「酢玉ねぎ」は、いつもの献立に合わせてアレンジして使える、とても便利な常備菜です。1日漬けることで玉ねぎの辛みと酢の酸味がマイルドになり、うま味がアップします。玉ねぎと酢の血液サラサラ効果も嬉しいですよ。
また、酢玉ねぎは春の食養生にぴったり。体の巡りを高める春野菜で、肝の働きを助ける「酸味」をとることができます。ただし、胃腸が弱い方は、酸味のとり過ぎに注意しましょう。
「酸味」×旬野菜で巡らせ常備菜 酢玉ねぎの作り方
- 〔材料〕600ml分(冷蔵庫で2~3週間保存可能/全量240kcal/塩分0.0g)
- 新玉ねぎ..................................大2個
- 酢(お好みのものでOK).......400ml
〔作り方〕
- 新玉ねぎは芽と芯を取り薄切りにする。
- 煮沸消毒した保存瓶に新玉ねぎを入れて酢を注ぎ、菜箸などでかき混ぜる。
- 1日置いて味をなじませる。
〇アドバイス
・玉ねぎが写真のように透き通ったら使いどきです。
・干しぶどうを加えると鉄分補給になり、甘みもアップしますよ。
・揚げ物に添えたり、炒め物やサラダに加えたりして使うと、美味しくいただけます。
・玉ねぎの成分が出た酢はドレッシングに活用できます。
酢玉ねぎをアレンジ! イワシの酢玉ねぎ蒸しのレシピ
イワシを酢玉ねぎと蒸すことで、身はふっくら、やさしい酸味でさっぱりといただける一皿。EAP・DHAが豊富なイワシは、血流改善によいといわれ、積極的にとりたい食材です。
- 〔材料〕2人分(冷蔵庫で2~3日保存可能/1人分350kcal/塩分0.9g)
- イワシ.........................................................4尾
- 酒................................................................少々
- 塩................................................................少々
- 酢玉ねぎ.....................................................1カップ(200ml)
- 酢玉ねぎのつけ汁......................................50ml
- レモンの皮.................................................適量
- スパイス(粒こしょう、タイム、オレガノなど)........少々
- 白ワイン(または酒)..............................50ml
- 人参...........................................................1/4本
- スナップえんどう.....................................適量
〔作り方〕
- イワシはウロコを取って頭と内臓を除き、流水で洗い水気を取る。バットに並べて腹と全体に酒、塩を振って15分置き、汁気を切る。
- フライパンに酢玉ねぎの半量を敷いて1.のイワシを並べ、千切りにしたレモンの皮とスパイス、白ワインを振ってから残りの酢玉ねぎをのせ、酢玉ねぎのつけ汁を加える。
- クッキングシートで覆ってふたをし、中火にかける。ふつふつとしてきたらすぐふたを取り、弱火にして10分ほど煮て火を止める。
- 器に盛り、塩ゆでした人参とスナップえんどうを添える。
〇アドバイス
・イワシは血合いをよく洗い、水気をしっかりとることで臭みなく美味しく仕上がります。
・和風にしたい場合は、酢玉ねぎの下に昆布を敷いて木の芽、しょうゆ大さじ1を加えます。
・食欲増進作用のあるカレー粉や好みのハーブ、スパイスを加えてもよいでしょう。
・酸味に弱い方はみりん、粗糖などを大さじ1程度加えて下さい。
5分でできる♪ 春野菜の酢玉ねぎ和えのレシピ
酢玉ねぎに、「気」を補う鶏肉と香りの春野菜を加えるだけで、あっという間に春の体にぴったりな副菜が仕上がります。
- 〔材料〕2人分(1人分193kcal/塩分0.5g)
- 鶏むね肉(酒蒸し).................................小1枚
- せり(または三つ葉 1束)...................1/2束
- ベビーリーフ............................................1パック
- 酢玉ねぎ...................................................大さじ1強
- オリーブ油...............................................大さじ1
- 塩・こしょう............................................各少々
- サラダ菜...................................................適量
- ラディッシュ(輪切り).........................適量
〔作り方〕
- 鶏むね肉は細かく割く。せりは3cmの長さに切り、ベビーリーフと合わせる。
- ボウルに酢玉ねぎを入れてオリーブ油を加えてよく混ぜる。(鶏の蒸し汁があれば大さじ1程度加えると、うま味が増します)塩、こしょうで味をととのえ、鶏むね肉を加えて和える。
- 器にサラダ菜とラディッシュを敷いて1.の野菜をのせ、2.を盛りつける。
デトックスを促す。 たけのこと椎茸の卵とじスープのレシピ
たけのこなどの苦みを持つ春野菜は、便通を良くして、冬に溜め込んだ不要なものの排出を促してくれます。また、体内の代謝を促す作用もあり、疲労回復やスタミナアップにも役立ちます。香りのよいあさつきや椎茸、スパイスの黒こしょうが「気」の巡りを促す、洋風の卵とじスープです。
- 〔材料〕2人分(1人分64kcal/塩分1g)
- ゆでたけのこ(市販のたけのこ水煮).......40g
- 生椎茸................................................2個
- コンソメ.............................................小さじ1/2
- 酒.......................................................大さじ1と1/2
- 卵.......................................................1個
- 塩.......................................................少々
- あさつき(斜め切り)........................6本
- 黒こしょう.........................................少々
- 水.......................................................400ml
〔作り方〕
- ゆでたけのこは食べやすい大きさに切る。生椎茸は軸を取り、笠を薄切りにする。
- 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら1.とコンソメ、酒大さじ1を加えてひと混ぜし、再沸騰したら1分ほど煮る。
- 卵は割ほぐして残りの酒を加えてよく混ぜておく。2.に塩を加えて味をととのえてから溶き卵をまわし入れ、あさつきを加えてひと混ぜしてから火を止める。器に盛り、黒こしょうを振る。
この方にお話を伺いました
料理研究家 管理栄養士 国際中医薬膳管理師 植木もも子 (うえき ももこ)

中医学や雑穀などを取り入れた、 美味しいだけでなく、体によい料理が評判。『からだを整える薬膳スープ』(マイナビ)、『いちばんやさしいさかな料理の本』(日東書院)他著書多数。