体力をつけるためのトレーニングを紹介!持久力アップで健康生活を
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体力をつけるためのトレーニングを紹介!持久力アップで健康生活を

体力向上に欠かせないのが持久力を高めるトレーニングです。運動が苦手でも無理なく続けられる、シンプルで効果的な方法を紹介します。健康づくりに役立ててみませんか?

〔目次〕
体力・持久力とは
体力をつけるためのトレーニング
運動以外に体力をつける方法は?
体力をつけることのメリットは?

体力・持久力とは

体力・持久力とは

体力とは、私たちが健康に生きていくための源です。文部科学省によると、体力は大きく以下の2つに分けられます。

行動体力:運動や日々の活動を行うための体力

防衛体力:病気やストレスから体を守る抵抗力

持久力とは、このうち「行動体力」を構成する重要な要素の1つです。ある一定の身体的な運動を長く続けられる能力のことを指し、これが高いと疲れにくく、毎日を活動的に過ごすことができます。

そして、持久力には「全身持久力」と「筋持久力」の2種類があり、どちらも健康的な生活を送る上で欠かせない力です。

全身持久力

全身持久力とは、ウォーキングやジョギングのように全身を使う運動を、長時間にわたって維持できる能力のことです。「心肺持久力」や「スタミナ」とも呼ばれ、心臓や肺の機能が中心的な役割を担います。

具体的には以下の一連の流れがスムーズに行われる能力を指します。

肺が効率よく酸素を取り込む
心臓がその酸素を乗せた血液を力強く全身に送り出す
筋肉に張り巡らされた毛細血管が酸素を受け取って活用する

全身持久力を高める運動をすると、毛細血管が発達して血液の量が増加します。それにより、筋肉へ運ばれる酸素量も増え、エネルギーをより効率的に生み出せるようになります。また、細胞の新陳代謝も活発になるため、疲れにくい体へと変わっていくのです。

筋持久力

筋持久力とは、特定の筋肉が、繰り返し力を発揮し続けられる能力のことです。例えば、腕立て伏せを30回連続で行ったり、壁を背にして空気椅子(ウォールシット)の姿勢を数分間保ったりする際に使われるのがこの能力です。

筋持久力が高まると、同じ姿勢を保ったり、同じ動作を繰り返したりしても疲れにくくなります。さらに、体幹(腹筋と背筋)を鍛えることで、正しい姿勢を維持し続けることができ、若々しい姿も期待できると共に、加齢による身体機能の低下を防ぐことにもつながります。

体力をつけるためのトレーニング

「持久力をつける」と聞くとハードなトレーニングを想像するかもしれませんが、特別な運動は必要ありません。大切なのは、日々の生活の中で少しずつ体を動かす習慣をつけることです。全身持久力と筋持久力、それぞれを高めるためのシンプルで実践しやすい方法をご紹介します。

全身持久力を高める有酸素性運動

全身持久力を高める有酸素性運動

全身持久力は、体内にどれだけ多くの酸素を取り込み、エネルギーとして利用できるかによって決まります。この能力を高めるのにもっとも効果的なのが、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳といった「有酸素性運動」です。

これらの運動は、パワーは小さいが持久性が高く、疲労に対する耐性が高い「遅筋」を使い、酸素を体内に取り込みながら長時間続けることができます。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人は「息が弾み、汗をかく程度の運動を週に60分」行うことが推奨されています。

まずは「楽である」と感じる程度の強度で1日合計10分から取り組み、慣れてきたら、「ややきつい」と感じる程度の強度で、1回30分、週3回以上を目安に継続してみましょう。有酸素性運動を続けるコツは、無理をしないこと。体力レベルは人それぞれ違うため、自分にとっての快適な強度を見つけましょう。

階段の上り下りも立派なトレーニング

「運動するぞ」と意気込むと、かえって長続きしないこともあります。大切なのは、日常生活の中に運動を取り入れること。

その代表例が「階段の利用」です。階段を上る動作は、片足で自分の体重を支えながら体を持ち上げるため、全身持久力を高める有酸素運動であると同時に、下半身を鍛える筋力トレーニングにもなります。

「買いものに行くついでに少し遠回りする」「職場のトイレは1階ではなく、3階を使ってみる」といった小さな心がけが、持久力も筋力も高める第一歩です。

厚生労働省でも、運動だけでなく、家事や通勤といった日常的な活動も含めた「身体活動」全体を増やすことを推奨しています。

効率的に鍛えるならインターバルトレーニング

早歩きとゆっくり歩きを交互に行うウォーキングのような、運動の強度に緩急をつけたインターバルトレーニングも、タイムパフォーマンスが良く、心肺機能を徐々に高め、しかもカロリー消費量も高めなのでおすすめです。

筋持久力を高める筋トレ

筋持久力を高めるには、筋肉に繰り返し負荷をかける「筋力トレーニング(筋トレ)」が有効です。筋トレには、自分の体重を負荷として利用する「自重トレーニング」と、ダンベルなどの重りを使う「ウエイトトレーニング」があります。

運動習慣のない人や、手軽に始めたい人には、特別な器具を使わず自分の体重を負荷として行う「自重トレーニング」がおすすめです。特に「スクワット」「腕立て伏せ」「腹筋」運動は、自宅で簡単に行うことができます。以下にそれぞれのコツを紹介します。

スクワット

スクワット

スクワットは、非常に効率の良い筋トレです。お尻や太ももといった下半身の大きな筋肉をまとめて鍛えることができるため、筋力アップはもちろん、基礎代謝の向上にもつながります。

スクワットを行うときは肩幅程度に脚を広げ、つま先は30度くらい開いて立ちましょう。背筋を伸ばしたまま、膝がつま先より前に出ないように腰を下ろすのがコツです。息は止めず、しっかり呼吸をしながら行ってください。

腕立て伏せ

腕立て伏せは、上半身を鍛えます。頭からかかとまでが一直線になるように、腹筋に力をいれて準備をします。腰が反ると腰痛の原因になり、お尻が上がると正しく負荷がかからないので、慣れないうちは膝をついて行いましょう。この場合は、頭から膝までが一直線になるように、膝の下にタオルなどを敷くと、膝が痛くなりません。また、声を出して数を数えると息を止めずに行えます。

腹筋

腹筋がつくと体幹が安定します。腹筋は、膝を曲げて仰向けになった状態から起き上がる「クランチ」だけでなく、脇腹を鍛える「サイドプランク」、仰向けの状態で脚を上げ下げする「レッグレイズ」などがあります。いずれの腹筋も腰が反らないように、腰をしっかり床に押し付けているのを意識しながら行ってください。

また、夜寝る前に布団の上で腹筋運動を数回行うのもおすすめです。一時的に体温が上がることで、その後の体温低下がスムーズな入眠を促し、睡眠の質を高める効果も期待できます。

さらに以下の記事ではインナーマッスルを鍛える自宅トレーニングの方法を詳しく紹介しています。併せてチェックしてみてください。

日常の中で「ついで筋トレ」をする

日常の中で「ついで筋トレ」をする

筋トレも、有酸素運動と同じように「わざわざ行う」のではなく、「何かのついでに行う」ことができれば、継続しやすくなります。

例えば、デスクワーク中にトイレへ行く際、いすから立ち上がる時間を「ついで筋トレ」タイムにしてみましょう。ただ立つのではなく、4秒ほどかけてゆっくりと立ち上がり、また座る。これを10回繰り返してからトイレへ向かう、というルールを設けるのです。

30分ごとにタイマーをかけて、その都度スクワットを10回行うのもよいでしょう。座りっぱなしだと血流が滞りがち。こうした短い運動を挟むだけで血行が促進され、リフレッシュにもなります。

女性におすすめのヨガ・ストレッチ

ヨガやストレッチなどで柔軟性を高めると、関節の可動域が広がり、体がスムーズに動くようになります。体が動かしやすくなると、運動へのハードルが下がり、結果として体力向上につながります。このほか、姿勢の改善や血流促進の効果も期待できます。特に高齢者の場合、まず柔軟性を改善してからほかの運動に移行することをおすすめします。

運動以外に体力をつける方法は?

運動以外に体力をつける方法は?

「体力」は運動能力だけを指すのではありません。「食事」「生活習慣」も体力を維持するためにとても大切です。

食事:体をつくり、活動のエネルギー源となるのは食事からとる栄養素です。栄養が不足していては、体力を維持・向上させることはできません。基本は、多彩な食材を組み合わせた栄養バランスの良い食事を、1日3食、規則正しくとること。食事のリズムを整えることで、体内時計も整い、エネルギーを効率良く使えるようになります。

生活習慣:食事と同様に、日々の生活習慣も体力に大きく影響します。質の高い睡眠、継続的な運動、そして心身をリラックスさせる入浴。3つの要素で体を整えることが、疲れにくい体づくりの基本です。

食事と生活習慣による体力のつけ方のコツは以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

体力をつけることのメリットは?

体力をつけることのメリットは?

体力をつけることは、単に運動ができるようになるだけでなく、心と体に多くの恩恵をもたらします。疲れにくくなることはもちろん、生活習慣病や加齢による体の変化を予防し、日々の生活の質(QOL)を改善させてくれます。

疲れにくくなる

全身持久力が高まると、心肺機能や筋肉のエネルギー効率が向上します。心臓は1回の拍動でより多くの血液を送り出せるようになり、筋肉は速やかに酸素を取り込めるようになります。

有酸素性運動は脂肪をしっかりエネルギーに変えられる強度の運動なので、継続して行うことで、以前と同じ活動をしても体が疲れにくくなり、階段の上り下りや買いものといった日常的な動作が楽に感じられるようになります。

生活習慣病の予防に

全身持久力が高い人は、日頃の身体活動量も多い傾向にあります。定期的に体を動かす習慣は、エネルギー消費を増やし、肥満を予防・改善します。

肥満は、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった多くの生活習慣病の主要なリスクとなるもの。持久力を高めるための運動習慣が、病気から体を守ってくれます。有酸素性運動で糖や脂肪をエネルギーとして使うので、血糖値のコントロールや中性脂肪の減少に効果があります。

また、有酸素性運動は安静時の血圧を至適に保ち、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)を高めることも分かっています。

ストレス軽減にもつながる

継続的に運動を行い、食事や生活習慣などを整えていくと、「防衛体力」が向上します。「防衛体力」は、私たちの体を内外のさまざまなストレスから守る力です。体力がつくと疲れやすい、かぜをひきやすいといった不調も起こりにくくなります。

老化の予防に

年齢を重ねると共に体力の低下は避けられませんが、持久力を鍛えることでそのスピードを緩やかにすることができます。全身持久力が高まれば、息切れや体の重さを感じにくくなり、より長く活動的な生活を送れます。

また、体重を負荷とするトレーニングは骨に刺激を与えるので、骨量が増え、骨粗鬆症の予防につながります。特に、遅筋は、加齢による衰えが少ない筋肉です。遅筋を意識して鍛えることで、転倒予防にもつながり、すこやかに年齢を重ねていけます。

姿勢が良くなる

筋持久力は、日常生活の何気ない場面で常に使われています。例えば、デスクワーク中に背筋を伸ばした美しい姿勢を保つことも、腹筋や背筋の筋持久力があってこそ。この力が弱いと、つい背中が丸まったり、いすに寄りかかったりしてしまいます。

腹筋や背筋を鍛えることで、猫背気味だった姿勢が改善され、自然と胸を張れるようになります。それだけで見た目の印象がぐっと若々しくなり、5歳から10歳は若返って見えるでしょう。

さらに、正しい姿勢は健康面にも良い影響をもたらします。目線が真っすぐ前を向き、顎が床と平行になる美しい姿勢では、気道が確保されます。姿勢が良くなると呼吸が深くなり、無意識のうちに多くの酸素を取り込めるようになります。

冷えの改善

冷えの改善

「冷えは万病のもと」といわれますが、持久力向上は冷えの改善にも効果的です。全身持久力を高める運動は、血液量を増やし、手足の末端まで血液が届きやすくなり、全身の血行を促します。

また、体温の約4割は筋肉から産生される熱によって保たれています。筋持久力を高めるトレーニングで筋肉量を維持・増加させることは、体自身の熱産生能力を高めることにつながり、根本的な冷えの改善に役立ちます。

この方にお話を伺いました

友金 明香 (ともかね さやか)

友金 明香

大阪体育大学スポーツ科学部准教授。専門分野は健康づくり、体力学。大学の陸上競技部中長距離監督。健康運動指導士、スロージョギングⓇアドバイザー。

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