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月刊 元気通信

養命酒

特集記事 2021年11月号

新⽣活様式による歩数激減で⾜元から危険信号が!
すきま時間で解消!「⾜もみルーティーン決定版」

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テレワークや外出の⾃粛など、新しい⽣活様式が浸透したことにより、歩数が減った⼈が急増しています。歩数の減少にともない、⾜のむくみや冷え、疲れなど⾜にトラブルを抱える⼈も増えてきているといいます。そこで今回の特集では、⾜のスペシャリストが考案する「⾜もみルーティーン」をご紹介。毎⽇の⽣活のなかで、ちょっとしたすきま時間や“ながら”でできる⾜もみ体操ばかり。「⾜もみルーティーン」を気軽に⽣活に取り⼊れて、⾜の健康を取り戻しましょう。

教えてくれた先生

「⾜の総合病院」副院⻑⻑﨑和仁(ながさきかずひと)先生

下北沢病院 副院⻑、⾎管外科。慶應義塾⼤学医学部卒業。国内の病院に勤務後、スタンフォード⼤学外科フェローとして渡⽶。帰国後、浜松⽇本⾚⼗字病院外科部⻑・創傷ケアセンター勤務、さいたま市⽴病院⾎管外科医⻑を経て現職。⾜の総合病院である「下北沢病院」で、⾜をトータルで診る治療として話題になる。著書に「新しい『⾜』のトリセツ」(下北沢病院医師団/⽇経BP)、「⾜の先⽣!⾜のむくみだるさ冷え下肢静脈瘤どうすればラクになるか教えてください。」(アスコム)など。

最近ずっと家にいてほとんど歩いていないはずなのに、なんだか⾜がだるいなあ。

私も! ⾜がむくんでいてかゆみもあるのよね。

その⾜の不調、以前より歩数が激減したことが原因かもしれませんよ。

えっ! 歩数の減少と⾜のトラブルが関係するのですか?

歩数の減少は⾜の筋⾁の衰えに直結しています。とくにふくらはぎは第⼆の⼼臓とも呼ばれるように、この部分の筋⾁のポンプ作⽤で⾎液を⼼臓まで押し上げているのです。ですので、歩数が減ってしまうとこのポンプ作⽤が働きづらくなり、⾜のむくみやかゆみ、そして冷え症なども起こりやすくなってしまいます。

なるほどー。でも新しい⽣活様式のなかで急に歩数を増やすことは難しいかも…。なにか⾜の働きを落とさない⽅法はありますか?

はい。では、1 ⽇の⽣活に⾃然に取り⼊れられる「⾜もみルーティーン」をお教えします。“ながら”や隙間時間に⼿軽にできるので、ぜひ習慣化して欲しいですね。

はーい。では早速ケアの⽅法を教えてください!

ふくらはぎの筋⾁の衰えがさまざまな不調の原因に

コロナ禍以降、歩数が減少したことが原因と考えられる⾜の悩みが増えています。なかでも多いのが⾜のむくみやかゆみ、だるさや冷えといったトラブルです。歩く機会が減ることでふくらはぎの筋⾁が衰えてしまい、⾜に⾎液が溜まったうっ滞となります。すると⾜の⽔分が⽪下に染み出してしまい、⾜が重い状態になります。これがむくみの原因です。また、⾜は⽪膚に覆われた筒のようなものなので、⾜がむくんでパンパンになると、周りの⽪膚も伸ばされてちょっとした外からの刺激でも表⾯に傷が⼊り、かゆみの原因に。同時に⾜の⾎液が溜まると静脈の圧が⾼くなり、筋⾁を圧迫して⾜がつりやすくもなります。さらに、静脈の圧が⾼くなることと反対に動脈の⾎流が弱くなってしまい、⼼臓からの温かい⾎液も届きにくくなります。これが下半⾝、とくに⾜先の冷えに繋がってくるのです。⾜の⾎液を⼼臓に戻す働きがあるのは主としてふくらはぎの筋⾁です。ふくらはぎの筋⾁はアキレス腱や⾜裏ともつながっているので、⾜を動かしたりもむことで、ポンプ機能も活性化されます。

起床:「バタバタ体操」で⾜に溜まった⾎液を⼼臓に戻す

睡眠中は基本的に同じ姿勢を保っているので、起床時には筋⾁がこわばりがちです。また、 1 ⽇をスムーズにスタートさせるためにも⾎液を⼼臓に戻してあげる必要があります。それには⾜を⾼くする姿勢が有効です。

「バタバタ体操」は仰向けに寝て⼿⾜を天井の⽅向に伸ばし、30 秒から 1 分間⼿⾜をぶらぶらと動かすだけです。これを 3〜5 セット繰り返すことで、⼿⾜に溜まった⾎液を⼼臓に戻してあげられます。ただ、⼿⾜を⾼く上げて動かすにはそれなりの筋⾁が必要です。⾃分の体⼒に応じて少しずつ様⼦をみながらやってみましょう。

朝⾷の準備中:「かかと上げ体操」でふくらはぎの筋⾁を鍛える

ふくらはぎの筋⾁にはミルキングアクションといって、伸び縮みするときに⾎液を⼼臓に押し戻す働きがあります。そんなふくらはぎを⼿軽に刺激できるのが「かかと上げ体操」です。運動はシンプル、その場でかかとを上げたり下げたりするだけ。⾃分の体重が負荷とな って、ふくらはぎの筋⾁を鍛えることができます。

「かかと上げ」体操をするとき、かかとを床につけずに床から数ミリの位置で⽌め、そこからまた上げるようにすると負荷が⾼まり、トレーニング効果もアップします。この運動は⾃宅に限らず、信号待ちの時間やエスカレーターに乗っている時間など⽇常のちょっとした時間に取り組めるのでおすすめです。

外出前:「アキレス腱伸ばし」で⾜の柔軟性アップ

多くの⾜の悩みに幅広く対応するのが「アキレス腱伸ばし」です。アキレス腱は、ふくらはぎの膨らみを作っている下腿三頭筋と、かかとの⾻をつなぐ⼈体最⼤の腱。このアキレス腱が硬いと、歩く際に⾜のアーチに負荷がかかってしまいます。また、ふくらはぎのポンプ作⽤が落ち、冷えやむくみが起きやすくなります。

「アキレス腱伸ばし」は午前中や外を歩く前などに⾏うのが効果的。壁の前に⽴ち、両⼿を壁に当てて、伸ばしたい⽅の⾜を⼀歩後ろに下げます。つま先はまっすぐ前に向け、かかとを浮かさないのがポイントです。そして壁に体重をかけながら前のひざをゆっくり曲げます。後ろ⾜のアキレス腱の伸びを感じながら 30〜60 秒キープします。そのあと⾜を⼊れ替えて同様に⾏います。各⾜ 5 回ずつが⽬安です。

デスクワーク中:「⾜指のグーチョキパー運動」で内在筋を鍛える

内在筋は⾜から始まり、⾜に終わる筋⾁で、5 本の⾜指を動かすものがメインです。この内在筋を鍛えることで、⾜のアーチが安定し⾜が疲れにくくなります。まず「グー」では 5 本の⾜指をすべて内側に折り込みます。⾜指下の⾻がしっかり浮き上がるくらいに丸め込みましょう。

「チョキ」では親指だけ⽴てて、残りの指は内側に折り込みます。難しいときは先にパーの形をつくり、それから親指を下げると、親指とほかの指がクロスした状態にしやすいです。 「パー」はできるかぎり⾜指を⼤きく広げます。 この3つの動きを左右 10 回ずつ⾏いましょう。

⼊浴中:「⾜底腱膜マッサージ」で⾜の健康を保つ

⾜底腱膜は⽴ったり歩いたりする際に⼤切な役割を果たす部分です。ここが衰えると歩⾏や⽴位のバランスがくずれ、⾜全体の健康悪化につながってしまいます。

湯船に⼊りながらの運動でおすすめしたいのが、この⾜底腱膜をもみほぐすマッサージです。⾜裏を両⼿でつかむようにして⼿のひら全体でよくもみ、⾜底腱膜に疲労が蓄積しないようにしましょう。湯船で⾏うことで⾜の⾎流も促され、また適度な⽔圧がかかって効果的です。⽚⾜につき 1 分が⽬安です。

⾜の「2⼤トラブル」を簡単セルフケアで予防!

歩⾏不⾜による⾜の機能の衰えに加え、間違った⾜の使い⽅を続けることもトラブルの原因となります。ここでは、⾜の悩みで多い「外反⺟趾」と「巻き⽖」について、ご⾃宅でもできる対処法をお教えします。

外反⺟趾の進⾏を防ぐ⾜指運動

外反⺟趾は親指が外側に曲がることに加え、つけ根側が逆に内側に出っ張ることを指します。外反⺟趾になると靴を履いたときに出っ張った部分が痛いだけでなく、歩⾏時に親指への負荷がかからないことで、親指以外の指が変形することも。ただ、変形が軽度で痛みも少ないのであれば⾜指のストレッチをこまめに⾏うことで進⾏を予防できます。

ルーティーンで紹介したグーチョキパー運動のほかに有効なのが「タオルギャザー」です。椅⼦の前にやや厚⼿のタオルを敷き、浅めに腰掛けます。そして5本の⾜の指を使ってタオルをたぐりよせます。その際、指先ではなく指のつけ根から曲げてタオルをつかみ、その後パッと開いて離す運動を繰り返します。左右5回ずつが⽬安です。

⽖はスクエアカットで巻き⽖予防

⾜の指は体重を⽀えるという重要な役割をもっています。しかし⾜指の⽖に均⼀に⼒がかからないと、⽖はどんどん巻いてしまい、それが進⾏すると痛みがでてきます。

巻き⽖予防として⼿軽にできるのは、⾜の⽖をラウンド状ではなく、スクエア型に切ること。⽖は指の⾁が⾒えない程度が⽬安です。⽖にある程度の⻑さがあれば、⾜指に体重がかかっても⽖が⾁に刺さることはないので、ご安⼼ください。

ほとんど出歩いていないのに、⾜がだるく感じていた理由が分かって納得。ここ最近、すっかりふくらはぎを⽢やかしていたからね(汗)。

秋冬を迎えて、冷え症にも悩まされる時期だから、⾜をもむことで⾎流がアップするのもうれしいね!

近い将来、いろんなところを思い切り歩き回るためにも、毎⽇の⽣活の中で⾜を鍛えておこうね。

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