みかんの皮と生姜を干すと、それぞれ嬉しい効果が。風邪症状や冷え対策に役立つと知った漫画家のかるめさんが、実際にやってみて、作り方や使い方をレポートします。
みかんの皮を乾燥させて「陳皮」を作ろう!
冬の楽しみといえばコタツでみかん!
この時期はみかんが美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまう。そこで余るのがたくさんのみかんの皮!
捨てるのはもったいない......。何かに活用できないか調べてみると、みかんの皮を乾燥させるといろいろな効果があることを知った。
体によい効果がたくさんあったなんて! 今まで捨てていたことを後悔した。
- 〔みかんの皮の効果とは?〕
- 熟した温州みかんの皮を乾燥させたものは生薬「陳皮(ちんぴ)」として重宝されてきました。「陳」とは古いという意味で、10~15年経過した古い「古皮(こひ)」ほど薬効があるとされています。
爽やかな香りも特徴で、カレーや鍋の隠し味にするほか餃子の具材にプラスするのもおすすめ!
みかんの皮と生姜を干してみた
乾いたみかんの皮がなぜかソファの下から出てきたことはあったが、ちゃんと干すのは今回が初めて。
また、鍋やスープなど冬の料理にかかせない食材といえば生姜!
生姜を乾燥させると、生の生姜に多く含まれるジンゲロールという成分の一部が、血管を拡張して血流を促進するショウガオールに変化する。
生姜を乾燥させて作る生薬「生姜(ショウキョウ)」は、お腹を中心に五臓を温めて発汗させる代表的な生薬。乾燥生姜も陳皮もすごい! これは干さずにはいられない......。さっそく実践してみることに!
やり方はとっても簡単。薄く切った生姜とみかんの皮を、室内の日が当たる場所に置くだけ。
ワックスや農薬が気になる場合は、よく湯通ししてから干すとよい。
気軽に始められるのはズボラな私にとってすごくありがたい。
乾燥1日目
両方ともまだまだみずみずしい状態。これがどう変化していくのか......!
乾燥3日目
やや固くなってきた。生姜の色が薄くくすんでくる。
乾燥7日目
生姜がすごく小さくなっている! 生の生姜にいかに水分が多いかが分かる。
干しているとだんだんと愛着が湧いてくる。形や色の変化を毎日眺めるのが楽しい。植物はスクスク成長する楽しみがあるが、食材がどんどん干からびるのが楽しみという不思議な感覚。
注意してほしいことは足で蹴らないこと。窓際の床に置いていたので私は何度かやりました。
乾燥したみかんの皮と生姜の使い方
お茶にすると風邪予防に◎
まず干した材料をそれぞれミキサーで粉砕する。パリパリではあるが意外と固いため、ミキサーやミルを使って砕くのがおすすめ。みかんの皮は粉末にすると、より一層香りがふわ〜っとただよってくる! これだけでリラックスできそう。
そして陳皮の粉末を100円ショップで購入したお茶パックに入れる。
これを、熱湯を注いだコップに入れ数分蒸らせば「陳皮茶」の完成!
みかんのいい香りが広がりホッとする。渋みやエグ味は感じられず、ほんのり甘く感じる!
お好みでハチミツを追加すると甘味とコクがプラスされて飲みやすい。
次は生姜紅茶! 乾燥生姜を入れたパックとティーパックをコップに入れ、熱湯を注ぐ。数分蒸らせば生姜紅茶の出来上がり!
生姜のスパイシーさがプラスされて美味しい!
牛乳を入れると自然な甘さが加わってより美味しくなる。寝る前などにおすすめ。
生姜を加熱すると、生の生姜に多く含まれる辛味成分ジンゲロールがショウガオールに変化し体を温める効果がアップ! 飲むと体の内側からぽかぽか温まる。
加熱によってジンゲロールは温め効果のあるジンゲロンにも変化。ジンゲロンには殺菌作用もある。
- 〔生姜の効果とは?〕
- 生姜は漢方に欠かせない生薬でもあり、たとえば風邪のひき始めにのむ葛根湯や桂枝湯をはじめ、多くの漢方薬に含まれています。加熱の有無や乾燥させることにより、効果は異なります。
香りにも癒やされる「みかん風呂」
陳皮は入浴剤として使うのもおすすめ! 適当な大きさに砕いた皮を、水切りネットやガーゼに入れる。
柑橘系の爽やかないい香りに、日頃の疲れが癒される、天然の入浴剤。湯上がりも体がぽかぽかしていた。1日の終わりのリラックスタイムに打ってつけ!
使いきれず保管する際には、湿気を吸いやすいため、蓋付きの密閉容器に防湿材と一緒に保存しよう。
かるめ感想
初めての乾燥生姜と陳皮作り。思ったより簡単に作れて驚いた! 入浴剤やお茶のほか、スパイスとして料理にも活用できる。もっと早く知りたかった......これからは毎年たくさん干したい。
冬は乾燥していて風邪を引きやすいが、食材を干すのに適した季節でもある。ぜひお試しあれ!
この方にお話を伺いました
漫画家、イラストレーター かるめ

食べることや料理がなにより好きな健康オタク。SNSやブログで日常漫画やオリジナルキャラクターの4コマ漫画を日々投稿している。『今日も飯がうまい!~食べる幸せあるある~』(KADOKAWA)