杜仲とは?樹皮や葉、お茶のそれぞれの効能についても解説
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杜仲とは?樹皮や葉、お茶のそれぞれの効能についても解説

さまざまな有効成分を含み、主に樹皮は生薬に、葉は杜仲茶として親しまれている杜仲(とちゅう)。血圧降下や肥満予防、滋養強壮など多くの効果効能が知られています。日々の健康維持に役立ててみませんか?

〔目次〕
杜仲とは
杜仲の樹皮の効能
杜仲茶(杜仲の葉)の効能
杜仲の歴史・豆知識

杜仲とは

杜仲とは

杜仲は樹高が20mにもなる広葉樹で、雌花をつける株と雄花をつける株があります(雌雄異株)。かつては多くの地域にいろいろな種類が存在していましたが、過酷な氷河時代を生き延びたのは中国原産の1種類だけ。1科1属1種という非常に珍しい植物です。漢方では樹皮が利用され、葉は杜仲茶やドリンク剤などに使われています。

〔杜仲〕
分類(科・属名):トチュウ科トチュウ属
原産地:中国
使用部分:樹皮、葉
主な作用:降圧、利尿、強壮、鎮痛

杜仲の樹皮の効能

杜仲の樹皮の効能

中国では人参、鹿茸(ロクジョウ)と並ぶ3大名薬の一つに数えられる杜仲。研究が進むにつれて、その樹皮や葉に含まれるさまざまな成分には、抗ストレス、糖代謝や虚弱体質の改善、抗疲労、ストレスによる胃潰瘍の抑止、コラーゲンの合成促進、鎮痛、血圧降下といった働きがある可能性が明らかになっています。

滋養強壮

杜仲は滋養強壮を目的として漢方薬に配合されています。なお、漢方で杜仲は「気」の強壮薬とされています。

抗疲労作用

樹皮の成分シリンガレジノール・ジグルコシドには抗疲労効果が期待されています。

鎮痛作用

樹皮・葉に含まれるゲニポシド、ゲニピンには鎮痛作用があります。

血圧降下作用

杜仲の樹皮に含まれるリグナン成分は血圧を下げる作用が認められています。

利尿作用

杜仲の樹皮と葉には利尿作用があることが知られています。杜仲はカリウムを含むため、このカリウムが利尿作用に関係しているのではないかといわれています。

更年期障害の改善

杜仲の樹皮に含まれるリグナン成分は植物エストロゲンともいわれ、体内で女性ホルモン様作用を示す成分に変換されます。そのため更年期障害の改善が期待されます。

ストレスによる胃潰瘍を抑える作用

ゲニポシド酸には、抗ストレス作用があり、ストレスからくる胃潰瘍の予防も期待されています。

コラーゲンの合成促進

ゲニポシド酸には、コラーゲン合成を促進する作用があります。

杜仲茶(杜仲の葉)の効能

杜仲茶(杜仲の葉)の効能

健康茶として広く知られている「杜仲茶」。杜仲の葉を熱水抽出すると得られる「杜仲葉配糖体」にはさまざまな効能があることが知られています。

〔主な効能〕
・血圧降下
・高脂血症改善
・体脂肪低減
など

ノンカフェインなので、カフェインを控えている方でも時間を気にせずに飲むことができます。

杜仲茶は安全性の高い飲み物だと考えられますが、習慣にする場合は、医師・薬剤師に相談しましょう。

杜仲の歴史・豆知識

杜仲の歴史・豆知識

氷河期も生き延びてきた強さをもつ杜仲は中国最古の薬学書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも記載され、古くから親しまれてきた生薬です。16世紀末に李時珍が著した『本草綱目(ほんぞうこうもく)』によると、「中国に杜仲という人がおり、この植物の樹皮を服用して、仙人の悟りを開いたために杜仲と名付けられた」と記載されています。

漢方の古い書物にも「筋骨を強くし、精気を増し、腰・膝の痛みによい」とあり、腰や膝の痛み、排尿困難、性機能障害、不正出血、高血圧などの治療にも用いられてきました。

また杜仲には、樹皮をはいだり葉や枝を折ったりすると、白銀色の糸を引くという特徴があります。この成分はグッタペルカというゴム質で、固まると樹脂状になります。含有量が少ないために工業利用はされていませんが、絶縁材料や歯科用セメントになる成分。学名のEucommiaは、ギリシャ語で「よいゴム」という意味があります。

記事監修

養命酒製造 健康情報局

養命酒製造 健康情報局

薬用養命酒愛飲家向け健康情報誌『養命酒だより』や会員向けメールマガジン『元気通信』を発行。
医師や専門家の監修のもと、健康に関する情報発信を行っている。

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