月桂樹(ゲッケイジュ)、ローレル、ベイリーフなど、さまざまな呼称で呼ばれているローリエ。ローリエはフランス語読み、ローレルは英語読みから来ているそうです。
若葉を陰干しにしたものは、ポトフやシチューなどの味を引き立てるのに欠かせません。ヨーロッパの家庭では塩コショウやオリーブオイルと並ぶ、定番の調味料として使用されています。
ローリエの効果・効能
健胃や消化促進、食欲増進、防腐作用が期待できるため料理によく使用されています。その香りのよさから芳香健胃薬的な働きもあるといわれます。
さらにローリエには、炎症を緩和して関節痛や神経痛の痛みを和らげる効果もあるため、お風呂に入れると疲労回復が期待できます。
ローリエの使い方
スモーキーな風味を活かす、料理での使い方
乾燥させた葉は料理に大活躍。煮込み料理はもちろん、スモーキーな風味がテリーヌやパテに合うので香りづけにもおすすめです。ピクルスやマリネに漬け込んでも美味しくいただけます。
※妊娠中の方はご使用をお控えください。
キッチンリースや入浴剤に♪ 料理以外での使い方
乾燥させたローリエは料理以外の活用方法も面白く、フランスの家庭では、トウガラシと一緒に飾りつけてクリスマスリースに使われることも。古くから、ローリエの香りには厄災から身を守る力があると信じられてきたからなのだとか。
庭木としてローリエを育てると、たくさんの葉が集められます。大量に収穫した葉の使いみちに困ったら、細かく刻んでコットンの袋に入れ、入浴剤にするのがおすすめ。疲労回復効果が期待できます。
キッチンリースの作り方
乾燥させた葉を、土台となる木のツルやワイヤーに巻きつけていきます。すでに土台ができあがっている市販の柳リースは、ローリエを隙間なく挿していくだけでよく簡単です。
他にも、葉の形を生かしてほかの植物とともに木のツルなどに絡めて丸くあしらっていく方法や、直接葉に穴をあけてワイヤーを通して結ぶ方法など、様々な作り方があります。
完成したリースは、そのままキッチンに飾れば、料理をするときに葉を折ってすぐに使えるので便利です。
フレッシュなローリエで作れば、グリーンからモスグリーンへの色の変化も楽しめますよ。
栄誉のシンボル「月桂冠」が持つ意外な作用
古代ギリシア時代から、大祭の勝者にはその栄光をたたえて月桂冠が与えられてきました。
このことからローリエの冠は勝利や栄誉の印とされていますが、ほのかに甘い香りのする葉を頭に載せるとさぞかしいい気分だったのではないかと想像します。
この方にお話を伺いました
養命酒製造株式会社 クロモジ推進室フェロー 丸山 徹也 (まるやま てつや)

1958年長野県生まれ。1981年静岡薬科大学薬学部卒業後、養命酒製造株式会社入社。中央研究所研究部長、商品開発センター長を歴任。2020年よりクロモジ推進室フェロー。薬剤師。