冬は体を温めて「気(エネルギー )」「血」の巡りをよくし、免疫力を高めることが大切です。胃腸を温め疲労を回復する作用が期待できる鶏肉、体を温めて巡りをよくするねぎや生姜などをとり入れて、風邪を寄せつけない丈夫な体をつくりましょう。
薬膳の本場・香港では、鶏を丸ごと一羽煮込んだ「丸鶏スープ」が滋養強壮メニューの定番です。不足しがちな気、血、コラーゲンを補い、内臓の老化予防も!
今回は丸鶏を「鶏がらスープの素」と「粉ゼラチン」で代用。手軽でも同じ効果を期待できます。鶏がらスープの素とゼラチンを使った「薬膳鶏コラーゲンスープ」と、それの体調別アレンジレシピをご紹介します。
香港の滋養強壮剤!「薬膳鶏コラーゲンスープ」の基本レシピ
- 〔材料〕
- 鶏がらスープの素.......小さじ1
- 熱湯..........................200ml
- 粉ゼラチン...............2.5g
- 〔作り方〕
- 鶏がらスープの素を熱湯で溶かし、粉ゼラチンを加える。
○アドバイス
このままいただく場合は塩、こしょう、しょうゆで味をととのえます。コラーゲンの吸収をよくするビタミンC(レモンやゆずの果汁など)を加えるのもいいですね。
体調別「薬膳鶏コラーゲンスープ」アレンジ
鶏がらスープの素と粉ゼラチンで手軽に作れる「薬膳鶏コラーゲンスープ」を具だくさんにアレンジ。体調別に食べたいレシピを揃えました。
冷え対策に!エビとブロッコリーのスープ生姜風味
免疫力を高めるブロッコリーと体を温めるエビに生姜をたっぷり加えた、体の中から温まるスープです。寒いときにおすすめ。
- 〔材料〕2人分(1人分80kcal/塩分1.5g)
- エビ..........................10尾
- 酒..............................大さじ1
- ブロッコリー...........100g
- しいたけ..................3個
- 水..............................600ml
- 生姜..........................20g
- 鶏がらスープの素....小さじ2
- 塩・黒こしょう........各少々
- 粉ゼラチン...............5g
- レモン汁...................小さじ2
- 〔作り方〕
- エビの背ワタと殻を取り除く。塩(分量外)を振って揉み、流水で洗い流してから酒を振る。ブロッコリーは一口大に切り、しいたけはスライスする。
- 鍋に水と薄切りにした生姜を入れて火にかけ、20分ほど煮る。
- 2に鶏がらスープの素と1を加え、沸騰したら弱火にして2分ほど煮る。
- 塩、黒こしょう、粉ゼラチンを加えて混ぜる。器に盛り、レモン汁を垂らす。
○アドバイス
ざく切りにしたくるみやシナモン、クローブをプラスすれば、より体が温まります。
疲れた体に!鮭とさつまいもの豆乳スープ
胃腸の働きをよくする鮭とさつまいもをメインに豆乳と味噌で作るスープ。さつまいもに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくく、コラーゲンの吸収を助けます。
消化がよく胃腸をいたわる一品です。
- 〔材料〕2人分(1人分261kcal/塩分2g)
- 鮭..............................1切れ
- さつまいも...............1/2本
- ねぎ..........................1/2本
- まいたけ...................100g
- 水..............................600ml
- 鶏がらスープの素....小さじ2
- 酒..............................大さじ1
- 味噌..........................大さじ1
- 生姜のしぼり汁........小さじ1
- 粉ゼラチン...............5g
- 豆乳..........................200ml
- ■A
- 酒..............................大さじ1強
- 塩..............................少々
- 〔作り方〕
- 鮭は3~4等分にしてAを振る。さつまいもは乱切りにして水にさらし、アクを抜く。ねぎは1/4を小口切り、残りを1cmのぶつ切りにする。まいたけは食べやすい大きさにさく。
- 鍋に水とさつまいもを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にする。
- さつまいもが軟らかくなったら鶏がらスープの素と水気を切った鮭、酒を加える。鮭の色が変わったらねぎ(ぶつ切り)とまいたけを加えて3~4分煮る。
- 味噌を溶き入れて生姜のしぼり汁、粉ゼラチンを加えて混ぜる。豆乳を加え、沸騰直前に火を止める。器に盛り、小口切りのねぎをのせる。
風邪のひき始めに!タラ・にら・里いものカレー風味スープ
免疫力を高めるタラと、胃腸を丈夫にする里いものスープ。にらとスパイスの力で発汗を促し、風邪を追い出しましょう。
- 〔作り方〕2人分(1人分146kcal/塩分1.8g)
- タラ..........................2切れ
- 里いも......................小3個
- 玉ねぎ......................1/3個
- にら..........................1/2束
- エリンギ...................2本
- 水..............................600ml
- 鶏がらスープの素....小さじ2
- カレー粉...................小さじ1~2
- 塩・黒こしょう........各少々
- 粉ゼラチン...............5g
- レモン汁...................小さじ2
- ■A
- 酒..............................大さじ1強
- 塩..............................少々
- 〔作り方〕
- タラは1切れを3~4等分にし、Aを振る。里いもは皮をむき食べやすい大きさに切る。玉ねぎは薄切り、にらは3cmの長さに、エリンギは食べやすい大きさに切る。
- 鍋に水と里いもを入れて火にかける。沸騰したらアクをとり、玉ねぎを加える。
- 里いもが軟らかくなったら鶏がらスー プの素と水気を切ったタラ、エリンギを加えて煮る。
- カレー粉と塩、黒こしょう、にら、粉ゼラチンを加え、ひと混ぜして火を止める。器に盛り、レモン汁を垂らす。
○アドバイス
花椒を加えるとさらに発汗が促されます。
鶏肉を活用した薬膳レシピだとこちらもおすすめ。
もう一品ほしいときは、作り置きが便利です。
この方にお話を伺いました
料理研究家 管理栄養士 国際中医薬膳管理師 植木 もも子 (うえき ももこ)

中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『気になる不調と悩みを改善 薬膳のつくりおき』(家の光協会)他著書多数。