養命酒製造が造るクラフトジン!蒸留施設見学レポート
NEW

養命酒製造が造るクラフトジン!蒸留施設見学レポート

養命酒駒ヶ根工場内にある蒸留施設では、日本の森の樹木クロモジを使ったクラフトジン「香の森」「香の雫」の蒸留を行っています。通常、お客様には入っていただけないので、今回は漫画家のかるめさんのイラストと写真で、クラフトジンの蒸留器やこだわりの蒸留方法について紹介します。

〔目次〕
養命酒駒ヶ根工場のクラフトジン蒸留施設
スゴイデカイ! ドイツ産蒸留器
クラフトジンの蒸留方法
香りが命のクラフトジン

養命酒駒ヶ根工場のクラフトジン蒸留施設

養命酒製造のクラフトジン蒸留施設見学漫画.jpg 私はつい最近まで、養命酒製造がクラフトジンも製造していることを全く知らなかった。お酒を滅多に飲まないため、酒屋はおろかスーパーのお酒コーナーすら行かないからかもしれない。

養命酒製造がジンを造っていることを知らなかった 養命酒製造のジン良さそう

知らないことを知るのはとても楽しい。ワクワクしながら未知の世界へ!

案内されたのはまっ白な建物。看板も何もないため、一見すると蒸留施設ということは全く分からない。

蒸留所イメージ

養命酒製造のクラフトジン「香の森」「香の雫」はこの建物で蒸留している。今回は製造技術担当の中沢さんにお話を伺った。

クラフトジン製造担当中沢さん

スゴイデカイ! ドイツ産蒸留器

大きい蒸留器

さっそく中へ入ると大きな蒸留器がお出迎え!! 大きな楽器みたいだ。右のとかフルートに見える。いい音色奏でそう。茶色の部分は銅でできている。銅自体が柔らかく、熱伝導がいい為すぐ加熱できるそうな。かっこいいから銅にしたのかなと思ったけど、ちゃんとした理由がありました。

日本には蒸留器を作っているところは少ないため、ドイツのアーノルド・ホルスタイン社から仕入れたものを使用。なんだか屈強そうな社名。

ドイツから取り寄せた蒸留器

中沢さんは淡々と説明してくれたが、冷静に考えるとすごいことだ。建物の入口を通るのもギリギリだったそう。天井もスレスレだった。なんだかボトルシップの中にいる気分。

ボトルシップのイメージ

この蒸留器が来る前は、クラフトジンの試作のため社内で20分の1スケールの小型蒸留器を製作したそう。

小型蒸留器製作しました.jpg

(そんな簡単に作れるものなのか・・・?)とポカンとした。

これまで養命酒製造ではジン造りの経験がなく、開発から何までゼロからのスタートだったそう。たくさんの人たちの色々な苦労を経て、今この蒸留器がここにあるんだなと感慨深い気持ちになった。

クラフトジンの蒸留方法

さっそく作業を見せてもらうことに!

そもそも蒸留とは一度熱して気体になったアルコールの蒸気を冷やし、再度液体に戻すこと。アルコールの沸点が水より低いことを利用したやり方だ。蒸留するとよりアルコール度数の強いお酒を作ることができる。蒸留という言葉だけ聞くとなんだか難しそうだが、意外とシンプルな仕組み。

製造ペースは1日1蒸留。朝に開始し夕方に終了するまで1回7時間かかる。意外とかかるんだな......。

まずボタニカルを中に入れる。ジンとはジュニパーベリーを主としたボタニカルで香り付けした蒸留酒のこと。製造するジンによってボタニカルの組み合わせが違うそう。きっとどのジンも何度も試作など重ねたんだろうなと思いながら作業を見守る。

蒸留器にボタニカルを入れる

ボタニカルを入れたらアルコールを投入!

蒸留器にアルコールを入れる

蒸留器へ近づくとアルコールの匂いがすごい!!! 匂いだけで顔が赤くなりそう。ここで働く人はやはり皆さんお酒が強いらしい。

蒸留器に注ぎ込まれるアルコール

加熱の仕方は「直火」「電気」「蒸気」などがある。この蒸留器は蒸気を利用しており、加熱の方法によって香りも異なるという。

海外では爆発事故も起きているらしい......。怖すぎる。なんたってアルコールを火にかけているんだもんな......。

養命酒製造の蒸留器は安全装置付き

30度、40度......どんどん中の温度が熱くなり、60度あたりでぐーんと80度近くまで上がる。中は暑すぎるサウナ状態。

そしてついに中がグツグツしてきた!ボタニカルがおどってる!!

蒸留器内でおどるボタニカル

こんなに大きな蒸留器の目の前にいるのだから、沸騰したらどれだけ暑いんだろうと身構えていたが、意外と暑くない。しかし夏場はかなり暑いそう。

香りが命のクラフトジン

香りにこだわり、最終的に製品になった時のイメージから逆算して蒸留している。蒸留して出来た最初の留液は刺激臭が、最後はえぐみや雑味が出るため、中間の良い部分だけを使うとのこと。

蒸留液を試香

最初の匂いを嗅がせてもらったが、よく分からないのに知ったかぶってしまった。 一連の作業で特に難しいのは湧き上がるスピードを調整する、留液の量調整。速すぎても遅すぎてもいい香りが出ないため、蒸気の量を細かく調整している。

留量調整

一番大変な作業は蒸留終了後のボタニカルを取り出す作業だそう。熱いしそうだしアルコール強いし想像だけで大変そうだ。

灼熱の蒸留施設

ここで働く方々、本当に毎日お疲れ様です! クラフトジン造りは一朝一夕の努力じゃ作れない奥深さがあると感じた。お酒好きの人にはたまらないであろう、贅沢な時間を過ごすことが出来た。

香の森いい香り

あれから急にクラフトジンに興味が出て「香の森」も購入。お酒は弱いので一生飲み終わらなくない?というペースでチビチビ飲んでいる。香りを嗅ぐだけで、森林の中にいるような気持ちになり癒される。今後、養命酒製造から新たな蒸留酒が誕生したときは、そちらもぜひ飲んでみたいと思った。

この記事の関連商品

漫画家、イラストレーター かるめ

かるめさん

食べることや料理がなにより好きな健康オタク。SNSやブログで日常漫画やオリジナルキャラクターの4コマ漫画を日々投稿している。『今日も飯がうまい!~食べる幸せあるある~』(KADOKAWA)

https://www.instagram.com/karume_life/

SHARE

   
    
北欧、暮らしの道具店
絵本ナビスタイル
Greensnap
水戸市植物公園
コロカル
HORTI(ホルティ) by GreenSnap
TOP