料理家として活躍する副島モウさんに、ハーブやスパイスの個性を楽しむレシピを教えていただく連載第6回。今回は、デザートやドリンクのイメージが強いミントをラム肉に組み合わせた意外なレシピをご紹介します。
料理にもドリンクにも合う万能ハーブ「ミント」
ミントと呼ばれるハーブの中には、定番の「ペパーミント」から、香りから名付けられた「アップルミント」や「チョコレートミント」などさまざまな種類があり、その数3,500種以上と言われています。
共通しているのは爽やかで清涼感のある香り。このスーッとした香りは、主に「ℓ-メントール」という成分によるものですが、最近の研究で内臓脂肪を燃やすBATという細胞を増やす作用があるとしても注目されています。
生命力と繁殖力が強く、育てやすいミント。とても身近なハーブで、デザート・ドリンクの香りづけや飾りに使用されるほか、食用以外では歯磨き粉や洗剤、虫よけスプレーなどに、幅広く活用されています。(ミントの活用法はこちら)
穏やかな香りと強い甘みの「スペアミント」
数あるミントの中でも、スペアミントは清涼感がマイルドで甘みが強いのが特徴。イライラしている時や不安な時に心を鎮め、リフレッシュさせてくれます。また、食べ過ぎや飲み過ぎた時には消化を助けてくれます。
香りが穏やかなため他の素材と合わせやすく、シソのような使い方ができるのも嬉しいポイントです。
ミントと肉は好相性! ラムチョップのミントソースがけ
デザートやドリンクのイメージが強いミントですが、実は肉との相性も抜群。さわやかなミントの香りが肉の臭みやクセを消し、脂もさっぱりと食べられます。
こんがり焼いたラムチョップに、フレッシュグリーンの色合いが美しいミントソースを添えれば、特別な日にぴったりの華やかなディナーの完成です。
- 〔材料〕
- ラム骨つきあばら肉(フレンチラムラック)
............400g
※大型スーパーで手に入ります。 - ニンニク.......................................1片
- 塩.................................................小さじ2/3
- こしょう......................................適量
- オリーブ油..................................大さじ3 ■ミントソース
- スペアミント...................................3枝
- レモン汁..........................................2個分
- 砂糖...............................................大さじ1
- にんにく..........................................1片
〔作り方〕
- ラム肉に塩、こしょう、ニンニク、オリーブ油をすりこみ、ラップをかけて1時間ほど置く。
- 200度に予熱したオーブンで10分焼き、170度に落としてさらに5分加熱。取り出したらアルミホイルで包み、室温で30分置く(余熱で火を通す)。
- <ミントソース>スペアミントの葉をみじん切りにし、にんにく、砂糖、レモン汁と一緒にミキサーに入れてなめらかになるまでよく混ぜる。
- 焼きあがったラム肉を4等分にカットし、3.のミントソースをかける。
◯アドバイス
・ミントはミキサーにかけてから時間が経つと色が変わるので、直前に作ると綺麗です。
・塊ではなくカット済みの切り身のラム肉を使用する場合は、オーブンを使わず、フライパンでソテーします。焼き過ぎると固くなってしまうので、両面に焦げ目がついたら、後はアルミホイルで包んで余熱で火を通しましょう。中は赤いぐらいがおすすめです。
※切り身の場合は、分量通りの塩だと多いため適宜調節してください。
・ミントソースは、牛肉や豚肉のステーキにかけても美味しくいただけます。
この方にお話を伺いました
副島モウ (そえじまもう)

エコール辻フランス・イタリア料理カレッジに入学。TOULOUSE Les Jardin de l’Operaにて修行。帰国後、GRAND HYATT TOKYO、BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYOを経て料理研究家パトリスジュリアン師に師事。レシピ開発、料理教室(L’atelier nuage)、フードコーディネーション、RENDEZ-VOUS DES AMIS(鎌倉小町)オーナーシェフとその活動は多岐にわたる。