キッチンで育てるハーブ(=キッチンハーブ)として人気が高く、ガーデニング初心者でも育てられるローズマリー。鉢に植えてもどんどん茎を伸ばして葉を生やすので、1年を通して葉を収穫したり、観葉植物として育てたりといろいろな使い方ができます。
おすすめの育て方や植え替えの方法、枯れてしまう原因など、ローズマリーを栽培する方法を紹介します。
ローズマリーを室内で育てるなら鉢植えがおすすめ!
ローズマリーはバジルやパセリと並んで、鉢植えでも育てやすいハーブの1つです。収穫をしても次々に茎や葉を生やして生長するため、切りすぎたからといって苗が枯れることがほとんどありません。
初めてローズマリーを育てる方は鉢植え状態の苗がおすすめです。最近ではきれいな鉢に植えた状態で販売されているので、1年を通して購入・栽培できます。茎が上に向かって伸びる「立性(たちせい)」と呼ばれるタイプを選びましょう。
風通しがよく乾燥した状態でたくさんの日光を浴びさせることが、ローズマリーを長く育てるポイントです。購入したローズマリーは、日当たりのよい窓ぎわで管理しましょう。キッチンにおけば、使いたいときに必要なだけさっと収穫できるほか、気の利いたインテリアとしても活躍してくれますよ。
※夏の直射日光は強すぎるので、夏場は少し暗い場所に移動させることをおすすめします。
ローズマリーのお手入れ方法
ローズマリーは基本的に日光と水さえあれば元気に育ちます。水は定期的に与え、元気がなくなったときに追加で肥料を与えましょう。
水やりの頻度と時間帯
鉢の土が乾燥して数日たってから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えてください。水やりの時間は朝方か夕方が基本です。土の乾燥が進むと葉が細くなってくるので、それをサインに水やりをするとよいですよ。
肥料の与え方
ローズマリーは肥料がなくても元気に育ちます。ただし、同じ鉢で数年育てていると土の養分がほとんどなくなってしまいます。土の養分がなくなって茎が萎れてきたら肥料を与えましょう。
液体肥料を使用し、表示通りに薄めたものを水やりの代わりとして10日に1回程度与えるか、表示のさらに2倍に薄めて5日に1回の頻度で与えましょう。植え替えのタイミングで肥料入りの培養土を利用するのでもかまいません。
植え替えの方法
鉢植えでローズマリーを育てる場合、1~2年に1度、植え替えが必要になります。鉢の中では根が生長し続けているので、一定期間ごとに植え替えをしないと新しい根の生長スペースがなくなり「根詰まり」状態になって枯れ始めることがあるためです。
鉢の底を確認して根が出ているか、土から根が見えはじめていたら植え替えのタイミング。夏と冬を避け、4~5月か9〜10月に行うようにしましょう。
- 〔用意するもの〕
- 一回り大きな鉢
- 鉢底ネットと鉢底石
- ハーブ用の培養土
〔How to〕
- 水やりをやめてローズマリーの鉢の土を乾燥させておく。
- 新しい植木鉢の鉢底に鉢底ネットと軽石をしき、土を1/3まで入れる。
- 根を傷つけないようローズマリーを植木鉢から取り出し、黒ずんだ根があれば切りとる。
- 新しい植木鉢にローズマリーを置き、周りにハーブ用の培養土を入れて固定する。
- 水やりをし、土を手で押して固める。
◎ポイント
鉢のサイズを変えたくない場合は、根を1/3〜1/2ほど切って、葉や茎も同じ比率で減らすようにしましょう。
ローズマリーが枯れる5つの原因と対策法
ローズマリーは育て方を間違えると、葉や茎が黄色く変色して枯れはじめます。ローズマリーを育てるときは以下のことに注意するとよいでしょう。
1. 水のあげすぎによる「根腐れ」
「日光によく当てている」「水やりもちゃんとしている」のに葉が枯れはじめたのなら、それは水の与えすぎによる根腐れかもしれません。できるだけ早く植え替えを行いましょう。
ローズマリーの鉢植えは、土が乾いてからさらに数日後に水やりをします。水やりの目安は葉が弱って細くなってから。霧吹きなどは不要です。
2. 植え替えをせずに「根詰まり」を起こした
同じ鉢で長く育てていると、土の中で新しい根の生長スペースがなくなり「根詰まり」状態になって枯れ始めることがあります。根詰まりを解消するには「植え替え」が必要です。上で紹介した手順で植え替えを行いましょう。
植え替えでは「植え替えて新しい土を入れること」と「鉢のサイズに合わせて根や茎、葉を減らすこと」がポイントです。
3. 植え替え時に「根を傷つけた」
植え替えの過程で根を傷つけると、根が吸収する水の量が減り、水が行き渡らない葉は枯れはじめます。植え替え後に葉が枯れはじめたら、少し葉を落とすか茎の数を減らしましょう。
植え替えの後はどうしても根に負担がかかって調子をくずしがち。植え替えと合わせて葉や茎を減らしておくと良いかもしれません。
4. 葉や茎の数が多すぎて「根の吸水が足りない」
ローズマリーをはじめ植物というのは、根と茎や葉のバランスが取れているのが自然な状態です。ただし、生長が進む時期になると根や葉の生長に根の生長が追いつかず、「根が吸い上げる水の量が足りない状態」になって茎や葉が枯れはじめることがあります。
生長が進む春~秋にかけて、特に植え替えをしたわけでもないのに茎や葉が枯れはじめたら、この状態かもしれません。対処法としてまずは、水を蒸発させる「葉」の数を減らしましょう。それでも元気にならない場合は茎の数も減らしてください。
5. 病気や害虫の被害にあった
ローズマリーは病気や害虫に強いハーブです。しかし、まれに「ヨコバイ」という害虫によって葉が黄色く変色することがあります。ヨコバイを見つけたら、以下の3つの対策で退治しましょう。
- 農業用の防虫ネットで覆う。
- 被害が進んでいる場合は、茎や葉っぱを切り取るか苗ごと処分する。
- 黄色の旗や粘着性のあるテープを設置して誘導、捕獲する。
ローズマリーの寄せ植え

寄せ植えとは、複数のハーブを一緒に育てることをいいます。いろいろな種類のハーブを集めて植えると、1種類だけ育てているときとは一味違った雰囲気になりますよ。余裕があれば、ローズマリーの寄せ植えにチャレンジしてみましょう。
寄せ植えをつくるときは、ハーブの好む環境を調べておきましょう。好む土の質や水加減、日当たりがさまざまなので、性質や生育環境が似ているもの同士を一緒に植えると、お互いの生長を助け合いながら仲良く育ってくれます。
寄せ植えのポイント
ローズマリーの寄せ植えのポイントは、3〜4月か9〜10月頃に行うこと、収穫の時期が近いハーブを選ぶことです。特に相性がいいハーブは、高温多湿に弱く水やりの回数が少なくてすむセージ。丈夫で繁殖力が強いため、他のハーブとの寄せ植えには注意が必要ですが、ローズマリーとセージの組み合わせであれば仲良く共存できます。
ローズマリーは苗が大きければ1カ月ほどで収穫が楽しめるハーブです。栽培が簡単で年間を通して収穫できるうえ、収穫した葉の使い道もさまざま。料理好きな方はアクセントに、そうでない方は観葉植物としてローズマリーの栽培を楽しんでくださいね。
ローズマリーの効果・効能や詳しい使い方については以下で紹介しています。併せてチェックしてみてください。
この記事は、「ハーブのつぼby Yomeishu」と「HORTI (ホルティ)」(運営:GreenSnap株式会社)が共同で制作しています。HORTIは、植物にまつわる困りごとを解決し、もっと手軽に楽しんでもらうためのWEBメディアです。