マンネリになりがちなそうめんのアレンジレシピを紹介します。辛味の利いたつけ汁やトマト、サバ缶、オクラなどを使ったメニューで夏の食養生もできるから一石二鳥。ぜひお試しください。
夏の食養生のポイント
夏の体は、本来は汗などで陽気を発散し、体を冷ますようになっていますが、つねに冷房が効いている現代では逆に冷えすぎてしまい、気血が巡らない状態に。胃腸を冷やさないように養生しましょう。
- 〔食べ方のコツ〕
- 冷たいもののとり過ぎで胃腸を冷やさないようにする
- 体を温める食材をバランスよく使う
- 旬の野菜で太陽の気を取り入れる
かぼちゃと牛肉のタイ風カレーそうめん
市販のタイカレーペーストを使ったレシピです。具材のかぼちゃと牛肉は胃腸を温めてその働きを助け、ピーマン、玉ねぎは夏に滞りがちな「気」を巡らせます。また辛味には発汗を促し、体内にたまった余分な熱を発散させる作用があります。
- 〔材料〕2人分(1人分420kcal 塩分1.9g)
- (A)
- かぼちゃ ...... 1/8個
- 玉ねぎ ...... 1/2個
- ピーマン ...... 2個
- 水 ...... 2カップ
- タイカレーペースト ...... 2人分をつくる量 ※グリーン・レッド・イエローを好みで
- 酒 ...... 大さじ1
- (B)
- ココナッツミルク ...... 100ml
- 湯 ...... 1カップ
- 牛こま切れ肉(もも赤身)...... 120g
- (C)
- バジルの葉 ...... 8~10枚
- 塩・こしょう ...... 各少々
- そうめん ...... 2~3束
- 〔作り方〕
- かぼちゃは3cm大の乱切り、玉ねぎは1cm幅のくし形切りにして半分の長さに切る。ピーマンはみじん切りにする。牛肉は3cm幅に切り、酒大さじ1/2(分量外)を振る。バジルは飾り用に少しとっておき、残りを刻む。
- 鍋にAと水を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱めてかぼちゃがやわらかくなるまで煮る。
- タイカレーペーストを酒で溶き、Bと合わせて2に加えて混ぜる。
- 牛肉を入れて再沸騰後、2分たったらCを加えて味を調える。器に盛ってバジルの葉を飾る。
- そうめんをゆで、ゆであがったらたっぷりの水に浸し、水を替えながらぬめりをとる。冷水に浸してそうめんを揉むように洗ってコシを出し、4とは別の器に盛る。
◎ポイント
ココナッツミルクが余ったら市販のぜんざいに加えても◎。小豆には滞った水分を排出する効果もあります。
豚ひき肉とオクラの辛味味噌麺
香味野菜が胃腸を温め、豚肉が体を潤す夏バテ解消メニュー。ご飯や豆腐、蒸し野菜にも合うので、作り置きもおすすめ。小分けにして冷凍すれば2~3週間保存可能です。
- 〔材料〕2人分・辛味味噌は6食分(1人分584kcal 塩分1.5g)
- 豚ひき肉(赤身)...... 300g
- 酒 ...... 大さじ4
- 米油 ...... 大さじ2 ※ない場合はオリーブオイルでも可
- (A)
- 刻みにんにく ...... 大さじ1
- 刻み生姜 ...... 大さじ1
- パプリカ(赤・黄)...... 各1/2個
- 小ねぎ ...... 1/2束
- (B)
- 甜麵醬 ...... 大さじ3
- 醤油 ...... 大さじ1と1/2
- 豆板醬 ...... 小さじ1/2
- 皮つき煎りピーナッツ ...... 50g
- そうめん ...... 2~3束
- オクラ ...... 5~6本
- 〔作り方〕
- パプリカはみじん切り、小ねぎは小口切りにする。ピーナッツは粗く刻み、オクラはゆでて輪切りにする。ボウルに豚ひき肉を入れ、酒半量を振って菜箸で練らないように混ぜる。
- フライパンに米油とAを入れ、香りが出たら1の豚ひき肉を加えてパラパラに炒める。
- パプリカと小ねぎを入れて火が通ったら、残りの酒で溶いたBを加え全体になじませ、豆板醬とピーナッツの半量を加えてよく混ぜる。
- そうめんをゆで、ゆで上がったらたっぷりの水に浸し、水を替えながらぬめりをとる。冷水に浸してそうめんを揉むように洗ってコシを出し、器に盛る。
- そうめんの上に3をのせ、オクラを飾り、残りのピーナッツを散らす。
◎ポイント
米ぬかを原料とする米油は脂肪酸のバランスがよく、抗酸化作用を持つ成分も豊富です。
鯖缶とトマトの酸辣湯麺(スーラータンメン)
鯖が旨味を加え、トマトの酸味が食欲を促します。栄養豊富なモロヘイヤと過剰な汗を抑える黒酢も加えた、夏の体調管理にぴったりのメニューです。
- 〔材料〕2人分(1人分495kcal 塩分2.2g)
- 乾燥黒きくらげ ...... 3~4g
- トマト ...... 大1個
- 水 ...... 4カップ
- 鯖水煮缶 ...... 1缶
- 鶏ガラスープの素 ...... 小さじ1
- 卵 ...... 2個
- モロヘイヤ ...... 1/2束
- (A)
- 酒 ...... 大さじ2
- ごま油 ...... 少々
- そうめん ...... 2~3束
- (B)
- 刻み長ねぎ ...... 小さじ2
- 豆板醬 ...... 小さじ1/4~1/2
- 黒酢 ...... 小さじ2
- パクチー ...... 1株 ※お好みで。小ねぎや紫蘇で代用可
- 〔作り方〕
- きくらげは水で戻し、食べやすい大きさに切る。トマトも食べやすく切る。モロヘイヤは葉を摘み、粗く刻む。パクチーも刻む。
- 鍋に黒きくらげと水を入れて火にかけ、沸騰したら鯖缶の汁と鶏ガラスープの素、トマトを加えて3分ほど煮る。
- 煮立ったら鯖の身を入れ、酒小さじ1(分量外)を加えて溶きほぐした卵を流し、菜箸でかき混ぜる。モロヘイヤを加え、Aで味を調える。
- そうめんをゆで、ゆで上がったらたっぷりの水に浸し、水を替えながらぬめりをとる。冷水に浸してそうめんを揉むように洗ってコシを出す。
- 器にBを入れ、熱いスープを6分目まで注ぐ。そうめんを加え、最後にパクチーを散らす。
◎ポイント
Bの調味料は別皿に添えて、味を調節しながら加えてもOK。
以下の記事では梅雨の時期におすすめの「薬膳つゆ」レシピを紹介しています。梅雨の時期の不調にぜひお試しください。
この方にお話を伺いました
料理研究家、管理栄養士、国際中医薬膳管理師 植木 もも子 (うえき ももこ)

中医学や雑穀などを取り入れた、美味しいだけでなく、体によい料理が評判。著書は「身近な素材でつくるかんたん養生酒』(PHP研究所)、『薬膳ナムル手帖』(家の光協会)多数。