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養命酒

特集記事 2023年4月号

一年の計は春にあり!年中調子よく過ごすための
春のカラダの「動かし方」と「休ませ方」

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新陳代謝が高まる春は、一年の中でも最も養生が大切とされる時期です。冬の休眠状態から徐々に体を目覚めさせ整えることが、一年を通して調子よく過ごすための土台になります。今回は春ならではの体の「動かし方」と「休ませ方」をご紹介。「動」と「休」をバランスよく組み合わせて、元気なスタートをきりましょう。

教えてくれた先生

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鍼灸師・東洋医学研究家鈴木 知世(すずき ちせ)先生

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1969年、東京都生まれ。仁愛中国鍼灸院院長。四季に沿った養生法を幅広く提案。医療・スポーツ・健康増進と幅広い分野に貢献している。著書に、『東洋医学式カラダとココロの整え方 新装版』(河出書房新社)、『1週間に1つずつ。いつも調子がいい人の 体を動かす習慣 休める習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『100歳で元気!をめざす 東洋医学式カラダとココロの養生術』(すばる舎)、『東洋医学式 60歳から始める!人生100年の養生術』(徳間書店)がある。

https://jinaichugoku.com/

 



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ようやく気候も暖かくなってきたけど、体の調子がいまいち上向かない。。。それにちょっとしたことでイライラしたり落ち込んだりもするし、気分も落ち着かないな。

 

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僕は春だからと張り切って運動を始めたけど、逆に体が疲れて調子を崩してしまったよ。

 

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春は体を眠らせたままにするのも、頑張りすぎるのもマイナスですよ。春は体の「動かし方」と「休ませ方」をうまく組み合わせて、徐々に体を目覚めさせることが大切です。

 

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えっ、動かしすぎも休ませすぎもダメなのですね!春ならではの方法もあるのですか?

 

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はい。春には春の体のリズムがあるので、それに合った運動やツボをご紹介しますね。春に体を整えておくと、一年中調子よく過ごせる体の土台をつくることができます。また、「なんとなくだるい」や「気分が落ち込む」といった「春のなんとなく不調」対策としてもおすすめですよ。

 

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よーし、春の体の上手な扱い方を知って、春を満喫するぞ!早速、動かし方と休ませ方を教えてくださーい。

 

 

春は新陳代謝に備え⽔をたっぷり摂る

新陳代謝の高まる春は、一年の養生のなかでも最も大切な時期です。新陳代謝が高まると病気やケガでダウンしにくくなり、また万一ダウンしても回復も早くなります。ですので、春に体を整えておくことが一年を通して調子のいい体をつくるための土台となります。
新陳代謝を促すために必要となるのが水です。細胞分裂を活発化させるためには水が不可欠なので、水分補給をしっかりしましょう。量は1日に2ℓ以上が目安です。できれば午前中に1日の半分の1ℓを摂るのが理想です。水の温度は冷水を避けて、常温か白湯で摂りましょう。味噌汁やだし汁の水分を組み合わせても大丈夫です。
「動かし方」や「休ませ方」に取り組む前に、水分をたっぷり摂ることを習慣に取り入れましょう。

動きやすい体にするために股関節をほぐす

冬は寒さから歩幅が小さくなり、股関節が硬くなってしまいがちです。ストレッチで股関節をほぐして、動きやすい体をつくりましょう。
また東洋医学では、春は「気」と「血」の流れを調整する「肝」を整えることが大切とされます。股関節は足先から頭へ向かう「肝」の経絡にあたるため、股関節をほぐすことで経絡の巡りをよくし、「気」と「血」の流れを促す効果もあります。

 

椅子に座り大きく開脚します。足の親指を立てた状態で、つま先を上下に動かすと股関節が楽に開きます。

 

開脚したまま両膝を両手で押さえて、左右の膝を10回押します。そのまま前に倒れるくらいのイメージでグーッと体重をかけます。

 

なにかと疲れがちな心と目をツボで癒す

春は環境の変化や大きな寒暖差が原因で、ストレスが溜まりがちな季節。また、冬に比べ格段に光量が増えていることもあり、目も疲れてしまいます。そんなお疲れ気味の心や目を癒すのが、「睛明穴(せいめいけつ)」というツボです。

 

「睛明穴」は目の疲れをとりすっきりさせるとされるツボで、目頭のやや内側の少しへこんだ場所にあります。

 

ポイントは薬指を使ってツボを押すこと。人差し指などで押すと力が入りすぎてしまい、血圧の低下を招くことがあります。
机に肘をついた状態で薬指を「睛明穴」に当て、人差し指・中指をまぶたにそっと添えます。そして指に頭の自重をゆっくりのせると、ラクに押すことができますよ。
「睛明穴」をやさしく数秒間押すと、興奮した心と体を落ち着かせる効果もあります。

 

寝床運動で血行とやる気をアップさせる

春、寝床の中でもできるツボ押し&運動としておすすめなのが、足の甲にある「太衝穴(たいしょうけつ)」というツボと、それを組み合わせた運動です。「太衝穴」は足の血流を促すほか、自律神経を整えてイライラを緩和したり、やる気をアップさせたりする効果もあります。

 

「太衝穴」は足の親指と人差し指の骨が交差するV字のくぼみにあります。まずは「太衝穴」を指でグリグリと押してみましょう。

 

次に横向きに寝て片足の親指を立てた状態で、膝を持ち上げます。このとき足が持ち上がりにくい人は手で足を持ち、補助してもよいです。そして天井に向かってキックをします。
この運動では股関節が柔らかくなるので、下半身を中心に筋肉全般に力が入りやすくなります。「太衝穴」のツボ押しと組み合わせることで、血行を促進する効果が一層アップします。

 

骨盤を意識して座り、体をきちんと休ませる

睡眠を除くと、体を休める時間のほとんどを座って過ごしていると思います。その時間を正しい姿勢で休むことで、効果的に疲れをとることができます。
座る際に骨盤が後ろに倒れていると内臓を圧迫してしまい、体が十分に休めません。さらに足から頭に向かう「気」が横隔膜付近に溜まってしまい、イライラの元となってしまいます。骨盤をやや前傾にすることで「気」がスムーズに流れ、また内臓を圧迫しないため血の巡りも改善されます。

 

椅子の背もたれに寄りかかった座り方だと、骨盤が後傾していることがほとんど。骨盤が正しい姿勢(やや前傾)になっているかの確認は、背中側に分厚い本(ティッシュ箱でも可)を立てかけることでチェックできます。正しい姿勢だと本が自分に寄りかかってきて(もしくは真っ直ぐ立っていて)、悪い姿勢だと本は後ろに倒れてしまいます。骨盤もきれいな姿勢で保ち、体をしっかり休ませましょう。

 

 

 

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春の体はいきなり全開で動かすのではなく、準備運動と適度な休みが大切なんだね。正しい座り方は休む時だけじゃなくて、デスクワークするときも疲れにくくなりそうだから取り入れてみよっと。体と心を労わりながら、徐々に調子を上げていけたらいいね。

 

 

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冬の休眠状態が抜けきれず、必要以上にダラダラしてしまう 160
「動」と「休」のメリハリをつけ、効率的に休めている 89
「動」も「休」も意識することなく、必要に応じて活動する 269

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