冷え性(冷え症)を改善するには、毎日の食事においても「体を温めること」を意識することが大切。ここでは冷え性対策におすすめの食べ物や栄養素を解説します。
- 〔目次〕
- 冷え性(冷え症)は偏った食生活が原因?
- 冷え性(冷え症)改善! 体を温める食べ物&冷やす食べ物
- 冷え性(冷え症)対策によい体を温める食べ物の見分け方
- 冷え性(冷え症)対策におすすめの栄養素4選
冷え性(冷え症)は偏った食生活が原因?
以下のような食べ方は冷えの原因になるので注意しましょう。
栄養バランスが偏っている
手早く食べられる麺類やコンビニのおにぎりだけで食事を済ませたり、清涼飲料水や甘いお菓子を毎日とってしまったりすることはありませんか? 必要なビタミンやミネラルが不足すると、栄養の吸収がうまくいかず、熱をつくりだせなくなります。規則正しい食事習慣を心がけましょう。
また、腸での消化が不要な糖分をとり過ぎていると、腸の筋肉は弱くなり、機能が低下します。体の中心にある腸は、全身の熱を生み出す役割も担っている器官。その機能が低下すると血流が悪くなり、内臓から冷えを招くことにつながります。
暴飲暴食
食べ過ぎると消化・吸収を活発にするために、胃腸に血流が集中します。その分、全身に血液が行き届かなくなり、冷えが生じてしまうことに。食事は腹八分目で、なるべく規則正しくとるようにしましょう。また、筋肉を使って体を温める意味でも、よくかんで食べることが大切です。
冷たいものをよくとる
冷たい飲食物は胃腸の負担が大きく、体を冷やしてしまいがちです。夏は特に冷たいものばかりをとりがちですが、なるべく常温以上を心がけましょう。どうしても冷たいものをとりたいときは、その前後に温かいものを飲むのがおすすめです。
冷え性の原因や症状については、下記の記事でより詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
冷え性(冷え症)改善! 体を温める食べ物&冷やす食べ物
東洋医学の食養生では、体を温める食べ物を「陽性」、冷やす食べ物を「陰性」の食材としています。冷え性を改善するためには陽性の食材を積極的にとりましょう。
もちろん陰性のものを食べてはいけない、というわけではなく、白菜(陰性)は唐辛子(陽性)を大量に使うキムチで食べればOKです。陰性の食材には陽性のものを組み合わせるなど、食べ方や調理法を工夫するといいでしょう。
陽性:体を温める食べ物
- 穀物・豆類:玄米、もち米、黒豆、小豆、銀杏、栗、くるみなど
- 肉:鶏肉、牛肉、羊肉、豚レバーなど
- 魚介類:アジ、イワシ、カツオ、サンマ、鮭、エビ、イカ、あなご、うなぎ、明太子など
- 野菜:ねぎ、にんじん、かぼちゃ、かぶ、ピーマン、玉ねぎ、にら、にんにく、しょうが、みょうが、紫蘇など
- 果物:みかん、りんご、桃、オレンジ、ライチ、さくらんぼ、あんず、ドライフルーツなど
- 調味料:味噌、醤油、塩など
- 香辛料:こしょう、唐辛子、わさび、山椒、クローブ、シナモンなど
陰性:体を冷やす食べ物
- 穀物・豆類:小麦、大麦、そば、枝豆、豆腐、緑豆、こんにゃくなど
- 肉:馬肉、鴨肉、動物性脂肪など
- 魚介類:牡蠣、あさり、しじみ、はまぐり、カニ、タコ、わかめ、ひじき、のりなど
- 野菜:きゅうり、トマト、白菜、なす、ゴーヤ、ほうれん草、チンゲン菜、セロリ、かいわれ大根、冬瓜など
- 果物:いちご、バナナ、スイカ、柿、梨、メロン、キウイ、マンゴーなど
- 調味料:酢、白砂糖、ごま油、菜種油、オイスターソースなど
飲み物にも体を温めるもの、冷やすものがあります。「温かい飲み物だから冷やす心配がない」というわけでもないので、こちらもチェックしてみてください。
冷え性(冷え症)対策によい体を温める食べ物の見分け方
色、産地、育ち方などで「陰」と「陽」を知る
陰性と陽性の食べ物の見分け方は意外と簡単です。主に以下の4つのポイントをチェックしましょう。
- 〔陽性の食材の特徴〕
- 産地:寒い地域で採れるもの
- 旬:冬が旬の野菜
- 色:赤や黒など色が濃いもの
- 育ち方:土中にまっすぐ育つもの
赤や黒など色が濃い食べ物といえば、肉や赤身の魚、人参、ごぼうなどの根菜類、味噌などがあげられます。根菜類は寒い時期に旬を迎え栄養素も増えるので、冬には積極的にとりたい食材です。
- 〔陰性の食材の特徴〕
- 産地:暑い地域で採れるもの
- 旬:夏が旬の野菜
- 色:白や黄色など色が薄いもの
- 育ち方:土より上に育つもの
白や黄色の食材には白米や砂糖なども含まれますが、色が濃い玄米や黒糖、てんさい糖、蜂蜜などは陽性の食材です。白米だけで食べるのではなく玄米を混ぜたり、砂糖も精製された白砂糖ではなく、てんさい糖や蜂蜜に置き換えたりするとよいでしょう。生野菜も体を冷やしやすいので加熱調理するなど工夫すると◎。
「旬」を意識する
「身土不二(しんどふじ)」という言葉があります。「人間の体と人間が暮らす土地は切り離せない関係にある」という意味で、その土地でとれた旬の食材を食べることが、体にとって一番よいというものです。
例えば、バナナやトマトなど、暑い地域で育った物や暑い時期に旬を迎えるものは、体の熱を冷ます働きがあります。逆に、寒い地域で育つものやその時期に旬を迎える食べ物は、体を温めます。1年中同じ食材が手に入る時代だからこそ、旬の物を選ぶ目が必要です。
冷え性(冷え症)対策におすすめの栄養素4選
冷え性の原因は、主に血行不良や熱を生み出す筋力が低下していることが挙げられます。次の栄養素を積極的にとって冷え性改善に働きかけましょう。
たんぱく質
筋肉などのもとになる重要な栄養素です。筋肉量を維持し、熱生産量を減らさないために、食事ではたんぱく質を必ずとるようにしましょう。一度にたくさん食べられないときや食欲がない場合は、おやつにゆで卵やチーズを食べるのもおすすめです。
- 〔たんぱく質が多く含まれる食べ物〕
- 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品 など
ビタミンB
ビタミンBは糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変えるのに必要です。また、手足の細い血管まで広げ、血行をよくする働きがあります。ストレスに対しても効果があり、赤血球を増やす役割を持っています。
- 〔ビタミンB群が多く含まれる食べ物〕
- 主に豚肉、卵、玄米、そば、大豆、ほうれん草、レバー、イワシ など
ビタミンC
血液の主な材料となる鉄分の吸収を促進し、毛細血管の機能を保持する働きがあります。
ビタミンCはストレスやたばこ、お酒を飲んだりすると多く消費されるため、冷え性の人は特に多くとるようにしましょう。
- 〔ビタミンCが多く含まれる食べ物〕
- 柑橘類やいちごなどの果物、ブロッコリー、ピーマンなどの緑黄色野菜、芋類 など
ビタミンE
血行をよくして体内のホルモン分泌を調整してくれます。冷え性だけでなく、肩こりや更年期障害、成人病の予防にも効果があります。
- 〔ビタミンEが多く含まれる食べ物〕
- かぼちゃやほうれん草などの緑黄色野菜、うなぎ、ナッツ類、玄米、あまに油 など
食事により血行がスムーズになると、冷えだけでなくさまざまな不調も改善されていきます。健康習慣の一つとして「温める食生活」を意識していきたいですね。