薬膳の考え方では、食材には薬と同じような効果があり、季節や体調に合った食材をとることで体のバランスが整うとされています。韓国でも、古代の中国医学を基礎にした養生法「韓方(ハンバン)」が生活に溶け込んでいて、料理の基本は「薬食同源」。身近な食材を使用した簡単にできる韓国料理で食養生をしましょう。簡単レシピを紹介します。
- 〔目次〕
- 食欲がないときにも! 10分で「小ねぎとシーフードのチヂミ」
- 疲労回復にぴったり! 餅を入れて「お手軽サムゲタン」
- 免疫機能に作用するカロテン豊富「わかめとツナの炒めナムル」
- 韓国でよく使われる"なし"のおかず「じゃがいもとなしの甘酢和え」
食欲がないときにも! 10分で「小ねぎとシーフードのチヂミ」
- 〔材料〕2人分(1人分383kcal 塩分2.4g)
- シーフードミックス......110g
- 酒......大さじ1強
- ■A
- 小麦粉(振るう)......80g
- 卵......1個
- 水......100ml
- 塩......少々
- 小ねぎ(3cmの長さに切る)......1/2束
- オリーブオイル......大さじ3
- 【つけダレ(材料を混ぜ合わせる)】
- しょうゆ、酢......各大さじ2
- すりごま......小さじ2
- 〔作り方〕
- シーフードミックスに酒を振りなじませておく。
- ボウルにAを入れて混ぜ合わせ、小ねぎと汁気を切った1を加え、よく混ぜ合わせる。
- フライパンを中火で温めてオリーブオイルを入れ、2を流し入れて焼く。
- 周りが焼けてきたら上下を返してさらに焼く。油が足りなければ適宜加え、裏面も焼けたら火を止める。
- 〔アドバイス〕
- 油を加えながら焼くとカリっと仕上がります。最後にごま油を加えると風味豊かに。
- キムチやチーズ、豚肉、干しエビ、余り野菜などを入れても美味しくいただけます。
体を温める作用のあるねぎとシーフードミックスを使用し、フライパン1つで10分でパパっと簡単に作れます。酢じょうゆでさっぱりと召し上がってください。
疲労回復にぴったり! 餅を入れて「お手軽サムゲタン」
- 〔材料〕2人分(1人分309kcal 塩分1.5g)
- 鶏むね肉......大1枚
- 手羽先、手羽元......各2本
- ■A
- 酒......大さじ2
- 塩......少々
- ■B
- 生姜(薄切り)......25g
- にんにく(半分に切り芽を取る)......2片
- ナツメ......2~3個
- 酒......100ml
- 水......600ml
- ■C
- 塩......小さじ1/2
- クコの実(お好みで)......大さじ1
- 餅(薄切り)......5~6枚
- 〔作り方〕
- 鶏肉はキッチンペーパーなどで水気をとり、Aをまぶし20分置く。
- 鍋にBと汁気を切った1を入れ、火にかける。
- 沸騰したらアクを取り、アク取りシートをのせて弱めの中火で1時間煮る。
- Cを加え、餅が軟らかくなったら火を止める。
- 〔アドバイス〕
- スープは冷凍庫で10日間保存可能。たっぷり作ってお粥やそうめん、ラーメンなどに活用するのがおすすめ。
- 鶏むね肉はサラダなどに加えても美味しくいただけます。
疲労回復に有効な鶏肉を、巡りをよくする生姜やにんにくと一緒に煮込んだ滋養スープ。手羽や餅を使って手軽に作ることができます。韓国では夏バテ予防の定番食でもあり、土用鰻のように食べられている一品です。
免疫機能に作用するカロテン豊富「わかめとツナの炒めナムル」
- 〔材料〕4食分(1食分68kcal 塩分0.9g)
- 生わかめ......120g
- ツナ※......1缶(140g)
- オリーブオイル......大さじ1/2
- 長ねぎ(みじん切り)......1/3本分
- 酒......大さじ1
- みそ......大さじ1/2
※ハムやじゃこ、桜エビで代用可
- 〔作り方〕
- わかめは3cmの長さに切り、ツナは汁気を切る。
- フライパンにオリーブオイルと長ねぎを入れて火にかけ、わかめを加えて炒める。
- ツナを加えて炒め合わせ、酒とみそで味をととのえる。
- 〔アドバイス〕
- わかめは炒めると日持ちが長くなります。冷蔵庫で3日間保存可能。
- 崩した木綿豆腐と和える、卵焼きに加える、そばにトッピングするアレンジもおすすめです。
わかめは免疫機能を活性化してくれるカロテンやミネラルが豊富。ねぎとみその風味が食欲をそそります。おつまみにも◎。
韓国でよく使われる"なし"のおかず「じゃがいもとなしの甘酢和え」
- 〔材料〕6食分(1食分38kcal 塩分0.4g)
- じゃがいも......中2個
- なし......中1個
- クコの実......大さじ2
- ■A
- 酢......大さじ3~4
- はちみつ......大さじ1
- 塩......小さじ1/2
- 〔作り方〕
- じゃがいもは千切りにして水にさらし、濁らなくなるまで水を取り替える。
- 1を沸騰した湯で1分ほどゆでてざるに上げ、水に浸してぬめりを取って水気を絞る。
- なしを千切りにする。
- ボウルにAを入れてよく混ぜ、2、3とクコの実を加えて和える。
- 〔アドバイス〕
- 冷蔵庫で3日間保存可能。
- じゃがいもはくっついてしまうので、ゆでる前後ででんぷんをよく抜きましょう。
エネルギーを補うじゃがいもと体を潤すなしに、栄養バランスに優れたクコの実を加えた和え物。酸味が強すぎず、さっぱりといただけます。箸休めにもおすすめ。
この方にお話を伺いました
料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木 もも子 (うえき ももこ)

中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『朝10分で作れる薬膳スープジャー弁当』(家の光協会)、『からだ整う 薬膳サラダごはん』(新星出版社)他著書多数。