杏仁豆腐の上にちょこんと載っている赤い果実、クコの実。中国では古くから「不老長寿の薬」とされ、世界三大美女のひとり、楊貴妃も毎日食べていたとも言われています。欧米でも「ゴジベリー」の名で、スーパーフードとして親しまれています。
そんなクコの実の効果・効能と、おすすめの食べ方をご紹介します。
クコの実(ゴジベリー)の効果・効能
世界三大美女のひとり、楊貴妃が毎日食べていたと言われている美容フード、クコの実(ゴジベリー)。実を乾燥させたものは「枸杞子(クコシ)」と呼ばれますが、日本ではクコという名称のほうが、親しみがあるかもしれません。
クコの実にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ニコチン酸(ビタミン3)や、カロテノイドの一種ゼアキサンチン、アミノ酸の一種ベタイン、さらにポリフェノールなど、非常に豊富な栄養が含まれています。
ベタインには抗脂肪肝※作用があり、枸杞子の水抽出物には血圧降下作用が認められているので、肝硬変や高血圧などの生活習慣病の予防効果も期待できます。
葉や根も薬効が注目されており、クコの根皮を乾燥したものは「地骨皮(ジコッピ)」と呼ばれ、解熱、強壮薬に利用されています。クコの葉を乾燥したものは「枸杞葉(クコヨウ)」と呼ばれ、民間薬の強壮薬として茶剤に用いられています。
クコの実のおすすめの食べ方
そのままつまんでも、ヨーグルトやお鍋に入れても楽しめるクコの実。アイディア次第でその楽しみ方はさまざまです。
クコの実を使ったデザート
デザートでは、杏仁豆腐にのっていることが多いクコの実ですが、寒天と共にいただくのもおすすめです。
パンケーキの生地に、ドライフルーツと同じような扱いで混ぜて焼くという人も。ドライフルーツと混ぜたものをガラス瓶に入れておき、つまんだり、いざというときの非常食にしたりしても◎。
ナッツやかぼちゃの種などとブレンドして、山登りなどに携帯食として持って行くのも良いですね。
クコの実の薬膳鍋
ほんのりとした甘酸っぱさがあるクコの実は、まずは鶏の水炊きなどに入れてみるのがおすすめ。
味に慣れたら五香粉や八角、老酒、花淑油などを入れた本格的な薬膳火鍋にチャレンジしてみましょう。冬は松の実やナツメも一緒に入れると、体の滋養にもよく、食べているそばから、血の巡りがよくなるような気分になります。
クコ酒
真っ赤なクコの実を使って色鮮やかなお酒をつくってみませんか。乾燥したクコの実と氷砂糖、ホワイトリカーを容器に入れて2カ月ほど待ちましょう。
おすすめは、日本酒でつくるクコ酒。ほんのり赤色に染まり、まろやかな果実味があります。薬膳では体を温める素材とされているので、冷え症の体質改善を期待して毎日少しずつ取り入れたいですね。
当社のハーブのお酒にもクコの実を使っています。
クコの実こぼれ話
台湾で観光スポットとしても人気の問屋街、迪化街(ディーホアジエ)に行くと、ずらりと生薬やドライフルーツが並んでいます。クコの実は、そのなかで人気のお土産のひとつ。一日10粒以内くらいを目安に食べるといいのだそうです。
栽培すると、11月にはつやつやとした赤い実が収穫できるので、乾燥保存すれば一年中食べられるようになりますね。
夏目漱石の小説『草枕』の一節には、「家の南面に枸杞(くこ)の生け垣を植えると、病人が出ない」というくだりが見られます。昔から人々に親しまれてきたクコの実。さまざまな健康効果も期待できるうえ、赤い小さな実が料理にも美しく映えるので、ぜひ活用してみて下さい。
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この方にお話を伺いました
養命酒製造株式会社商品開発センター 丸山徹也 (まるやまてつや)
1958年長野県生まれ。1981年静岡薬科大学薬学部卒業後、養命酒製造株式会社入社。中央研究所研究部長、商品開発センター長を歴任。薬剤師。