二日酔い対策に「味噌汁」が効果的だと聞いたことはありませんか? 味噌の持つ成分や飲酒後におすすめの味噌汁の具材など詳しく解説。体調に合わせた一杯でつらい症状をケアしましょう。
二日酔いに味噌汁が良いとされる理由は?
そもそも二日酔いの原因とは?
二日酔いの原因は、ズバリ「お酒の飲み過ぎ」です。なぜ飲み過ぎるとつらい症状が起こるのか。そのメカニズムは明らかになっていませんが、お酒を飲むことで生じる脱水や低血糖、アルコールの分解で生じるアセトアルデヒドの影響、炎症反応、胃腸障害などが、複合的に作用していると考えられています。
なお、アルコールの処理能力は人によって異なりますが、年齢を重ねると肝機能やお酒の代謝にかかわる「脾(ひ)」「腎(じん)」「肝(かん)」の働きが低下したり、体内の水分量が少なくなったりするため、二日酔いが起こりやすくなります。
味噌汁の成分と二日酔いへの効果
二日酔いのときは味噌汁が良いといわれていますが、それには次のような理由があります。
- 〔二日酔いに味噌汁が良い理由〕
- アルコールの利尿作用によって排出された水分とナトリウムを補うことができる。
- 胃腸を温め、その働きを促す。
- 味噌に含まれるナトリウムが脱水症状を緩和する。
- 肝臓の働きを助けるタンパク質、アルコールを分解する際に使われるビタミンB1が含まれている。
- 体調に合わせたいろいろな具材でつくることができる。
このほか二日酔いの解消に有効な食べ物、飲み物は以下の記事で紹介しています。併せてチェックしてみてください。
二日酔いのときにおすすめの味噌汁の具材を紹介!
ここでは二日酔いにおすすめの具材を紹介します。
しじみやあさりなどの貝類
タンパク質やアミノ酸、タウリン、オルニチンなどを含み、肝臓の機能を高めます。特にしじみはアセトアルデヒドの分解に有効です。
豆腐
味噌と同様にタンパク質やビタミンB1を含みます。柔らかく消化吸収しやすいので疲れた胃腸にも優しいでしょう。
わかめなどの海藻類
飲酒によって不足するミネラルを補います。
かぼちゃ、じゃがいも
胃腸を元気にする野菜です。
インスタント味噌汁で手軽に二日酔いを乗り越えよう
お刺身やお寿司など、冷たいおつまみばかりだと、冷たいお酒と同様に体が冷えてしまい、消化不良などにつながります。温かいメニューもとり入れつつ、消化吸収や水分代謝を高める食べ物をおつまみに選ぶとよいでしょう。味噌汁は飲酒した翌日の朝食でとるイメージですが、その日のうちでも有効です。
酔っぱらっているときや二日酔いでつらいときに味噌汁をつくるのは大変...... という人は、インスタントも活用しましょう。インスタントでも二日酔いに対する効果に違いはありませんし、さまざまな具材のものが販売されているので、体調に合わせて選ぶことが可能です。インスタントの味噌汁がない場合は白湯に味噌を溶かすだけでもよいでしょう。
また、二日酔いにならないための対策を以下記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
この方にお話を伺いました
鍼灸師 国際中医専門員(国際中医師) 田中 友也 (たなか ともや)

兵庫県神戸市にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」で健康相談にのる。関西学院大学法学部卒業後、イスクラ中医薬研修塾にて中医薬を学び、北京中医薬大学などで研修。季節に合った健康法や食養生をつぶやくX(旧Twitter)が人気。日本中医薬研究会会員。著書は『不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 基本の100』(KADOKAWA)など。