。帰国後、GRAND HYATT TOKYO、BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYOを経て料理研究家パトリスジュリアン師に師事。レシピ開発、料理教室(L’atelier nuage)、フードコーディネーション、RENDEZ-VOUS DES AMIS(鎌倉小町)オーナーシェフとその活動は多岐にわたる