口内炎を早く治す・予防するのに効く食べ物や栄養素、口内炎のときに避けたい食べ物を紹介します。食事で注意すべきポイント、口内炎を起こさないためのセルフケアも併せてチェックしてみてください。
口内炎を早く治すときにおすすめの食べ物&栄養素7選
口内炎の種類や原因はさまざまですが、必要な栄養素が不足して起こることがあります。口内炎ができたときは、それらの足りていない栄養素や、粘膜が正常な状態に戻るのをサポートする栄養素を積極的にとるといいでしょう。
食事だけで補うのが難しい場合は、サプリメントを使うのも一案です。ただし、鉄分や亜鉛は過剰に摂取すると健康を害する恐れもあります。サプリメントは品質のよいものを選び、あくまで食事を補うものとして適切に活用しましょう。
1. ビタミンB2
ビタミンB2には皮膚や粘膜の代謝を促し健康を維持する働きがあります。
- 〔ビタミンB2を多く含む食材〕
- レバー、納豆、卵、青魚、キノコ類、アーモンド、海苔など
2. ビタミンB6
免疫機能を維持し口内炎になりにくい環境に整えます。
- 〔ビタミンB6を多く含む食材〕
- レバー、マグロ、ピスタチオ、海苔、ごま、にんにく、ドライバナナ、玄米など
3. ビタミンB12
神経や血液細胞の健康を保ち貧血も防ぎます。
- 〔ビタミンB12を多く含む食材〕
- レバー、サンマ、イワシ、シジミ、アサリ、卵、チーズなど
4. ビタミンC
コラーゲンの生成に関与し粘膜を正常に保ちます。
- 〔ビタミンCを多く含む食材〕
- パプリカ、レモン、キウイ、イチゴなど
5. 葉酸
ビタミンB群の一種。新しい細胞をつくる働きがあります。
- 〔葉酸を多く含む食材〕
- レバー、ブロッコリー、枝豆、ほうれん草、海苔、ごま、きな粉など
6. 鉄分
鉄欠乏性貧血を改善します。鉄分や亜鉛が不足して貧血になると、口内炎が起こりやすくなることがあります。
- 〔鉄分を多く含む食材〕
- レバー、ひじき、アサリ、豆乳、納豆、小松菜など
7. 亜鉛
口内炎予防のためにきちんととりたい成分です。免疫力やタンパク質を合成する力を高めます。
- 〔亜鉛を多く含む食材〕
- 牡蠣、カタクチイワシ、レバー、牛肉、豆腐、納豆、アーモンド、落花生など
口内炎は栄養不足以外にも、ストレス、不規則な生活が引き金となる場合もあります。原因について詳しくは以下の記事をご参照ください。
口内炎のときに控えたほうがよい食べ物や飲み物
辛いもの、酸味の強いもの、味の濃いもの、固いもの
口内炎ができたときは、口腔内の刺激になるものや口を傷つける可能性のあるものには注意が必要です。
ただし、やわらかくしたり水分を多めにしたりすることで食事がとりやすくなる場合もあります。食べられないことがストレスになってしまうようなら、調理の仕方やメニューを工夫してみましょう。
極端に熱いものや冷たいもの、炭酸の飲み物、アルコール類
上記と同様に口の中を傷つけてしまう恐れがあるので注意してください。
甘いもの
甘いものは粘膜の再生を促す「ビタミンB群」を多く消費して治りにくくしてしまうだけでなく、歯周病菌を繁殖させやすいので控えたほうがよいでしょう。
口内炎を引き起こす可能性のある食べ物
口内炎は、チョコレートやコーヒー、ナッツ、チーズなどでも発症の報告があり、人によって過敏になったりアレルギー反応を示したりすることがあります。口内炎ができているときは、なるべく口にしないようにしてください。
生活を見直して口内炎を予防しよう
口内炎は粘膜局所の環境の乱れ、免疫力や抵抗力の低下などが原因で引き起こされます。そのため、規則正しい生活習慣や口腔内の環境を整えることは、口内炎の予防に有効です。
規則正しくストレスをためない生活を
疲れや睡眠不足、ストレスは、免疫力低下の原因に。生活のリズムを整え、十分な睡眠や適度な運動を行い、ストレスを減らす生活を普段から心がけましょう。
栄養バランスを整える
口内炎予防に役立つビタミン類や鉄分、亜鉛などを日頃から摂取すると共に、栄養バランスのよい食生活を意識しましょう。
口内を清潔に保つ
食後や就寝前には歯磨きやうがいを行い、1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。硬い歯ブラシや刺激の強い歯磨き、マウスウォッシュなどは口の中を傷つけする恐れがあるので、力強くブラッシングしたり、過度に使用したりしないようにします。
また、ラウリル硫酸ナトリウムを含む歯磨きやうがい薬は過敏症による口内炎を誘発する可能性があるので、できれば使用を控えたほうがよいでしょう。
虫歯がある、歯並びが悪い、合わない入れ歯があるといった状態では特に注意が必要です。早めに治療を行ったり、定期的なメンテナンスを受けたりしてください。
口内の乾燥を防ぐ
加齢やシェーグレン症候群などで口が乾燥しやすくなることもあります。唾液には口の健康を守る働きがあるため、口腔内は潤った状態にしておきたいものです。
口が乾いたと感じたら飴やガムなどで唾液の分泌を促したり、水分をとったりしましょう。
口内炎の市販薬を使う場合の注意点や受診の目安については、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてチェックしてみてください。
この方にお話を伺いました
ひまわり医院院長 伊藤 大介 (いとう だいすけ)

東京大学医学部医学科卒。日本赤十字医療センター、公立昭和病院、東京大学医学部付属病院、埼玉県立がんセンターなどに勤務した後、2020年より現職。院内コラムは人気を博し、最高で月間1000万PV超。週刊文春の定期コメンテーターも務める。