ハーブやスパイスの香味は、味を引き締めたり、深みや華やかさを加えたりと、いつもの料理を豊かな味わいに変えてくれます。調味料の代わりにしたり、隠し味としてアクセントになったり...使い方を工夫すれば、ハーブそのものを料理の主役にすることも。
そんなハーブ・スパイスの個性を楽しむレシピを、料理人でフードコーディネーターの副島モウさんに、全8回に渡って教えていただきます。
普段からハーブやスパイスを料理に使っている人も、目からウロコのマリアージュレシピが登場です。ご一緒にハーブの香りや美味しさを楽しみましょう。
第1回は、子どもも大人も大好きなプリンにハーブを加えた、「クリーミーバジルプリン」のレシピをご紹介します。
クリーミーバジルプリン
バジルはパスタやピザ、サラダなど塩味の効いた食事との組み合わせが一般的ですが、実は乳脂肪分の多いクリームとの相性もとても良いです。デザートと合わせても美味しくいただけます。
家庭でお馴染のホームメイドプリンも、バジルの風味が加わると、芳醇で華やかな味わいに。生クリームを多めに使い、クリーミーにするのがおすすめです。
- 〔材料〕18cmの型1個分
- 卵............................................... 4個
- グラニュー糖............................. 60g ■A
- 生クリーム................................. 200ml
- 牛乳............................................ 300ml
- バジル.........................................1枝 ■B(カラメルソース)
- 砂糖............................................ 70g
- 水............................................... 大さじ3
〔作り方〕
- ボウルに卵、グラニュー糖を加えて白っぽくなるまでよく混ぜる。
- 鍋にAを入れ、沸騰直前まで熱し、粗熱が冷めるまで水を張ったボウルで冷ます。さめたら、漉し器で漉し表面の細かな泡をとる。
- 鍋にBを加えてカラメルソースを作る。中火で加熱して色がついてきたら火を止める。
- 型に3. を入れ、2. の生地をゆっくりと流す。
- 天板に湯をはり、150℃のオーブンでゆっくり固まるまで、約30分焼く。焼き上がったら冷蔵庫でよく冷やす(時間外)。
○アドバイス
面倒でも生地を漉すことで口当たりがなめらかにかわります!
バジルの味や香り、効能は?
ジェノベーゼやマルゲリータなど、イタリア料理でお馴染のバジル。シソ科の一年草で、種類はなんと150種類以上あると言われています。中でも料理に多く使われているのはスイートバジルと呼ばれる種類。古くからヨーロッパで使われていて、名前はギリシャ語の「王様」に由来するといわれています。
甘い香りとほのかな苦味
バジルの効能
バジルの香り成分、リナロールには鎮静作用があり、イライラや不安、不眠の改善、集中力アップなどに役立ちますます。
また、消化を促進し、胃腸の不調に働きかける効果も。胃炎や胃酸過多、胃痙攣などの症状を緩和する働きが期待できます。
バジルの使い方の基本
爽やかな甘い香りとかすかな苦みがあり、強い刺激がないため、青じそと同じような感覚で使えます。サラダやマリネに使ったり、トマト系のスープやパスタ料理などに合わせるのがおすすめ。温かい料理に加える際は、風味が損なわれないよう、仕上げの段階で加えましょう。
また、種類によっては、アジア料理にも広く使われています。フォーの中に入れたり、炒め物にいれても美味しいです。
低温の風に当たると、黒く変色するので、冷蔵庫の風の当たらないところで保存しましょう。
仕事や勉強のお供に
バジルティー
バジルを使ったハーブティーもおすすめ。生バジルなら3枝分を用意します。茎ごと手でちぎってティーポットに入れたら、お湯を注いで3分程蒸らして出来上がりです。ドライハーブであれば小さじ1杯をお湯に入れ、5分蒸らします。爽やかな甘い香りで、集中力アップに役立ちます。マテ茶やローズマリーとのブレンドもおすすめです。
この方にお話を伺いました
副島モウ (そえじま もう)

エコール辻フランス・イタリア料理カレッジに入学。TOULOUSE Les Jardin de l’Operaにて修行。帰国後、GRAND HYATT TOKYO、BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYOを経て料理研究家パトリスジュリアン師に師事。レシピ開発、料理教室(L’atelier nuage)、フードコーディネーション、RENDEZ-VOUS DES AMIS(鎌倉小町)オーナーシェフとその活動は多岐にわたる。