古代ギリシャから栽培が始まり、世界中に広まったミント。生命力旺盛な植物で、数多の品種が存在します。ミントの種類と違い、それぞれの香りや効果・効能、特徴などを解説。料理だけにとどまらない、さまざまな活用法についてもご紹介します。
ミントとは?

ミントはシソ科ハッカ属の植物の総称で、爽快で清涼感のある香りが特徴のハーブです。非常に繁殖力が強く交雑しやすいことから、ペパーミントやスペアミントなど100種類以上の品種があります。
ミントの茎は四角く、十字に対生する葉を持ちますが、品種によって葉柄(ようへい:葉の一部で、茎や枝につながる柄の部分)や形、鋸歯(きょし:植物の葉にできるノコギリ状の切れ込み)や毛の有無などの違いがあります。7~10月に花を咲かせ、全草に精油成分が含まれます。
古代から薬や香料として用いられており、古代ギリシャではミントで儀式に用いる冠をつくっていました。解熱、殺菌、健胃、鎮痛作用などがあり、食品や日用品に幅広く活用されています。
ミントの種類一覧と、それぞれの効果・効能、使い方を解説!
ミントにはペパーミント、スペアミント、和種ハッカなどの種類があります。花や葉などの見た目はもちろん、香りや味も種類ごとに異なります。種類や好みに合わせて使い分けてみましょう。
また下記記事でも、ミントの一般的な効果・効能について詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
ペパーミント

スペアミントと並び、西洋種の代表的な品種です。ウォーターミントとスペアミントの交配種で、和種ハッカよりもl-メントールが少なく、香りや味はマイルド。
ガムやスイーツ、歯磨き粉でもおなじみで、クールな清涼感は眠気覚ましやリフレッシュ効果があります。吐き気を抑える効果もあるので、乗り物酔いや二日酔いをしたときにもおすすめです。
- 〔ペパーミント〕
- 効果・効能:リフレッシュ、鎮静、消化促進、鎮吐など
- 味や香りの特徴:「スーッ」「ピリッ」とくる爽快感、ほのかな甘み
- 活用法:日用品、料理、ドリンクなど
スペアミント

「l-カルボン」を主成分としていて、ペパーミントよりもさらに香りが穏やかで甘みがあります。料理によく使われることから「ラムミント」「ピーミント」とも。ハーブティーやモヒートなどの飲み物にも適しており、チューインガムの香料としても利用されています。
スペアミントはペパーミントと同様、鎮静作用に優れているのでイライラや不安を感じるときにお茶にして飲むと良いリフレッシュに。また消化を助ける作用があるので、油っこい食事にスペアミントティーを合わせるのもおすすめです。
- 〔スペアミント〕
- 効果・効能:リフレッシュ、鎮静、消化促進など
- 味や香りの特徴:穏やかな清涼感、甘み
- 活用法:料理、ドリンクなど
下記の記事では、料理家として活躍する副島モウさんによる、スペアミントの活用レシピをご紹介。こちらもぜひ参考にしてください。
和種ハッカ

北海道で多く栽培されている日本原産の品種で、鎮痛や抗炎症、消化器の活性化といった働きがあり、解熱、発汗、健胃作用がある漢方薬に配合されています。
和種ハッカはミント類の中でもメントールの含有量が多く、強い清涼感と香りを持ちます。クールミントという別名のとおり、メントール入りの外用薬を皮膚に塗ると冷たく感じます。
日本では、奈良時代から香料や薬として用いられていました。江戸時代より栽培が広がり、特に北海道北見は代表的な産地に。
和種ハッカは「ハッカ脳」と呼ばれるl-メントールの結晶の原料にも使われています。戦前のピーク時、日本でのハッカ脳の生産量は世界市場の7割を占めるまでになりました。また、大規模栽培向きの「ほうよう」やハッカ油の収量が多い「ほくと」などさまざまな品種がつくられています。
「ハッカ油」は薬局で手軽に購入可能。手頃で保存もきくので便利です。「食品添加物」と表示されていれば、マウスウォッシュやうがい薬にも使えます(※)。
※ 香りや刺激が強いので少量ずつ使いましょう。200mlに対してハッカ油1滴が目安。
- 〔和種ハッカ〕
- 効果・効能:解熱、発汗、健胃、リラックスなど
- 味や香りの特徴:甘みが少なく、キリッとした強い清涼感と爽快感
- 活用法:医薬品、日用品など
アップルミント

アップルミントはその名の通り、リンゴのように甘く爽やかな香りを持つのが特徴です。葉の色は明るい緑色で、丸みのある形状。その形から和名で「丸葉薄荷(マルバハッカ)」とも呼ばれます。
ヨーロッパでは古くから料理用ハーブとして親しまれてきました。香りの良さを生かして料理や飲み物に活用するほか、薬草としては鎮痛作用などが研究されています。
- 〔アップルミント〕
- 効果・効能:リフレッシュ
- 味や香りの特徴:甘く爽やかなリンゴのような香り
- 活用法:料理、ドリンクなど
モヒートミント
ラムをベースにしたキューバ生まれのカクテルで、文豪ヘミングウェイが愛飲したことでも知られているモヒート。モヒートミントは、このカクテルに利用されるミントです。
スペアミントとアップルミントの交雑種で、甘くて爽快な香りが特徴です。
モヒートミントという名は通称で、本場キューバでは中南米原産の「イエルバ・ブエナ」と呼ばれます。日本では手に入りづらいため、香りが近いスペアミントが代用されることが多いようです。
カクテルのほか、ハーブティーなどでも楽しめます。
- 〔モヒートミント〕
- 味や香りの特徴:スペアミントのような甘くて爽快な香り
- 活用法:カクテル、ハーブティーなど
基本のモヒートとノンアルコールのモヒートのつくり方、アレンジレシピなどについては、下記記事で詳しくご紹介しています。モヒートを楽しんでみたいという方は、ぜひこちらもご覧ください。
ペニーロイヤルミント
ペニーロイヤルミントは茎が芝生のように地を這うようにして育つミントです。グランドカバーとしても人気で、踏みつけると爽やかな香りが漂います。
学名の「pulegium(プレギウム)」は「ノミの毒」という意味に由来しているといわれています。その名の通り防虫効果にすぐれていて、ヨーロッパでは虫除けに利用されてきました。日本の一部地方でも、カメムシ対策としてペニーロイヤルミントが使われているようです。
- 〔ペニーロイヤルミント〕
- 香りの特徴:苦くツンとくる香り
- 活用法:グランドカバープランツなどとして
※ 毒性があるため、口に入れたり食べたりすることは危険です。ご注意ください。
パイナップルミント

アップルミントの変種で、別名「斑入りアップルミント」とも呼ばれます。白やクリーム色の明るい斑が入った葉模様が美しいことから、インテリアグリーンとしても人気があり、鉢植えにも向いています。
パイナップルとリンゴを混ぜたような甘い香りが特徴です。
- 〔パイナップルミント〕
- 味や香りの特徴:マイルドな清涼感とパイナップルのような甘い香り
- 活用法:料理、ドリンク、観賞用など
ベルガモットミント(オーデコロンミント・オレンジミント)
ベルガモットミントはベルガモットのようなフレッシュな柑橘系の香りとラベンダーのようなフローラルな香りが楽しめるミントで、「オーデコロンミント」とも呼ばれます。オレンジの香りにも似ていることから「オレンジミント」とも呼ばれます。
藤色の美しい花を咲かせることから、観賞用としても人気。ドライフラワーやリースの素材などに活用されます。
葉には酢酸リナリルというリラックス成分を多く含み、手でこすると爽やかな香りが漂います。
- 〔ベルガモットミント(オーデコロンミント・オレンジミント)〕
- 効果・効能:リラックス
- 味や香りの特徴:甘くてフレッシュな柑橘系の香り
- 活用法:料理、ドリンクなど
<番外編>キャットミント

「ミント」という名前がついていますが、シソ科イヌハッカ属で、ハッカ属ではありません。観賞用を含めいろいろな品種があり、薬効があるものをキャットニップ、その他をキャットミントと呼んで区別することが多いようです。
猫が大好きなハーブでもありますが、和名は犬薄荷(イヌハッカ)。ヨーロッパやアジアに自生する耐寒性の高い多年草で、5~9月に白や青紫色の小花を咲かせます。
- 〔キャットミント〕
- 特徴:猫が好む成分「ネペタラクトン」を含む
- 味や香りの特徴:甘く爽やかな香り
- 活用法:観賞用(通常、食用ではありませんのでご注意ください。)
下記記事では、水戸 養命酒薬用ハーブ園のスタッフ猫「ミーちゃん」とキャットミントについてのエピソードをご紹介。こちらもあわせてご覧ください。
ミントに関するQ&A
Q. ミントの花が咲いたらどうしたらいいですか? また、活用法はありますか?

ペパーミントの花
A. 寄せ植えやドライフラワーなどのインテリアに
ミントは夏~秋にかけて次々に花を咲かせ、葉の収穫期は3〜10月です。葉をドライにして保存する場合は、一番香りの強い開花し始めに収穫するとよいでしょう。
花の付き方は穂状や輪生などさまざまなタイプがあり、寄せ植えやドライフラワーとして楽しむこともできます。花言葉は「美徳」「効能」。種類によって色や形が異なっています。
- 〔代表的なミントの花〕
- ペパーミント ...... メントールによるキリッとした爽快感のある香り。白や淡いピンク、紫色の小さな花を穂状につけます。
- アップルミント ...... リンゴのような芳香のミント。白色の花を咲かせます。優しい香りで葉は料理に適しています。
- パイナップルミント ...... アップルミントの斑入り種。パイナップルのような香りがあります。葉縁の斑が美しく寄せ植えなどにも用いられます。
- ペニーロイヤルミント ...... 茎が地を這うようにして育ち、グランドカバーとしても人気。薄紫の輪状の小花をつけます。
- オーデコロンミント ...... 全草に柑橘系の香りがします。花の色が濃く、ドライフラワーやリースの素材などに活用されます。
Q. ミントとハッカの違いは何ですか?
A. ハッカはミントの和名であり、狭い意味では「和種ハッカ」
ハッカは「薄荷」と書き、ミントの和名(日本での呼び名)。ミントと同じくシソ科ハッカ属の植物の総称ですが、狭い意味では「和種ハッカ」を指します。和種ハッカはほかのミントよりもメントールが多く含まれているので、「ハッカ」が冠されるアイテムは清涼感が強く感じられるものが多いかもしれません。
Q. スペアミントとペパーミントの違いは何ですか?
A. 原産地や葉の形状、香りの主成分などが異なります
どちらもシソ科の植物ですが、スペアミントはヨーロッパが原産地。香りの主成分はl-カルボンで、ペパーミントと比べて清涼感の中に甘みのあるやわらかい香りです。
デザートの飾りづけや料理のほか、ハーブティーなどのドリンクにもよく用いられます。ラム酒にミントを入れたカクテル「モヒート」には、スペアミントやこれに近い品種がよく利用されます。
ペパーミントは地中海沿岸が原産で、葉がスペアミントより尖っているのが特徴です。香りのもとになっているのは、「l-メントール」で、キリッとした爽快感があります。
料理やデザートの飾りに使われるほかに、ガムや歯磨き粉などにも広く用いられています。




















