生理中の運動はいつ頃、どんなレベルから始めるとよいのでしょう? 体を動かすときの注意点や不調改善につながるおすすめの運動、同時に行いたいむくみケアについてまとめました。
生理中に運動しても大丈夫?
生理中のコンディションには個人差があり、そのときの体調にもよりますが、生理中はずっと出血がひどく、つらい状態が続くというわけではありません。生理初日から3日目くらいまでのつらい時期を脱したら、体が軽くなりアクティブに動ける生理後に向けて、徐々に体を動かしていくとよいでしょう。ただし、いきなり激しい運動など無理をするのはおすすめしません。
生理中の運動には股関節を動かすのがおすすめ!
生理中は子宮を収縮させる役割を担うプロスタグランジンにより血流が滞り、巡りが悪くなります。そのため、特にお腹や腰のあたりに冷えやだるさが生じます。無理のない範囲で、ストレッチやヨガなどで股関節を動かすようにすると、血行がよくなり、症状を和らげるのに有効です。
骨盤周辺の血流をうながすのに効果的なヨガのポーズについては、以下の記事で紹介しています。併せてチェックしてみてください。
体重を戻しやすくするにはむくみケアも大切
生理が定期的にやってきている場合、体重は生理前の1週間くらい前から増え始め、一番重くなるのは生理の直前であり、一番軽くなるのは生理の直後です。その差は約2kgともいわれ、気にせずにはいられない体重増加といえます。
ただ体重が増える大きな原因は、女性ホルモンの働きによって体が水分をため込み、むくみやすくなっているため。通常時と生理前の体を比較したところ、筋肉や脂肪の量は変わらず、水分が増えていたという調査結果もあります。水分代謝を促すようにすればむくみは解消され、元の体重に戻りやすくなります。体重の増減ばかりにとらわれず、下記のことを意識して過ごすとよいでしょう。
- 〔生理中のむくみケア〕
- 体を動かして汗をかく。
- むくみの緩和に役立つカリウムが豊富に含まれる食品を意識的にとる。カリウムが豊富な食品は、きゅうり、キウイ、すいか、切干大根、ほうれんそう、にんじん、バナナ、いも類、海藻類など。
- むくみの原因となる塩分をとり過ぎないようにする。
このほか、水分代謝を促すツボ押しを試してみても。以下の記事では、部位別に効果的なツボを紹介しています。併せてチェックしてみてください。
生理前に太ってしまうのが気になるという方は、下記記事も参考にしてください。太る原因と対策を詳しく解説しています。
この方にお話を伺いました
イーク表参道副院長 産婦人科専門医 医学博士 婦人科スポーツドクター 高尾 美穂 (たかお みほ)

東京慈恵医科大学附属病院産婦人科などを経て、現職。働く女性の産業医、スポーツドクター、ヨガインストラクターとしても活動している。