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特集記事 2021年5月号

五月病や疲れ対策の新常識!?「身体のセンサー」をゆるめて元気に!

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身体のセンサー

天候が変わりやすいこの季節は、特に何をしていなくても疲れてしまいがち。これって年齢のせい?
いえいえ、実は「目、耳、鼻、口、皮膚」といった感覚をつかさどる部分が緊張して、固まっていることが疲れの原因かも。
今回は、そうした、「身体のセンサー」を正しく使うことで、疲れにくい身体を手にいれる方法を伝授。一度覚えれば一生使える、効率的な身体の使い方、ほぐし方をマスターしましょう。

教えてくれた先生

藤本 靖

ボディワーカーの藤本 靖(ふじもと やすし)先生

藤本 靖

環境神経学研究所代表。上智大学非常勤講師(神経生理学、ボディワーク)。東京大学経済学部卒業。東京モード学園ファッションスタイリスト学科卒業。海外経済協力基金(現、国際協力機構)にて政府開発援助の業務に関わる。東京大学大学院身体教育学研究科修了。自律神経系/脳神経系の科学的探究とボディワーク実践の中から「快適で自由な心と身体になるためのメソッド」を開発。民間企業、研究機関、公的機関などと数多くの協業を実施。「『疲れない身体』をいっきに手に入れる本」、「脳幹リセットワーク~人間関係が楽になる神経の仕組み~」(講談社)など著書多数。

環境神経学研究所
https://www.neural-intelligence.company/
オールブルー
http://www.all-blue.com/

やりたいことや、やらないといけないことはたくさんあるのに、何をしても疲れちゃうからやる気が出なくて。こういうときは睡眠が一番!と思ってたっぷり寝ても、なかなか疲れがとれないんですよね。これって年齢による体力の低下だから仕方がないのですか?

いえいえ、疲れてしまうのは年齢のせいでも、筋力が衰 えたからでもありません。実は、疲れがとれないのは、「身体のセンサー」の使い方の問題なんです。

身体のセンサー?はじめて聞くコトバですね。

身体のセンサーとは「目、耳、鼻、口、皮膚」など感覚器官のことです。筋肉や内臓にもセンサーはあります。この身体のセンサーがうまく働かなくなると、体は緊張して固くなってしまうんですよ。

センサーをうまく使えないとどうして体が緊張するんですか?

では一つ実験をしてみましょう。左右どちらか片足で立ってください。そして近くにある一点に視線を合わせます。そのときの身体の安定感や緊張状態はどうですか?

結構うまくバランスを保っていますよ!

今度は片足立ちのまま周りをきょろきょろ見回してください。

わっっっっ。急に体がグラグラ揺れて不安定になりました。

視線を安定させていたときと比べると体の緊張が強くなって、踏ん張るために無駄なエネルギーを使ってしまうでしょう。これが疲れのもとなんです。このようにセンサーをうまく働かせないと体だけでなく心までもブレて不安定になり、何もしなくても疲れてしまうんですよね。

なるほど。では、うまくセンサーを働かせたら疲れにくい身体になるってことですね。ぜひその方法を教えてほしいです!

できれば、手軽で簡単なやつを!

わかりました。では、「目、耳、鼻、口、皮膚」とそれぞれの正しいセンサーの使い方や、緊張をほぐす運動をご紹介します。年齢や性別、運動経験は一切関係ないので、自分がやりたいときに好きなだけ行ってみましょう。

長時間作業しても疲れない
正しい「身体のセンサー」の使い方

わたしたちは外の世界からの情報にとても影響を受けやすく、ちょっとした刺激に反応し、緊張させられています。ただ、そのような緊張も、目や耳、鼻、口、皮膚の使い方一つで緊張を軽減することができるのです。
今回は多くの人にとって特に緊張が生じやすい、シーンにスポットを当てて、身体のセンサーのうまい使い方をご紹介します。

デスクワークやスマホで疲れない
身体のセンサーの使い方

デスクワークやスマホで疲れない身体のセンサーの使い方

パソコンやスマホで疲れてしまうのは、小さい画面を見続けて視野が狭くなっているからです。狭い視野で目を集中して使うと、眼球を動かす目の奥の筋肉が緊張して固まります。そして目の奥にある筋肉が固まると、神経的につながりのある首の付け根も緊張して固まるのです。

ここがポイント!

視野が狭くなっていることが疲れの原因なので、それを広げることで楽に目を使うことができます。
方法としては、パソコンの画面やスマホ、本などを見つつ、同時に周りの空間も見るようにしてみてください。画面と周りの空間を同時に視野に入れるためには、一生懸命に見過ぎないことがポイントです。
また、周りの空間を同時に見ることが難しい場合は、換気扇や空調の音など、周囲の音に注意を向ける方法が助けになることもあります。

画面の周りにも視野が広がっている一方、画面内にある情報を読み取る集中力も欠落せずに、むしろスムーズになっていると感じられるのではないでしょうか。

この視野を広げる方法は日常のあらゆるシーンで応用できます。たとえば混雑した駅構内を歩くとき、進行方向に視線を定めた上で視野を広げてみると、人波をスムーズにかわしながら進むことができます。

キーボードやスマホへのタッチは
薄皮一枚入れる感覚で

キーボードやスマホへのタッチは薄皮一枚入れる感覚で

パソコンで作業をしていて疲れる要因の一つが、タイピングに力が入りすぎていること。

ここがポイント!

そこで試していただきたいのが、指とキーボードの間に「薄皮一枚入っている」ことをイメージする方法です。
実際には指とキーボードは接触しているのですが、その間を隔てている薄くて柔らかいシートをイメージすることで、肩や首がリラックスした状態が保たれます。疲れなくなり、むしろタイピングのスピードもアップしているのではないでしょうか。

これは実は、「薄皮一枚入れる」感覚を持つことも身体のセンサーを意識的に使う方法の一つ。指先の皮膚感覚が活性化することで、無駄な力が入らず効率的に作業ができるようになります。この「薄皮一枚入れる」感覚は、パソコンだけでなくスマホや包丁、ペンなどを扱うときにも応用できるのでおすすめです。

疲れた体がよみがえる!
ボディワークをやってみよう!

1 目のセンサーをゆるめる運動

目をゆるめる運動

よく「目が疲れた」といいますが、実は疲れているのは眼球ではなく、目を動かす筋肉のほう。人間の目は上下左右斜めの合計6つの筋肉によって動かされており、この筋肉が疲れているのです。
スマホの画面を長時間見ることは、本来自由に動くべき筋肉が動かないまま固まった状態ですが、この目の筋肉をゆるめることで目の疲れが解消します。

ここがポイント!

仰向けに寝転がり両目を閉じて、瞼の上から眼球に触れます。右の眼球には左手の人差し指、中指、薬指の3本を軽く重ねて、指の腹で眼球の丸みにフィットさせるイメージです。
肩や手首の力を抜いて、できるだけソフトにかつ眼球の形が感じられるようなタッチを心がけます。
今度は上のイラストのように右目には右手、左目には左手の3本の指で、瞼の上から眼球に触れたまま、眼球を上下左右斜めなどいろいろな方向に動かしてみます。

2 耳のセンサーをゆるめる運動

耳をゆるめる運動

一般に耳は緊張したり、疲れたりしないイメージです。でも、難しい話や不快な音を聞いたときには、耳の後ろやこめかみが固くなってしまっているのです。耳から起こった体全体の緊張は、その大本である耳をゆるめることで、うまく解放させることができます。

固まってしまっている耳のまわりの筋肉をゆるめるために、耳をつまんで軽く引っ張ります。耳を引っ張る手法はマッサージやヨガでも取り入れられていますが、筋肉のつながりを意識することで、いっそう効果が高まります。

ここがポイント!

片耳を親指と中指を使い、耳の内側と外側から耳のつけ根を軽くつまみます。そして頭の骨から耳の付け根までを2〜3ミリ程度浮かせるようにひっぱります。耳自体をひっぱるのではなく、頭の骨と耳のつけ根にスペースをあけるようなイメージです。

次に前側、後ろ側、上側、下側とひっぱる方向を変えることで、耳の周りの筋肉全体をゆるめることができます。最初は横向きに寝転がって行うことがおすすめですが、慣れてくると椅子に座った状態でも手早く行えます。

3 口のセンサーをゆるめる運動

口をゆるめる運動

口が固まってしまう状態は主に2種類があります。一つは緊張したときや何か身構えたときにおこる、奥歯をかみしめるような反応。このとき緊張しているのは「アゴ(主に下アゴ)」です。
もう一つは、言いたいことを我慢しているとき、下アゴに押し付けて緊張してしまう「舌」。「アゴ」と「舌」をそれぞれの緊張をゆるめることで、体のほかの部分もゆるめることができます。

ここがポイント!

アゴの緊張をゆるめるには、仰向けに寝た状態で割り箸を奥歯に挟みます。挟んだらしばらくリラックスして自分の呼吸を感じながら体の変化を観察してください。
アゴの奥が開いて、くわえた側のこめかみ周辺の筋肉がひき伸ばされている感覚になるはずです。そして次第に首筋や肩、股関節あたりまでゆるむ感じが広がっていきます。

口をゆるめる運動

舌の緊張をゆるめるために、まずは舌のはじまりを確認します。舌は下アゴの骨と喉の間にある「舌骨(ぜっこつ)」からはじまります。

ここがポイント!

喉ぼとけ(甲状腺軟骨)に軽く両手の指を添えます。そこから左右両方に軽く滑らせるように動かすと甲状腺軟骨の下に位置する甲状腺の脇に指先を置いた状態となります。そのまま両手の中指の指先を上に2センチほどスライドさせて甲状軟骨が途切れるところまで動かします。そのまま舌を出したり引っ込めたりすると、舌を出したときになくなり、引っ込めたときに指先に感じる出っぱりがあります。

その状態で舌を口から外に突き出したり、上下左右いろいろな方向に動かしたりします。突き出すばかりではなく、逆に奥にひっこめるような動きも有効です。

しばらく動かしていると、はじめる前より柔らかくなっているのがわかります。しゃべると普段より舌が滑らかに動くようになり、いわゆる「滑舌がいい」状態になります。

身体のセンサーの使い方ひとつで、疲れ方が全然違うんだね。それに身体のセンサーを緩める運動も手軽で思い立ったらすぐにできるものばかりでいいね。

とくに割り箸をくわえてアゴをゆるめる運動は、見違えるほど体が柔軟になったのを実感できてびっくり!

「目、耳、鼻、口」をゆるめて疲れをとるだけじゃなくて、ちょっとした瞑想のような感覚も味わえて、精神的にもすっきりした気がしたね。

でも僕は耳の運動だけは耳が長すぎて手が届かないから、引っ張るの手伝ってね。

いやいや。あなたは耳だけはタフで疲れないから大丈夫よ。

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